今回は、患者さんが今まで他院や他薬局でもらっていた薬を今回から自薬局で調剤するという場合の注意点をまとめました。
個人的な考えとなりますが、参考になればと思います。
今までも使っていた薬であると患者から申し出があると、たいした服薬指導をせずに渡してしまいがちですが、下記の2点の対応が必要と考えています。
①手帳や薬情などから「本当にDO」かを確認する。
②初回使用時と同様の服薬指導を行う。
以下で詳しく説明します。
①手帳や薬情などから「本当にDO」かを確認する。
「処方病院が同じで薬局だけ変わった場合」には、比較的まれですが、「紹介状などで病院を変わって同じ薬を処方してもらった場合」には、しばしば薬の規格や用法が今までと変わってしまっていることがあります。
もちろん、この場合は疑義照会対象となります。
そのため、今までも使っていた薬であると患者から申し出がある場合でも、「本当にDO」であるかを確認する必要があります。
実際の対応
手帳や薬情など、今まで飲んでるものがわかるものを持っているかを患者に聴取します。
特に病院を変えている場合は、何かしら病院にも見せているはずなので確認します(紹介状のみ持参で病院に渡してしまったので確認できない場合もあります)。
薬歴記入
「本当にDO」であることを確認した場合は薬歴の「O」に「手帳によりDOであること確認」などと記載します。
②初回使用時と同様の服薬指導を行う。
今まで使っていた薬であるため、患者側も説明不要のような雰囲気の場合が多いかと思いますが、自薬局で調剤するのが、初めてであれば初回使用時と同様の服薬指導を行う必要があります。
これをしないと、実際は禁忌に該当していた際や、説明することとされている内容で患者が不利益を被った際に、責任を問われてしまいます(前の薬局のせいにはできない)。
前の薬局で確認や指導をしているかどうかに関わらず、自薬局で確認や指導を行い、その結果をしっかり薬歴に残すことが重要ということです。
薬剤師の考え方
薬剤師は「疑うのが仕事」なので、前の薬局の薬歴をみれるわけでもないのに、適切に服薬指導をされていたと判断してしまうのは薬剤師として危険な考え方です。
なお、処方された薬全てで初回使用時と同様の服薬指導を行うため、処方薬の種類が多いと「確認すること」、「説明すること」ともに多くなり、服薬指導の難易度は通常よりも高くなります。
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