今回は「ロキソプロフェンNaテープ(温感)」と「ロキソプロフェンNaテープ(非温感)」の過誤注意についてまとめました。
ロキソニンテープの一般名処方である「ロキソプロフェンNaテープ(非温感)」というのはよく見かける処方なので、「非温感」ということは「温感」もあるのかと、すでに認識し、取り違えに注意している薬剤師もいるかと思いますが、実際に温感タイプの商品名やジェネリック間での温感から非温感への代替調剤ができないことまで把握している薬剤師は少ないかもしれません。
ロキソプロフェンNaテープ(温感)の商品名
現在販売しているロキソプロフェンNaテープ(温感)に該当する製剤は下記の2点のみです。
腹立たしいことに商品名や添付文書中に「温感」と記載がなく、商品名だけでは判断できないため過誤を誘発する商品名と言えます。
・ロキソプロフェンNaテープ「三友」
・ロキソプロフェンナトリウムテープ「タイホウ」
添付文書の記載からの温感の判別方法
添付文書の添加物として記載されている「ノニル酸ワニリルアミド」がカプサイシンの誘導体であるため、これが温感の成分となっているようです。
また、適用上の注意の項目には「入浴の30分以上前にはがす」など、温シップの注意事項が記載されています。
このあたりの記載から温感と判断できるかと思います。
想定される過誤
非温感の処方を、わざわざ温感と間違うケースはあまりないかと思われるため、最も想定されるミスは温感の処方を非温感と誤ってしまうケースかと考えられます。
下記の2通りが想定されます。
1.温感の商品名処方を非温感で代替してしまう
2.温感の一般名処方を非温感として調剤してしまう
1.温感の商品名処方を非温感で代替してしまう
このケースが最も気付きにくいかと思います。
ロキソプロフェンナトリウムテープ「タイホウ」(または三友)の処方を、温感と気づかずに自店舗に在庫がある非温感のジェネリック製剤と代替してしまうケースです。
レセコンでは代替候補として、出てきてしまう場合が多いかと思いますが、ジェネリック同士の「温感」から「非温感」(またはその逆)への代替調剤は制度上できません。
なお、大鵬薬品に確認したところの、先発のロキソニンテープの処方からジェネリックの「温感」への代替はできるようですが、先発からわざわざ温感に代替することはほぼないかと思います。
2.温感の一般名処方を非温感として調剤してしまう
ロキソプロフェンNaテープ(温感)の一般名処方を誤って非温感であるロキソニンテープや非温感のジェネリックで調剤してしまうケースです。
過誤防止対策
過誤防止対策としては、下記の2点となります。
・ロキソプロフェンNaテープのジェネリック製剤の商品名処方を代替調剤する場合は、処方されている商品名が「温感」か「非温感」かを確認すること。「温感」から「非温感」(またはその逆)への代替調剤は不可。
・ロキソプロフェンNaテープの一般名処方の場合は、処方された一般名の記載が「温感」か「非温感」かを確認すること。
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