
2024年7月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。
今回はアイファガンの角膜混濁やケレンディアの併用禁忌追加が主なものとなっています。
①ブリモニジン製剤(アイファガンなど)【重大な副作用・重要な基本的注意】
「重大な副作用」と「重要な基本的注意」に角膜混濁が追記されました。
<重大な副作用>
角膜混濁(頻度不明)
<重要な基本的注意>
本剤の投与により血管新生等を伴う角膜混濁があらわれることがあるので、患者を定期的に診察し、十分観察すること。
また、充血、視力低下、霧視等の自覚症状があらわれた場合には、直ちに受診するよう患者に十分指導すること。
また、改訂理由は下記のようになっています。
<改訂理由>
・本剤の長期投与による角膜混濁事例が継続して報告され、当該事例の多くは、角膜周辺部から扇状に中心部へ広がる経過を呈し、角膜中央部(瞳孔領)に進展した事例では本剤を中止しても混濁箇所が瘢痕化し、視力予後不良となります。
一方、角膜混濁の前駆所見として角膜浸潤・角膜新生血管が認められた時点で「本剤投与中止」および「ステロイド点眼」を処置するこで視力不良に至らず緩解した事例が散見されています。これを受け「8.重要な基本的注意」および「11.1 重大な副作用」として追記しました。
薬剤師の対応
今回の改訂により、服薬指導の際に充血、視力低下、目のかすみが現れた場合にはすぐ受診するよう伝えることが必要となりました。
また、角膜混濁は継続投与でみられる副作用であるため、初回使用の患者だけでなく、現在既に使用している患者に対しても伝える必要があります。
②ケレンディア(フィネレノン)【併用禁忌】
併用禁忌にノクサフィル(ポサコナゾール)、ブイフェンド(ボリコナゾール)が追加となりました。
ノクサフィル、ブイフェンド側の添付文書も改訂となっています。
なお、イトラコナゾールは従来から併用禁忌となっています。
③エンタイビオ皮下注ペン・シリンジ【在宅自己注射】
潰瘍性大腸炎・クローン病の薬剤であるエンタイビオ皮下注に在宅自己注射が可能となりました
また、これに伴い下記の保管についての内容も追記となっています。
<薬剤交付時の注意>
患者が家庭で保存する場合は、本剤を外箱に入れた状態で、凍結を避け、冷蔵庫内で保存すること。
やむを得ず冷蔵保存できない場合は直射日光を避け、25℃以下の場合は7 日以内に、25℃超 30℃以下の場合は 24 時間以内に使用すること
④オンボー皮下注オートインジェクター・シリンジ(ミリキズマブ)【在宅自己注射】
潰瘍性大腸炎の薬剤であるオンボー皮下注が在宅自己注射が可能となりました。
⑤ジェセリ錠(ピミテスピブ)【生殖能を有する者】
がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍の薬剤であるジェセリ錠の「生殖能を有する者」の項目に妊娠する可能性のある女性及び男性の具体的な避妊期間及び避妊方法が追記されました。
<生殖能を有する者>
娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
男性には、本剤投与中及び最終投与後4カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
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