DI・教育・安全管理の考え方

DI・教育・安全管理の考え方

今回は私が考えている 「DI・教育・安全管理」 の位置づけ、扱う内容についてまとめました。

ブログを見て頂いているかたに加え、私が 「DI・安全管理・教育」担当となる際にその会社に対して提供できる内容の紹介の一部としてまとめたという意味合いもあります。

なお、この内容は完全に私の主観にもとづくものになります。

また、 「DI・安全管理・教育」の3つのカテゴリに便宜上わけてますが、それぞれ完全に独立しているわけではなく、それぞれ重なる部分があるのでそれほど厳密なものではありません。

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①DI

DIカテゴリでは添付文書改訂や新薬、効能追加など基本的に「新しく発出された情報」を発信します。

目的は、新しく発出された情報の「把握」と必要に応じて「対応策」を考えておくことです。

対応策というのは例えば、添付文書改訂により、「今後は服薬指導の際に新たにこういった説明が必要になった」とか、「新薬の併用禁忌項目にクラリスが含まれるから見落とさないように注意が必要」とかです。

主に扱う内容は下記となります。
●DSUのまとめ(毎月)  
●新薬情報(年4回程度)
●効能追加情報(年4回程度)
● 医薬品医療機器等安全性情報 (必要に応じて)

忙しくなると後述の「教育」などの自身にとって既知の内容よりも、自身にとって未知の内容である「DI」を扱うことが優先されてしまいます・・・。

②教育

DIでは「新しく発出された情報」(誰も知らない情報)を扱いますが、教育では教育者がすでに知っている情報を発信します。そのため、教育者の質が教育内容の質に直結します。

目的は「服薬指導の標準化」です。どの薬剤師が服薬指導をしても、「確認すること」と「説明すること」の内容に差がないようにするのが目的です。

扱う内容は決して高度なものではなく、多くは添付文書に記載のある内容ですが、教育を受けていない薬剤師は抜けが多い印象があります。

なお、教育関連の内容、特に考え方については私の経験に基づく独断と偏見を多分に含みます。

主に扱う内容は下記となります。

●服薬指導の方法、薬剤別服薬指導
過去記事でいうと「服薬指導の考え方」や「〇〇の服薬指導」のタイトルの内容になります。服薬指導の例を提示し服薬指導の内容を標準化するのが目的となります。

●薬剤師としての考え方や対応、知っておかなければならない知識
過去記事でいうと「ほとんどの内服薬や吸入薬で共通して行う服薬指導」「緑内障禁忌の薬剤の患者対応」「アスピリン喘息対応」「腎機能により減量が必要な薬剤の患者対応」などのような内容です。

③安全管理

目的は過誤防止で、そのための対策や考え方を発信します。また、新たな改訂などにより想定される過誤の注意情報を発信します。

「こういった過誤があったから注意するように」といった再発防止ではなく、新薬や新剤形・新規格発売・一般名収載などでこういった過誤が想定されるので、注意するようにといった、「過誤を未然に防ぐ」という考え方を重視して情報提供を行います。


●過誤注意情報(その都度)
新薬や新剤形・新規格発売・一般名収載などでこういった過誤が想定されるのでという注意喚起を行います。

過去記事でいうと「ケトプロフェンテープ(非温感)と(温感)の過誤注意」「オキシコドン錠製剤の過誤注意」のような内容です。

●薬剤名称類似ミスのまとめ(年2回程度更新)
このブログを見ていただいている方にはおなじみかもしれませんが、「薬剤名称類似ミス」の情報更新と情報発信を行います。

●過誤防止の考え方
過誤防止については具体的な考え方や方法が重要です。単に漫然と「注意をする」という感覚だけでミスが防げるわけではないので、そのあたりの考え方や方法を提供します。

過去記事でいうと「薬剤の取り違え防止のための鑑査方」「do処方の+αの監査方法」のような内容となります。

【DI・教育・安全管理で重要なこと】

DI・教育・安全管理で重要なことはこれらを意味のあるレベルで提供することです。役職として存在していたとしてもなんちゃってDI・安全管理・教育であれば、兼任ならばともかく専任としての存在価値はほぼありません。

「DSUがでたので見ておくように」といった単なる情報の横流しであったり、「こういった過誤があったので注意して」といった具体的な実行可能な再発防止策を伴わない注意や、教える側も何が重要かわかっていない形だけの教育では意味がありません。

例えばDIの場合は1番簡単なのは単に「DSUが発出されました」とか「新薬(薬名・薬効)がでました」、などのお知らせだけをして、「具体的な対応や注意点」については言及しないことです。

具体的な内容については言及せず、情報を横流ししているだけなので、間違いようがないですが存在価値はほとんどないです。

その情報に対する「具体的な対応と注意点」について言及するほど、間違う可能性は高くなり、情報発信の手間や難易度が上がりますが、これを行っていくのが「DI・教育・安全管理」の役職と考えています。

情報を受け取る側の注意点

前述したように私が発信するDI・教育・安全管理の内容は、参考になるようになるべく「具体的な対応や注意点」についても記載するように意識しています。

具体的な対応については、そもそも正解がない場合が多いので、妥当な対応を記載していく形になりますが、情報を受け取る側も「これらが妥当かどうか」や「情報に間違えがないかどうか」を判断して参考にするようにお願いしています。

服薬指導の考え方・教育
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