ビバンセの服薬指導

ビバンセの服薬指導

今回はビバンセの服薬指導をまとめました。ビバンセはコンサータ同様に調剤する際に薬局の登録(調剤責任者によるEラーニングが必要)・処方医の登録・患者登録があるかなどの確認が必要な薬剤です。

現在は薬局登録はコンサータとビバンセがセットになっており、片方の薬剤を調剤したい場合でも両薬剤のEラーニングが必要となっています。 また、調剤責任者以外が扱う場合には注意点を周知しておく必要があり、この点が管理者にとってはネックになってくる部分かと思います。

調剤しないほうの薬剤は記憶に残りにくいので、個人的には薬局登録を薬剤ごとに分けて、実際に調剤が必要になった場合に薬局登録( Eラーニング ) が必要な制度にするべきかと思います。

ちなみに私の薬局ではビバンセではなく、コンサータの調剤をするために薬局登録をしており、ビバンセは今勉強しても忘れてしまうので、従業員伝達用として今回まとめたという経緯があります。従業員には「もし、処方がきたらブログのとおりに服薬指導をして」と伝えています。

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  1. ビバンセの概要
    1. 効能
    2. 包装・規格
    3. 用法・用量
    4. 名前の由来
    5. 指導せん
  2. ビバンセの調剤前に確認すること
    1. ①薬局の登録があるかの確認(必須)
    2. ②患者の登録(患者カード・身分証)の確認(毎回必須)
    3. ③処方医師の登録の確認(毎回必須)
  3. ビバンセの服薬指導で確認すること
    1. ①すべての禁忌項目の有無【禁忌】指導用冊子に記載あり
    2. ②すべての慎重投与項目の有無【慎重投与】 指導用冊子に記載あり
    3. ③年齢の確認 【効能・効果に関連する使用上の注意】
    4. ④腎機能障害の確認【用法・用量に関連する使用上の注意】
    5. ⑤用法の確認【用法・ 用法・用量に関連する使用上の注意 】
    6. ⑥(MAO)阻害剤の併用の有無の確認【併用禁忌】
    7. ⑦ビタミンC・サプリメントの併用の有無の確認【併用注意】
  4. ビバンセの服薬指導で伝えること
    1. ①すべての重大な副作用☆(患者向医薬品ガイドのみ)
    2. ②依存性の説明【重要な基本的注意・ 重大な副作用 】指・☆
    3. ③視覚異常の説明【重要な基本的注意】☆ (患者向医薬品ガイドのみ)
    4. ④不眠の説明【その他の副作用】指
    5. ⑤危険を伴う機械の操作を避けることの説明【重要な基本的注意】指・ ☆
    6. ⑥血圧上昇・脈拍数増加の説明及血圧の測定【重要な基本的注意】 指・☆
    7. ⑦労作性胸痛,原因不明の失神(心臓に重篤ではないが異常が認められる,又はそのおそれがある患者の場合)【重要な基本的注意】指・☆
    8. ⑧幻覚,妄想等の説明【重要な基本的注意】☆ (患者向医薬品ガイドのみ)
    9. ⑨躁病症状の説明 【重要な基本的注意】☆ (患者向医薬品ガイドのみ)
    10. ⑩自殺念慮や自殺行為の説明 【重要な基本的注意】指・☆
    11. ⑪攻撃性の注意【重要な基本的注意】 指・☆
    12. ⑫食欲減退の説明【その他の副作用】指
    13. ⑬体重増加の抑制、成長遅延の説明【重要な基本的注意】指・☆
    14. ⑭他人へ譲渡しないこと【適用上の注意(薬剤交付時)】指・☆
    15. ⑮不要となった場合にの返却【適用上の注意(薬剤交付時)】 指・ ☆
    16. ビバンセの服薬指導薬歴例

ビバンセの概要

服薬指導難度

効能

小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

包装・規格

ビバンセカプセル20mg:PTP30カプセル(10カプセル×3)
ビバンセカプセル30mg:PTP30カプセル(10カプセル×3)

用法・用量

通常,小児にはリスデキサンフェタミンメシル酸塩として30mgを1日1回朝経口投与する。

症状により,1日70mgを超えない範囲で適宜増減するが,増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として20mgを超えない範囲で行うこと。  

名前の由来

特にないようです。

指導せん

資材はADHD流通管理システムのホームページから印刷可能です。
残念ながら添付文書上伝えるべき項目はかなり不足しています。

「服薬指導小冊子」とつづりになっている 1枚タイプの指導せんがありますが、禁忌と慎重投与の記載もある小冊子のほうを利用するのがよいかと思います。

ビバンセの調剤前に確認すること

薬局の登録(調剤責任者によるEラーニングが必要)・患者登録・ 処方医の登録があるかなど、そもそも調剤ができるのかを確認をします。

この内容は、かなり複雑なので必ず製薬会社の資料を参照してください。

①薬局の登録があるかの確認(必須)

調剤する際に薬局の登録(調剤責任者によるEラーニングが必要)のため、管理者に薬局の登録があるかを確認します。

登録がない場合は調剤できません。登録は薬剤師・所属施設情報等の提出やEラーニングが必要であり、これらすべての手続きが完了してから、登録完了までは3営業日を予定とされているようです(遅れる場合もある)。そのため、当日中の対応はできず、 Eラーニングなどの時間も踏まえると1週間くらいはかかるかも、という認識でいたほうがよいかと思います。

もし、患者より近日中に薬が必要という希望であれば、ADHD適正流通管理システム事務局にどのくらいの時間で登録できるかを確認のうえ、可否を判断するのがよいかと思います。

②患者の登録(患者カード・身分証)の確認(毎回必須)

患者登録の確認が必要なため、毎回、患者カードと身分証患者本人が持参している必要があるので確認します。

間違いやすい点としては、身分証は 運転免許証であれば1つでOKですが、保険証では1つでは身分証とはなりません。

また、コンサータは患者の登録については一部で経過措置期間がありますが、ビバンセでは全例で登録が必要となります(発売時期の関係で)。

③処方医師の登録の確認(毎回必須)

ADHD適正流通管理システムにログインし、医師登録の確認と今回処方内容の確認・登録をし、適正利用であることを確認します。

ビバンセの服薬指導で確認すること

ビバンセは上記の通り、調剤するのにEラーニングが必要とされる特殊な薬剤であるため、すべての禁忌及び慎重投与項目に該当しないことを確認したほうがよいかと思います。

項目が多岐にわたるため、この確認の際は指導用冊子もしくは患者向医薬品ガイドを用いて患者に禁忌及び慎重投与の部分の記載項目を見せて「どれも該当しないですか」などと確認するのが現実的かと思います。 

①すべての禁忌項目の有無【禁忌】指導用冊子に記載あり

1. 本剤の成分又は交感神経刺激アミン(メタンフェタミン,メチルフェニデート,ノルアドレナリン,アドレナリン,ドパミン等)に対し過敏症の既往歴のある患者  
2. 重篤な心血管障害のある患者[血圧又は心拍数を上昇させ, 症状を悪化させるおそれがある。
3. 甲状腺機能亢進のある患者[循環器系に影響を及ぼすことが ある。]  
4. 過度の不安,緊張,興奮性のある患者[中枢神経刺激作用に より症状を悪化させることがある。]
5. 運動性チックのある患者,Tourette 症候群又はその既往歴・ 家族歴のある患者[症状を悪化又は誘発させることがある。]  
6. 薬物乱用の既往歴のある患者[慢性的乱用により過度の耐性 及び様々な程度の異常行動を伴う精神的依存を生じるおそれ がある。]  
7. 閉塞隅角緑内障のある患者[眼圧を上昇させるおそれがあ る。]  
8. 褐色細胞腫のある患者[血圧を上昇させるおそれがある。]
9. モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩,ラサ ギリンメシル酸塩,サフィナミドメシル酸塩)を投与中又は 投与中止後 2 週間以内の患者

②すべての慎重投与項目の有無【慎重投与】 指導用冊子に記載あり

1. 高度の腎機能障害のある患者又は透析患者[本剤の活性体であ る d-アンフェタミンの血中濃度が上昇するおそれがある。  
2. 高血圧又は不整脈のある患者[血圧又は心拍数の上昇により症 状を悪化させるおそれがある。]  
3. 精神病性障害,双極性障害の精神系疾患のある患者[行動障害,思考障害又は躁病エ ピソードの症状が悪化するおそれがある。]
4. 痙攣発作,脳波異常又はその既往歴のある患者[痙攣閾値を低 下させ,発作を誘発するおそれがある。]  
5. 脳血管障害(脳動脈瘤,血管炎,脳卒中等)又はその既往歴の ある患者[症状を悪化又は再発させるおそれがある。]

③年齢の確認 【効能・効果に関連する使用上の注意】

「6歳未満及び18 歳以上の患者における有効性及び安全性は確立していない」とされているため、年齢を確認します。  

<効能・効果に関連する使用上の注意>
 6 歳未満及び 18 歳以上の患者における有効性及び安全性は確立していない。  

④腎機能障害の確認【用法・用量に関連する使用上の注意】

高度の腎機能障害の場合は上限量が制限されるため確認します。前述の慎重投与の項目とも重複しますが、重要なので別項目として取り上げています。

< 用法・用量に関連する使用上の注意 >
高度の腎機能障害のある患者(GFR30mL/min/1.73m2 未満)には,1 日用量として 50mg を超えて投与しないこと。

また,透析患者又は GFR15mL/min/1.73m2 未満の患者では,更に低用量の投与を考慮し,増量に際しては患者の状態を十分に観察すること。
本剤及び本剤の活性体である d-アンフェタミンは透析で除去されない。  

⑤用法の確認【用法・ 用法・用量に関連する使用上の注意 】

用法は1日1回朝であるため、昼や夜の処方できた場合は疑義照会対象となります。

<用法・用量に関連する使用上の注意 >
不眠があらわれるおそれがあるため,就寝時間等を考慮し, 午後の服用は避けること。  

⑥(MAO)阻害剤の併用の有無の確認【併用禁忌】

(MAO)阻害剤が併用禁忌となるため確認します。

<併用禁忌>
  セレギリン塩酸塩 (エフピー) ラサギリンメシル酸 塩 (アジレクト) サフィナミドメシル 酸塩 (エクフィナ)

MAO 阻害剤を投与中ある いは投与中止後 2 週間以 内の患者には本剤を投与 しないこと。高血圧クリーゼが起こるおそれが ある。また,死亡に至る おそれがある。  

<機序>
神経外モノアミン濃度が 高まると考えられる。  

⑦ビタミンC・サプリメントの併用の有無の確認【併用注意】

「尿のpHを酸性化する薬剤 アスコルビン酸等」が併用注意のため確認します。

医療用医薬品のアスコルビン酸はもちろん確認しますが、サプリメントでもビタミンCやマルチビタミンを服用している場合があるため、サプリメントの併用の有無を確認します。

「本剤の活性体である d-アンフェタミンの腎排泄が促進され,半減期が短縮することで本剤の作用が減弱することがある」とされています。

ビバンセの服薬指導で伝えること

Eラーニングが必要な特殊な薬剤であるため、すべての重大な副作用を伝える対応が無難かと思います。

指導用冊子を使って説明し、冊子に記載がない項目は患者向医薬品ガイド(必要部分だけ切り取り薬情に貼るなど)を使って説明するのがよいかと思います。

項目のタイトルに指導用冊子に記載がある場合は「指」、患者向医薬品ガイドに記載のある項目は「☆」印をつけてます。

①すべての重大な副作用☆(患者向医薬品ガイドのみ)

指導用冊子には記載がないので、患者向医薬品ガイドを用いてすべての重大な副作用を説明します。

次の項目に記載してますが、依存性に関しては指導用冊子にマイルドな表現で記載されているため、 指導用冊子で説明するほうがよいかもしれません。

1.ショック,アナフィラキシー(頻度不明):
ショック,アナフィラキシー(顔面蒼白,呼吸困難,そう痒等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

2.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明):
皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

3.心筋症(頻度不明):
心筋症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。

4.依存性(頻度不明):
不適切な使用により精神的依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,用量及び使用期間に注意し,慎重に投与すること。

②依存性の説明【重要な基本的注意・ 重大な副作用 】指・☆

前述の重大な副作用と重複しますが、重要なので別項目として取り上げます。

患者向け医薬品ガイドには重大な副作用の項目に依存性の記載がありますが、症状の表現が指導用冊子と異なっています。指導用冊子のほうがマイルドな表現なので、この内容は 指導用冊子を使うほうがよいかもしれません。

薬をたくさん飲みたい気持ちになる、薬がないと不安などの依存症状があらわれる場合はすぐに医師に連絡するように説明します。  

<重要な基本的注意>
本剤を投与する医師又は医療従事者は,投与前に患者及び保護 者又はそれに代わる適切な者に対して,本剤の治療上の位置づけ,依存性等を含む本剤のリスクについて,十分な情報を提供 するとともに,適切な使用方法について指導すること。  

③視覚異常の説明【重要な基本的注意】☆ (患者向医薬品ガイドのみ)

指導用冊子には記載がありません。

ものがだぶって見える、霧がかかったようなみえかたなどが出たらすぐに受診するよう説明します。

<重要な基本的注意>
まれに視覚障害の症状(調節障害,霧視)が報告されている。
視覚障害が認められた場合には,眼科検査を実施し,必要に応 じて投与を中断又は中止すること。  

④不眠の説明【その他の副作用】指

その他の副作用として発言頻度の多い(不眠78例(45.3%))を説明します。指導用冊子で説明します。 なお、 患者向け医薬品ガイドには記載がありません。

指導用冊子では次項目の【運転等避けること】と一緒に記載されているので併せて説明します。

⑤危険を伴う機械の操作を避けることの説明【重要な基本的注意】指・ ☆

めまい、眠気、視覚障害等が発現するおそれがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作は避けるよう説明します。

また、機械操作以外でも、遊びや授業も含めて危険な行動には注意するよう説明します。

<重要な基本的注意>
めまい,眠気,視覚障害等が起こることがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。  

⑥血圧上昇・脈拍数増加の説明及血圧の測定【重要な基本的注意】 指・☆

実際は病院で測定する場合が多いかと思いますが、念のため患者にも心拍数(脈拍数)及び血圧に異常が見られる場合には病院に連絡するように説明するのが良いかと思います。  

<重要な基本的注意>
本剤の国内外臨床試験において0〜16.7%に血圧上昇(20mmHg以上),7.4〜26.5%に脈拍数増加(20bpm以上)が認められた。本剤は血圧又は心拍数に影響を与えることがあるので,本剤投与開始前及び投与期間中は以下の点に注意すること。

(1)心血管系に対する影響を観察するため,本剤投与開始前及び投与期間中は,定期的に心拍数(脈拍数)及び血圧を測定すること。

(2)本剤を心血管障害のある患者に投与する際は,循環器を専門とする医師に相談するなど,慎重に投与の可否を検討すること。

(3)患者の心疾患に関する病歴,突然死や重篤な心疾患に関する家族歴等から,心臓に重篤ではないが異常が認められる,又はそのおそれがある患者に対して本剤の投与を検討する場合には,投与開始前に心電図検査等により心血管系の状態を評価すること。
また,本剤投与中に労作性胸痛,原因不明の失神,又は他の心疾患を示唆する症状を示した場合は,直ちに心血管系の状態を評価し,本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

⑦労作性胸痛,原因不明の失神(心臓に重篤ではないが異常が認められる,又はそのおそれがある患者の場合)【重要な基本的注意】指・☆

胸の痛みや原因不明の失神が見られる場合はすぐに受診するよう説明します。(心臓に異常がある場合)

なお、 心臓に重篤な障害がある場合は禁忌となります。

⑧幻覚,妄想等の説明【重要な基本的注意】☆ (患者向医薬品ガイドのみ)

指導用冊子には記載がありません。

幻覚,妄想等 がでたらすぐに受診するよう説明します。

< 重要な基本的注意 >
通常量の本剤を服用していた精神病性障害の既往がない患者に おいて,幻覚,妄想等の症状が報告されている。
これらの症状 があらわれた場合には本剤の投与を中止すること。  

⑨躁病症状の説明 【重要な基本的注意】☆ (患者向医薬品ガイドのみ)

指導用冊子には記載がありません。

疲れや眠気を感じにくい、興奮しやすくなるなど出る場合は受診するよう説明します。

<重要な基本的注意>  
通常量の本剤を服用していた精神病性障害や躁病の既往がない 患者において,躁病等が報告されている。これらの症状があら われた場合には本剤との関連の可能性を考慮し,必要に応じて 減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 

⑩自殺念慮や自殺行為の説明 【重要な基本的注意】指・☆

患者向け医薬品ガイドの記載では直接的表現のため、このとおりに話してしまうと怖がらせてしまうため、どういった表現で説明するかが難しい内容となり、このあたりは個々の薬剤師が判断する必要があります。

指導用冊子には小さい文字で「いつもと違う様子がみられたらすぐに主治医又は薬剤師にご相談ください」と記載があるので、この部分をみせて説明するのがよいかと思います。おそらくですがこの記載部分が自殺念慮も含んでの記載ということなのかと思います。

「服用後状態が悪化する、不安感が強くなる、いつもと様子が違うなど出る場合は量を調整する場合があるのですぐ受診する」よう説明します。

<重要な基本的注意>
自殺念慮や自殺行為があらわれることがあるので,患者の状態 を注意深く観察すること。
また,患者及び保護者又はそれに代 わる適切な者に対し,これらの症状・行為があらわれた場合に は,速やかに医療機関に連絡するよう指導すること。  

⑪攻撃性の注意【重要な基本的注意】 指・☆

指導用冊子には小さい文字で記載されており、説明がもれやすいので注意が必要です。

攻撃的になったり、悪化する場合は相談するよう説明します。

<重要な基本的注意>
攻撃性,敵意は AD/HD においてしばしば観察されるが,本剤の 投与中にも攻撃性,敵意の発現や悪化が報告されている。
投与中は,攻撃的行動,敵意の発現又は悪化について観察すること。  

⑫食欲減退の説明【その他の副作用】指

その他の副作用として発現頻度の多い食欲減退(79.1%)を説明します。患者向け医薬品ガイドには記載がないため、指導用冊子で説明します。

指導用冊子では次項目の【体重増加の抑制、成長遅延】と一緒に記載されているので併せて説明します。

⑬体重増加の抑制、成長遅延の説明【重要な基本的注意】指・☆

身長や体重の増加が思わしくない時は医師に相談するよう説明します。  

<重要な基本的注意>      
本剤の投与により体重増加の抑制,成長遅延が報告されている。
本剤の投与中は患児の成長に注意し,身長や体重の増加が思わしくないときは,投与の中断等を考慮すること。

⑭他人へ譲渡しないこと【適用上の注意(薬剤交付時)】指・☆

覚醒剤原料に指定されているので、他人へ譲渡しないことを説明します。

<適用上の注意>
本剤の投与にあたっては,本剤の目的以外への使用あるいは他人への譲渡をしないよう指導すること。  

⑮不要となった場合にの返却【適用上の注意(薬剤交付時)】 指・ ☆

  不要となった場合には,医療機関又は薬局へ返却することを説明します。

なお、患者向け医薬品ガイドでは、最後のページの【その他】の項目に記載があり見落としやすいです。

<適用上の注意 >  
本剤が不要となった場合には,医療機関又は薬局へ返却するなどの処置について適切に指導すること。  

ビバンセの服薬指導薬歴例

S)ADHD  
O)
指導用冊子を用いてすべての禁忌及び慎重投与に該当しないことを確認した。
腎臓悪いといわれたことなし。併用薬なし。サプリメント併用なし

A)
指導用冊子を用いて、依存性、不眠、危険な作業等避けること、血圧上昇・脈拍数増加と測定 、攻撃性、食欲低下、体重増加の抑制、成長遅延を説明した。

症状が悪化する、不安感が強くなる、いつもと様子が違うなど出る場合はすぐ受診指示。
胸の痛みや原因不明の失神が出る場合はすぐ受診指示。

他人へ譲渡しないこと、不要となった場合にの返却説明。

患者向医薬品ガイドを用いてすべての重大な副作用を説明した。
患者向医薬品ガイドを用いて、視覚異常、幻覚、妄想、躁症状などが出る場合は医師に連絡するよう説明。

P)状態確認

メンタル系薬剤小児薬剤別服薬指導
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