ザファテックの服薬指導

ザファテックの服薬指導
今回は2015年5月に発売された1週間1回投与の糖尿病薬の新薬である持続性DPP-4阻害剤ザファテックの服薬指導をまとめました。ザファテックは2型糖尿病を効能・効能とし、用法・用量に関しては100mgを1週間に1回経口投与するとされています。なお、ザファテックのネシーナに対する効果比較や特徴は前回の記事をご参照ください。

ザファテックの効果・特徴・副作用
今回は2015年5月に発売された1週間1回投与の糖尿病薬の新薬である持続性DPP-4阻害剤ザファテック(トレラグリプチン)の効果や特徴・副作用をまとめました。ザファテックは2型糖尿病を効能・効能とし、用法・用量に関しては100mgを1週...
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ザファテックの概要

服薬指導難度

効能

2型糖尿病

用法・用量

100mgを1週間に1回経口投与する

名前の由来

経口糖尿病治療薬では初めてとなる1週間1回投与製剤であることから、The first technology of weekly DPP-4i のThe first technologyの頭文字であるThe+fi+techを由来としています。

特徴

ザファテック錠の服薬指導は主に以下のポイントがあります。
①腎障害の有無の確認
②インスリンやSU剤の併用の確認
③のみ忘れた際の対応
④運転などの注意
⑤急性膵炎及び腸閉塞に関する注意
⑥低血糖に関する注意

以下で詳しく説明します。

ザファテックの服薬指導で確認すること

① 腎障害の有無【高度の腎機能障害患者禁忌・中等度腎障害は減量】

高度の腎機能障害では禁忌となりますが、中等度腎機能障害者(30≦Ccr≦50mL/min)では減量すれば服用することができます。

これは海外において腎機能障害者を対象に、ザファテックを単回投与したときの薬物動態を検討した結果で中等度腎機能障害者(30≦Ccr≦50mL/min)ではAUCが2倍になったため通常用量(100mg)の半量(50mg)とすることが設定されています。

なお、軽度腎機能障害者(50<Ccr≦80mL/min)ではAUCは1.5倍であり、本剤の投与量の調節は不要と考えられています。

高度腎機能障害者(Ccr<30mL/min)及び末期腎不全患者(血液透析を要する患者)ではそれぞれ3.0倍及び3.7倍であり、これは禁忌として設定されました。

②併用の有無【インスリンやSU剤は減量を検討】

SU剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあり、これらの薬剤と併用する場合には、SU剤又はインスリン製剤の減量を検討することとされています。

添付文書上に具体的な減量の目安の記載はありませんが、インタビューフォームには、同様の注意喚起が「インクレチンGLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬の適正使用に関する委員会から発出されています」と記載かあるため、これを参考とするのがよいかと思います。

SU薬とインクレチン関連薬の併用に関する適正使用の内容の減量に関する部分を抜粋すると以下の通りです。最期に改定されたのが2011年のため、その後に発売された薬剤の名前がありませんが、対応としては同様の対応でよいかと思います。

SU薬ベースで治療中の患者でシタグリプチン・ビルダグリプチン・アログリプチンを追加投与する場合、SU薬は減量が望ましい。SU薬・ビグアナイド薬の併用にシタグリプチン・アログリプチンを追加投与する場合は一層の注意を要する。
特に高齢者(65歳以上)、軽度腎機能低下者(Cr 1.0mg/dl以上)、あるいは両者が併存する場合、シタグリプチン・ビルダグリプチン・アログリプチン追加の際にSU薬の減量を必須とする。
グリメピリド(アマリール)2mg/日を超えて使用している患者は2mg/日以下に減じる。グリベンクラミド(オイグルコン、ダオニール)1.25mg/日を超えて使用している患者は1.25㎎/日以下に減じる。グリクラジド(グリミクロン)40㎎/日を超えて使用している患者は40mg/日以下に減じる。

ザファテックの服薬指導で伝えること

① のみ忘れの対応【用法及び用量に関連する使用上の注意】

本剤の服用を忘れた場合は、気づいた時点で服用し、その後はあらかじめ定められた曜日に服用すること。

②運転などの注意【重要な基本的注意】

糖尿病用薬共通の注意事項であり、低血糖症状を起こすことがあるので、自動車の運転、機械の操作、また高所作業等を行う際には注意するよう指導することとされています。

③急性膵炎に関する注意【重大な副作用(類薬)】

他のDPP-4阻害剤で急性膵炎の発現例が報告されているため記載があります。持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合にはすぐに受診するように説明します。

④腸閉塞に関する注意【重大な副作用(類薬)】

添付文書上は類薬の重大な副作用に記載がありますが、ザファテックの国内臨床試験でも1例報告されています。腸閉塞発現例については投与後1日目に腸閉塞と診断されているため、個人的には因果関係があるかは難しいところかと思います。

高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には受診するように説明します。

⑤低血糖に関する注意【重大な副作用】

糖尿病用薬共通の注意事項です。低血糖に関する説明を行い、ブドウ糖を渡して発現時は服用するように説明します。低血糖の症状に関しては指導せんを使うのがよいと思います。私はグリミクロンの低血糖に関する指導せんを用いています(指導せん内に薬剤名の記載がないため、どの薬剤の指導にも使いやすい)。

α-グルコシダーゼ阻害剤を併用している場合以外は砂糖20gでもよいとされますが、個人的にはブドウ糖のほうが携帯性に優れるため、全ての糖尿病薬でブドウ糖をお勧めしてます。

ブドウ糖の量に関しては、特に医師からグラム数について指示がなければ10g服用します。なお、固形の場合は噛み砕いて飲み込むように指導します。また、低血糖があった場合は次回受診時に医師にそのことを伝えるように説明します。

服薬指導の薬歴例

S)糖尿病で追加
O)腎障害なし・併用なし(SU剤、インスリンの併用の有無を確認)
A)低血糖に関して指導せんを渡して説明。発現時にはブドウ糖10gを噛み砕いて飲み込むよう指導。低血糖状況は次回受診時に医師に伝えるように指示。運転など注意するよう説明。

万一、持続的な激しい腹痛、嘔吐、高度の便秘、お腹のはりでる場合はすぐ受診指示。本剤の服用を忘れた場合は、気づいた時点で服用し、その後はあらかじめ定められた曜日に服用すること説明。

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