エディロールの服薬指導

エディロールの服薬指導
今回は骨粗鬆症の薬のエディロール(エルデカルシトール)に関する服薬指導を取り上げます。エディロールは服薬指導の際に特段伝えることが無いように思われがちな製剤です。

しかし、高カルシウムに関連する症状(倦怠感、いらいら感、嘔気、口渇感、食欲減退、意識レベルの低下等)を伝える必要がある点に留意が必要です。

また、病院側は血清カルシウム値を定期的(3~6カ月に1回程度)に測定する必要があり、尿路結石(既往も含む)がある場合は尿中カルシウムも定期的に測定する必要があります。

なお、ビタミンDというと脂溶性のため食後のほうが良いという印象がありますが、エディロールは食事の影響はありません。

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エディロールの概要

服薬指導難度

効能

骨粗鬆症

用法・用量

1日1回0.75μgを経口投与する。ただし、症状により適宜1日1回0.5μgに減量する。

名前の由来

革新的創薬技術による新世代活性型ビタミンD3製剤を意味する「Effective Vitamin D、Innovative」の頭文字「EDI」に中外製薬の活性型ビタミンD3ブランドの語尾である「ROL」を加えたことから命名されています。

特徴

・食事の影響はありません。成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを単回経口投与したとき薬物動態に食事の影響は認められなかったとされています(薬物動態より)
・本剤1日1回0.5μg投与による骨折予防効果は確立していない

指導せん

「エディロールカプセルを服用している患者さんへ」という「高カルシウム血症」の症状が記載されている指導せんが存在します。

指導せんには、高カルシウム血症として「からだがだるい、いらいらする、吐き気がする、口がかわく、食欲がおちる、ぼーっとする」の6つの症状が記載されており、これは添付文書に記載されている高カルシウム血症の具体的な症状をすべてカバーしています。

高カルシウム血症は非特異的な症状であり比較的説明しにくいことや、エディロールの服薬は長期間となる場合が多く、初回だけでなく、定期的に副作用の再説明を行うことを考えるとこの指導せんを用意しておくと役に立つかと思います。

必要な検査

血清カルシウム値を定期的(3~6カ月に1回程度)に測定し、異常が認められた場合には直ちに休薬し適切な処置を行うこととされています。

エディロールの服薬指導で確認すること

①妊娠・授乳の有無【禁忌】

ラット、ウサギで胎児の骨格異常、出生児の腎臓の変化及び外形異常、乳汁中への移行などが報告されているため設定されています。

②尿路結石(既往含む)の有無【重要な基本的注意】

尿路結石及びその既往歴のある患者は尿中カルシウム値を定期的に測定し、高カルシウム尿症が認められた場合は休薬あるいは減量するなど、適切な処置を行うこと【重要な基本的注意】

尿路結石及びその既往歴のある場合は血中だけでなく、尿中カルシウムの測定が必要のため、患者が尿路結石の病歴を医師に伝えていない場合は伝達する必要があります。

エディロールの服薬指導で伝えること

①本剤投与期間中は適切な避妊を行わせること【重要な基本的注意】

上記の通り動物実験で催奇形性があるため設定されています。

②高カルシウム血症に関連する注意【重要な基本的注意】*指導せんに記載あり

倦怠感、いらいら感、嘔気、口渇感、食欲減退、意識レベルの低下などがみられたら、検査をする場合があるため医師に相談するよう説明します。

なお、「意識レベルの低下」は実際に患者に説明する場合は「ボーっとする」などと表現するのがよいかと思います(指導せんもこの表現となってます)。

倦怠感、いらいら感、嘔気、口渇感、食欲減退、意識レベルの低下等の発現が認められた場合は、血清カルシウム値を測定するなどして慎重に経過観察を行うこと

③ 尿路結石の注意【重大な副作用】

重大な副作用のなかで発現頻度が0. 9%と比較的高いため説明します。

なお、添付文書上に具体的な症状の記載がないため、患者向医薬品ガイドを参考とします。激しい腰や背中の痛み、腹痛、血尿が見られた際はすぐ受診するよう説明します。

エディロールの服薬指導薬歴例

S)骨密度が低くて始めました。
O)尿路結石無し(ありの場合は病院に伝えているかを確認し、伝えていなければ電話で定期的に尿中カルシウム値を測定が必要な旨を伝える。)
妊娠・授乳なし(女性の場合)

A)万一、倦怠感、いらいら感、嘔気、口渇感、食欲減退、意識レベルの低下などでる場合はカルシウムの値が上がりすぎている可能性があるので、受診するよう説明。また激しい腰や背中の痛み、腹痛、血尿が見られた際はすぐ受診するよう説明。

胎児に影響がでる場合があるので避妊が必要なこと説明(妊娠可能な女性のみ)

薬剤別服薬指導骨粗しょう症薬
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