薬袋不要という患者に対する対応

薬袋不要
今回はどこの調剤薬局にもある程度いると考えられる薬袋不要と申し出る患者に対しての対応をまとめました。個人的な考えとなりますが参考になればと思います。

結論から言いますと薬袋不要に応じてしまった場合は、薬剤師法の罰則で1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に該当してしまうため、薬袋不要には応じるべきではないというのが私の考えです。

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薬袋に関する薬剤師法について

薬剤師法第4章【業務】(調剤された薬剤の表示)の項目である第25条には以下の記載がされています。

薬剤師は、販売又は授与の目的で調剤した薬剤の容器又は被包に、処方せんに記載された患者の氏名、用法、用量その他厚生労働省令で定める事項を記載しなければならない。

また、これに違反した場合は薬剤師法第5章【罰則】の項目の第30条に以下の記載がされています。

次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

1 第8条第2項の規定により業務の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、業務を行つたもの

2 第22条、第23条又は第25条の規定に違反した者

薬袋不要という患者に対する対応

上記を踏まえて薬袋不要という患者に対する対応を以下の2つの場合に分けて考えました。

1.患者から新たに薬袋不要と言われた場合
2.すでに薬袋不要に応じてしまっている場合

1.患者から新たに薬袋不要と言われた場合

「いつもの薬なのでとかゴミになるので」などその患者から初めて申し出があった場合は、法律で渡さなければならないこととなっていて、違反すると罰せられてしまうため応じることができないことを説明します。

2.すでに薬袋不要に応じてしまっている場合

この場合はなかなか対応が難しいかと思いますが、下記のように説明するとよいかもしれません。

「今までは要望があれば出さなかったのですが、渡し間違えを防ぐ意味合いや袋を渡さないと法律違反になってしまうため薬局の方針として全ての方に渡すことと統一させて頂きましたのでご了承頂けますか。」

どうしても上記の対応が難しい場合

患者の要望でも当然のことながら、私たちが違反に当たることをすべきではありません。そのため上記の対応で納得頂けない患者に対しては状況によっては処方せんを返却するなどの対応もやむをえないかと思いますが、一応、推奨はしませんが折衷案も考えてみました。

対応としては上記の説明をした上で、「薬袋は毎回発行するが投薬窓口で患者自身が破棄する(もしくは表面上はそういった体(てい)にする)」といったものです。

また、薬歴には「薬袋不要」などの文言は記載せず、少なくとも「薬袋不要との申しであるが義務であるため発行すること説明、患者自身が窓口で破棄」などの記載にしたほうが良いかと思います。

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