ミノマイシンの服薬指導

ミノマイシン服薬指導
今回はミノマイシンの服薬指導をまとめました。運転などを避ける必要があることや多めの水で服用すること、尿色が変わることなど、意外と指導し忘れている薬剤師が多い印象があるため注意が必要かと思います。

また、ミノマイシンは脂溶性テトラサイクリンであり、水溶性テトラサイクリンであるアクロマイシンVなどに比べて、食事や牛乳などの乳製品の影響が少ない薬剤となっています。

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ミノマイシン(ミノサイクリン)の概要

服薬指導難度

効能

<適応菌種>
ミノサイクリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、炭疽菌、大腸菌、赤痢菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌、梅毒トレポネーマ、リケッチア属(オリエンチア・ツツガムシ)、クラミジア属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)

<適応症>
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、淋菌感染症、梅毒、腹膜炎、感染性腸炎、外陰炎、細菌性腟炎、子宮内感染、涙嚢炎、麦粒腫、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、上顎洞炎、顎炎、炭疽、つつが虫病、オウム病

用法・用量

通常成人は初回投与量をミノサイクリンとして、100~200 mg(力価)とし、以後12時間ごとあるいは24時間ごとにミノサイクリンとして100 mg(力価)を経口投与する。
なお、患者の年齢、体重、症状などに応じて適宜増減する。

名前の由来

ジメチルアミノ基の導入に由来する一般名ミノサイクリンの「ミノ」と抗生物質を表わす「マイシン」から命名されています。

ミノマイシンの服薬指導で確認すること

①妊娠の有無【効能又は効果に関連する使用上の注意】

禁忌ではありませんが、通常は他の薬剤で代替できない極めて限られた状況以外は妊婦に使うことはないため確認します。

胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがある。また、動物実験(ラット)で胎児毒性が認められているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

②年齢の確認【効能又は効果に関連する使用上の注意】

禁忌ではありませんが、小児では歯の着色をおこす場合があるため、年齢の確認を行います。少なくとも特にリスクが高い8歳未満では疑義照会をしたほうがよいかと思います。

小児(特に歯牙形成期にある 8 歳未満の小児)に投与した場合、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがあるので、他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること。

③併用薬やサプリメントなどで金属含有製剤併用の有無【併用注意】

カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄剤などの金属との併用により、消化管内で難溶性のキレートを形成して、ミノマイシンの吸収が減弱するため確認します。

併用する場合は添付文書の記載に従い、服用間隔を2~4時間ずらしたほうがよいかと思います。

牛乳の併用

ミノマイシンは牛乳はNGということが広く言われている印象がありますが、実際は脂溶性テトラサイクリンであるミノマイシンに関しては、AUCが24%減弱する程度であり臨床的にそれほど問題にはならないようです。

説明すること自体は良いかと思いますが、絶対NG、というほどAUCの減弱率は高くは無いことは認識しておいたほうがよいかと思います。

参考書籍:薬の相互作用としくみ

ミノマイシンの服薬指導で伝えること

①めまい及び運転など避けることの説明【重要な基本的注意】

めまいが現れることがあるため運転など危険な作業を避けるよう説明します。

めまい感があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作及び高所での作業等に従事させないように注意すること。

②尿色の説明【その他の注意】

尿色が茶色や緑に変色する場合があるため説明します。

投与により尿が黄褐~茶褐色、緑、青に変色したという報告がある。

③多めの水で服用することの説明【適用上の注意】

食道に停留すると潰瘍を起こすことがあるので、多めの水で服用することの説明します。

食道に停留し、崩壊すると食道潰瘍を起こすことがあるので、多めの水で服用させ、特に就寝直前の服用等には注意すること。

④食後を守ること(用法が食後の場合)

添付文書には記載がありませんが、書籍によっては潰瘍防止のため食後の服用が推奨されているので、処方箋の用法が食後できている場合は、NSAIDs同様になるべく食後を守ることを説明したほうが良いかもしれません。

ミノマイシンの服薬指導薬歴例

O)妊娠なし、併用なし、サプリメントなど併用なし
A)めまいが現れることがあるため運転など危険な作業を避けるよう説明。多めの水で服用すること、尿色説明。食後守ること説明。

薬剤別服薬指導
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