2023年12月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。
今回はそれほど重要な改訂はありませんでした。
①メトピロンカプセル(メチラポン)
クッシング症候群の効能において,重要な基本的注にQT延長と低カリウム血症が追記となりました。
<重要な基本的注>
QT延長があらわれることがあるので、必要に応じて心電図検査を実施すること。低カリウム血症があらわれることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行うこと。
②血液凝固阻止剤
重大な副作用に「急性腎障害」が追加となりました。
<重大な副作用>
急性腎障害:(イグザレルト、エリキュース、プラザキサ、リクシアナ)経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害があらわれることがある。
経口抗凝固薬投与後の急性腎障害の中には、血尿を認めるもの、腎生検により尿細管内に赤血球円柱を多数認めるものが報告されている。急性腎障害:ワーファリン
経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害があらわれることがある。
本剤投与後の急性腎障害の中には、血尿や治療域を超えるINRを認めるもの、腎生検により尿細管内に赤血球円柱を多数認めるものが報告されている。
③ダントリウム(ダントロレン)
「生殖能を有する者」に避妊が必要な旨とその期間が記載されました。
<生殖能を有する者>
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。男性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
④ナノゾラ皮下注シリンジ・オートインジェクター(オゾラリズマブ)
既存治療で効果不十分な関節リウマチの効能を持つナノゾラ皮下注に在宅自己注射が保険適用になりました。
⑤ガラフォルドカプセル(ミガーラスタット)
ファブリー病(全身の細胞に糖脂質が蓄積する先天代謝異常症)治療剤のガラフォルドカプセルの併用注意にカフェインが追加となりました。
<併用注意>
カフェインとの同時摂取により、本剤のCmax 及びAUCがそれぞれ60%及び55%減少したとの報告があることから、本剤服用の前後2時間は摂取を避けること。機序は不明である。
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