他薬局などでもらっている薬を一包化して欲しいなどの依頼があった場合の対応【外来服薬支援料】

外来服薬支援料
今回は患者から、他薬局や院内処方でシートでもらっている薬を、一包化して欲しいなどの申し出があった場合の対応手順をまとめました。

このような場合には「外来服薬支援料」で対応するのが適切かと思います。具体的な手順に関してはあくまで個人的に考えたものとなりますが参考になればと思います。

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外来服薬支援料【185点】とは

外来服薬支援料とは、処方箋が無い場合でも、患者または家族が持参した服薬中の薬剤(すでに自薬局や他薬局、院内処方などで調剤済みの薬剤)を一包化等で整理した場合に算定することができます(なお、在宅医療患者には算定できません)。

処方箋が無いのでこの場合は185点のみ算定(他の調剤料や基本料は算定できない)となるため、1割負担で190円、3割負担で560円となります。

自己による服薬管理が困難な患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、当該患者が服薬中の薬剤について、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性を確認した上で、患者の服薬管理を支援した場合に月1回に限り算定する。

患者若しくはその家族等又は保険医療機関の求めに応じて、患者又はその家族等が保険薬局に持参した服用薬の整理等の服薬管理を行い、その結果を保険医療機関に情報提供した場合についても、所定点数を算定できる。

注意点と補足

・外来服薬支援料は、保険薬局の保険薬剤師が、自己による服薬管理が困難な外来の患者又はその家族等の求めに応じ、当該患者又はその家族等が持参した服薬中の薬剤について、治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性を判断し、当該薬剤の処方医にその必要性につき了解を得た上で、一包化や服薬カレンダーの活用等により薬剤を整理し、日々の服薬管理が容易になるよう支援した場合に、服薬支援1回につき算定する。

なお、服薬管理を容易にするような整理を行わずに単に服薬指導を行っただけでは算定できない。

・外来服薬支援料は、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については算定できない。また、現に他の保険医療機関又は保険薬局の薬剤師が訪問薬剤管理指導を行っている患者についても算定できない。

・外来服薬支援料を算定する場合は、服薬支援に係る薬剤の処方医の了解を得た旨並びに当該薬剤の名称、服薬支援の内容及び理由を薬剤服用歴の記録に記載する。

事前準備

この外来服薬支援料は処方箋がない状態での算定となるので、レセコンの入力方法が特殊となります。

レセコンにもよりますが、事前に「薬品マスタ」や「医師マスタ」などに「外来服薬支援料算定用」のものを登録しておいて、該当患者の処方入力画面でこれらを使って入力する場合が多い印象があります。

なお、会計は外来服薬支援料の185点のみの算定となり、他の調剤料や基本料は算定できません。

患者から他薬局や院内処方でシートでもらっている薬を、一包化して欲しいなどの申し出があった場合の対応手順

①値段や所要時間などの説明

下記の留意事項を説明します。

・会計が発生し時間がかかること(外出を勧める)
・医師の許可がいるので電話で許可を得てからの作成となること
・自店調剤分でない場合は現物のほかに薬情や手帳など処方内容がわかるものが必要なこと
・次回以降は処方箋に一包化指示がいること
・途中で連絡が必要になる場合があるため、外出する場合は携帯電話番号を教えてもらっていること
・現物を預かって作成するため、当日服用分などの必要なものは預ける分から抜いておくこと

②支援理由と支援内容(一包化など)の確認

支援理由と支援内容は算定要件として薬歴へ記載が必要であるため確認します。

支援理由としてはほとんどが「飲み間違い、飲み忘れ」、支援内容はほとんどが「一包化」かと思います。

また、必要があれば一包化に加え服薬カレンダーなどを紹介してもよいかと思います。

③どの内容で一包化するか確認(自薬局調剤分でない場合は薬情か手帳を確認)

どの内容(いつの処方内容)の一包化を希望しているのか確認します。また、処方内容のうち一包化から外す希望がある薬があるかも併せて確認します。

自薬局調剤分であればわかりやすいのですが、院内処方や他薬局調剤分であればこちらでは飲み方がわからないため薬情か手帳の確認が必要です。この場合は薬情や手帳をコピーしておくほうが良いかと思います。

④現物の確認

預かった現物を確認し、何日分作成できるか確認します。

⑤医師に連絡

医師に連絡し患者が残薬を持参し、いつの処方内容での一包化を希望しているか(一包化から抜くものがあれば併せて伝える)を伝え、許可があれば持参したものを一包化できることをお話します。

⑥作成・監査

一包化し、監査します。処方箋がないため、作成者や監査者の記録が疎かになりがちなので後述するように処方箋の代わるものを作り運用したほうがよいかもしれません。

⑦交付

患者に渡して会計します。1割負担で190円、3割負担で560円となります。なお、今後は処方箋により一包化することを説明します。

薬歴記載例

算定の必要事項である「処方医の了解を得た旨」、「当該薬剤の名称」、「服薬支援の内容及び理由」は必ず薬歴に記載する必要があります。

これ以外にも「持参薬はどこで調剤されたものか」、「いつの処方分の薬剤内容で一包化するか」なども記載しておいたほうがよいかと思います。

1.支援理由:飲み間違え、飲み忘れが多く一包化希望
2.支援内容:一包化
3.持参薬はどこで調剤されたものか:他薬局
4.(3が自薬局以外の場合)処方を確認した情報(コピーし保管すること):薬情
5.いつの処方分の内容で一包化するか:7月20日
6.その処方分の中で一包化しない薬剤の有無:なし
7.病院名及び医師名:〇〇医院 〇〇
8.処方医への了承を得た日時:8月23日
9.薬剤の名称・用法・日数
10.調剤者
11.監査者

実際の運用方法

前述しましたが、この外来服薬支援料は処方箋がない状態での算定となるので処方箋に代わるものを作成し運用するのがよいかと思います。

個人的な運用方法となりますが参考までに私が「Word」で作成したファイル「外来服薬支援料算定記録」を下記にご紹介します(A5サイズで作成しています)。これに必要事項を記載し処方箋代わりに保管します。

スキャンにより処方箋と薬歴の結びつけが容易の場合はこの「外来服薬支援料算定記録」をスキャンします(持参薬が自薬局以外の場合には参照した薬情などのコピーも一緒に)。

このようにスキャン可能であれば薬歴には「処方医の了解を得た旨」、「当該薬剤の名称」、「服薬支援の内容及び理由」の必須事項のみ記載し、詳細は「外来服薬支援料算定記録参照」などと記載すれば運用が楽になるかと思います。

・外来服薬支援料算定記録(A5サイズ)ダウンロード(Word)

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