ネリゾナクリームとネリゾナユニバーサルクリームの違いと一般名処方の注意点

ネリゾナクリームとユニバーサルクリームの違い
以前の記事で、「一般名処方のトリアムシノロンアセトニド軟膏はケナログではない」ということを話題にしましたが、今回はネリゾナのクリーム製剤にあたる一般名処方である「ジフルコルトロン吉草酸エステルクリーム」に関して注意が必要なことと、ネリゾナクリームとネリゾナユニバーサルクリームの違いを取り上げます。

トリアムシノロンアセトニド軟膏はケナログではない
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ジフルコルトロン吉草酸エステルクリームには二種類の製剤がある

あまり知られていないようですが、ネリゾナのクリーム製剤にあたる一般名処方「ジフルコルトロン吉草酸エステルクリーム」には二種類の製剤が存在しています。

どういうことかというと「ネリゾナクリーム」と「ネリゾナユニバーサルクリーム」の2つの製剤が販売されており、どちらも同じ一般名「ジフルコルトロン吉草酸エステルクリーム」となっており注意が必要です。

ネリゾナクリームとユニバーサルクリームの違い

ネリゾナには商品名として「ネリゾナ軟膏」、「ネリゾナクリーム」、「ネリゾナユニバーサルクリーム」、「ネリゾナソリューション」の4種類が発売されており、クリームの商品のみ、「ネリゾナクリーム」と「ネリゾナユニバーサルクリーム」の二種類が販売されています。そのためクリームの一般名処方の場合だけ、この二つの商品が該当してしまいます。

それでは、そもそも、「ネリゾナクリーム」と「ネリゾナユニバーサルクリーム」は何が違うとかというと、クリームの型が異なっています。どちらも乳剤性基剤ですが、ネリゾナクリームは「O/W型」であり、ネリゾナユニバーサルクリームは「W/O型」となっています。

一般にネリゾナ軟膏のような油脂性の軟膏はクリームに比べて刺激が少なく安全性に優れ、全身の湿潤性病変から乾燥性病変まで幅広く使用されますが、べとつくという欠点があります。

一方、ネリゾナクリームのようなO/W型のクリームは、展延性に優れべとつきが少なく特に夏季に好まれますが、軟膏と比べて皮膚乾燥作用や刺激があるという欠点があります。

そして、W/O型のユニバーサルクリームは軟膏とO/W型クリームの中間的な性質で、多少の湿潤面から乾燥面まで比較的適用範囲は広いと評価されています。つまり、ネリゾナユニバーサルクリームの方が軟膏の性質に近いクリームであるということができます。

なお、ネリゾナには液体タイプのネリゾナソリューションも存在しています。エタノールを含むソリューションは、有毛部や間擦部の乾燥性病変に使いやすく、清涼感がありますが、掻破痕などがあると一過性の刺激感を生じることがあるので注意が必要とされています。

薬局における対応

一般名処方「ジフルコルトロン吉草酸エステルクリーム」には「ネリゾナクリーム」と「ネリゾナユニバーサルクリーム」の二種類存在するため、薬局側としてはどちらで調剤してもよいと考えられますが、場合によっては医師が二種類存在することを認識していない可能性もあるため、一度処方医に確認しておくのが良い対応ではないかと思います。

服薬指導の考え方・教育皮膚製剤過誤対策
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