2017年5月分 DSUのまとめ・解説

2017年5月分 DSU
今回は2017年5月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。

カルブロック(アゼルニジピン)のアゾール系薬剤などの併用禁忌が整備されましたが、ブイフェンドなど一部のアゾール系薬剤側の添付文書の併用禁忌欄には未だにカルブロックが記載されたいないため、見落とさないように注意が必要です。

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①プラリア皮下注(デノスマブ)【重要な基本的注意】

重要な基本的注意に治療中止後の多発性椎体の注意が追記されました。

「骨粗鬆症患者において、本剤治療中止後、骨吸収が一過性に亢進し、多発性椎体骨折があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、本剤治療中止後に骨吸収抑制薬の使用を考慮すること。」

これは閉経後骨粗鬆症患者を対象とした海外第Ⅲ相二重盲検試験及びその非盲検継続試験において、治療中止後の骨折発生を追跡調査した結果、新規椎体骨折の発現率は特にプラセボに比べて多い傾向はありませんでしたが、多発性新規椎体骨折の発現率は本剤3.4%(34/1,001例)、プラセボ群2.1%(10/470例)であったことから改訂となりました。

なお、本剤群における多発性新規椎体骨折の発現までの期間は、最終投与から12.4ヵ月(中央値)でした。

②カルブロック(アゼルニジピン)【併用禁忌】

従来より、併用禁忌であった「アゾール系抗真菌剤」に関する記載が、従来では「等」と省略されていた薬剤がありましたが、今回の改訂で具体的な一般名(販売名)が明記されました。また、外用剤を除く旨も追記されました。

なお、この従来「等」の含まれ省略されていたジフルカン、プロジフ、ブイフェンド側の添付文書には依然として併用禁忌の項目にカルブロックの記載がありません。

そのため、カルブロック側の添付文書を見ないと見落としてしまうため、注意が必要です。特にアゾール系薬剤は併用禁忌が多いため、通常はアゾール側の添付文書を見て確認する場合が多いため、このことは十分意識しておく必要があります。

また、レザルタスなどのカルブロック含有の配合剤などの場合も見落とされやすいので注意が必要かと思います。

<従来の記載>
アゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール(イトリゾール)、ミコナゾール(フロリード)等

<改訂後>
アゾール系抗真菌剤(外用剤を除く)
イトラコナゾール(イトリゾール)、ミコナゾール(フロリード)、フルコナゾール(ジフルカン)、ホスフルコナゾール(プロジフ)、ボリコナゾール(ブイフェンド)

また、カルブロックの併用禁忌のうち下記も改訂となっています。

・「HIV プロテアーゼ阻害剤」も同様に「等」と省略された部分を具体的な一般名(販売名)を追記

・「コビシスタット含有製剤」に従来記載のある「スタリビルド配合錠」以外のコビシスタット含有製剤が現在販売されているため、販売名を追記

・C 型慢性肝炎治療薬ヴィキラックス「オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル」を併用禁忌に追記(ヴィキラックス側の添付文書には以前から記載されています。)

③リポバス(シンバスタチン)【併用禁忌】

併用禁忌にヴィキラックス(オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル)が追記となりました。なお、ヴィキラックス側の添付文書には以前から記載されています。

④リオベル(アログリプチン・ピオグリタゾン)【効能又は効果に関連する使用上の注意】

従来はリオベルの使用の条件が以下の①、②のいずれかの場合でしたが、今回の改訂で「アログリプチン安息香酸塩(アログリプチンとして1日25mg)単剤の治療により効果不十分な場合」も追加となりました。

①既にアログリプチン安息香酸塩(アログリプチンとして1日25mg)及びピオグリタゾン塩酸塩(ピオグリタゾンとして1日15mg又は30mg)を併用し状態が安定している場合

②ピオグリタゾン塩酸塩(ピオグリタゾンとして1日15mg又は30mg)単剤の治療により効果不十分な場合

③アログリプチン安息香酸塩(アログリプチンとして1日25mg)単剤の治療により効果不十分な場合

⑤シンポニー皮下注【効能追加】

従来の効能である関節リウマチに加えて、新たに「潰瘍性大腸炎」の効能が追加となりました。

これにより、「シンポニーの併用=リウマチ」とは限らなくなりました。

DSU等の解説
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