新薬承認情報【2017年秋】

新薬承認情報【2017年秋】
今回は2017年秋分の新薬承認品目のなか、薬局薬剤師に関係がある薬剤の概要をまとめました。

今回は従来の類薬と比べて有用な点がある薬剤が多い印象があります。

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①シダキュアスギ花粉舌下錠

「スギ花粉症(減感作療法)」を効能とする成人及び小児等において使用可能となった舌下錠です。

既存製剤であるシダトレンは冷蔵保存(2~8℃)が必要ですが、シダキュアは室温保存が可能となっています。

また、12歳以上のスギ花粉症患者を対象に開発されたシダトレンと比べ、本剤では、より低年齢患児(5歳以上)での有効性及び安全性が確認されています。

②ルパフィン錠(ルパタジンフマル酸塩)

「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒」を効能とする新しい作用機序を併せ持つ経口アレルギー性疾患治療剤です。

2つの化学伝達物質(ヒスタミンに加えて血小板活性化因子(PAF))を抑える、DUAL作用によって強力な効果を発揮し、アレルギー性疾患における症状を抑制します。

「Rupatadine」 と「PAF(platelet activating factor:血小板活性化因子)」、「IN(Inhibition:抑制)」に由来して命名されています。

③レクタブル注腸フォーム14回(ブデソニド)

「潰瘍性大腸炎(重症を除く)」 を効能とする日本初の泡状の注腸製剤です。

泡状であることにより、腸管内における薬液の保持性が高く、投与後に肛門から薬液が漏れる事が少ないという特徴があります。

また、1缶で14回までの投与が可能なこと、立位での投与が可能なことより、注腸治療の簡便性を向上させ、潰瘍性大腸炎の寛解導入治療における新たな選択肢として期待されています。

あまり謳ってはいないようですが、従来の注腸製剤と比べてかさばらない点もメリットかと思います。

「Rectum(直腸)」と「Bubble(泡)」の組み合わせから命名されています。

④マヴィレット配合錠(グレカプレビル水和物/ピブレンタスビル)

「C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能とする本邦初の最短 8 週間治療を可能にする薬剤です。

NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤のグレカプレビル水和物(GLE300mg)とNS5A阻害剤のピブレンタスビル(PIB120mg)の配合剤であり、すべてのジェノタイプ(GT1~6型)のC型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変治療薬です。

「Multi Active VIRologic Enhancing Treatment」の各頭文字から命名されています。

⑤アト-ゼット配合錠LD/HD(エゼチミブ/アトルバスタチンカルシウム)

ゼチーアとリピトールの配合錠です。

LDLコレステロール低下薬を2成分組み合わせた配合剤は、国内初となります。

エゼチミブ/アトルバスタチンとしてLDは10mg/10mg、HDでは10mg/20mg含有しています。

配合成分の一般名である、アトルバスタチン(Atorvastatin)及びエゼチミブ(Ezetimibe)から命名されています。

⑥イブランスカプセル(パルボシクリブ)

「手術不能又は再発乳癌」を効能とする世界初のサイクリン依存性キナーゼ CDK4/6を阻害する経口分子標的薬です。

CDK4/6は、細胞周期の調節に主要な役割を果たしており、細胞増殖を引き起こします。イブランスはCDK4および6を選択的に阻害して、細胞周期の進行を停止させることにより、腫瘍の増殖を抑制すると考えられています。

本剤は、内分泌療法剤との併用で使用します。
1 日 1 回の食後に経口投与し、3 週間投与 1 週間休薬を 1 サイクルとして投与を繰り返します。

⑦ケブザラ皮下注150mgシリンジ/オートインジェクター(サリルマブ)

「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」を効能とする抗IL-6受容体抗体の薬剤です。

類薬にはアクテムラ皮下注シリンジ/オートインジェクターなどがあります。

⑧ヒューマペンサビオ(医療機器)

ヒューマペンサビオは、リリー社のインスリンカートリッジ(ヒューマログ注カート、ヒューマリンR注カートなど)を装着して使うカートリッジ交換型インスリンペン型注入器です。

先行製品である「ヒューマペンラグジュラ」をベースに開発されており、下記の特徴かあります。

・本体の色が4色ある。(あずき色、うぐいす色、水色、銀色)
・インスリンカートリッジの残量を超えて単位設定できないようになっている。
・ワンタッチでカートリッジ交換ができる。
・いつまで注入器が使用できるかを正確に把握できるように使用期限が設定された。

また、ヒューマペンラグジュラと比較して、注入器本体のサイズがより短く、重量がより軽くなっています。

新薬DSU等の解説
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