クラビットの服薬指導

クラビットの服薬指導
今回は調剤薬局の薬剤師なとってメジャーな抗菌薬のクラビット錠(レボフロキサシン)の服薬指導をまとめました。

意外と知られていませんが「自動車の運転等に注意する旨」を指導する必要があることやカルシウム剤は併用注意に入らないことは留意しておくとよいと思います。

また、2019年1月の添付文書改訂で「重要な基本的注意」に大動脈瘤、大動脈解離に関する内容が追記となり、服薬指導の際に説明が必要となりました。

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クラビットの概要

服薬指導難度

用法・用量

1回500mgを1日1回‌経口投与する。なお、疾患・症状に応じて適宜減量する。
肺結核及びその他の結核症については、原則として他の抗結核薬と併用すること。

腸チフス、パラチフスについては1回500mgを1日1回14日間経口投与する。

名前の由来

「CRAVE(熱望する、切望する)IT」から CRAVIT とされ、「待ち望まれた薬剤であること」が由来となっています。

クラビットの服薬指導で確認すること

① 腎機能障害の有無(用法・用量に関連する使用上の注意】

腎機能障害がある場合減量が必要なため、腎臓が悪いといわれていないかを聴取します。Ccr(mL/min)が20以上で50未満の場合、初日500mgを1回、2日目以降250mgを1日に1回投与します。

Ccr(mL/min)が20未満の場合は、初日500mgを1回、3日目以降250mgを2日に1回投与します。

なお、腎機能により減量が必要な薬剤の患者対応に関しては以下をご参照ください。

腎機能により減量が必要な薬剤の患者対応
今回は腎機能により減量が必要な薬剤の患者対応の個人的な考え方と対応をまとめました。 調剤薬局で触れる機会の多い薬剤のなかにも腎機能に応じて減量が必要な薬剤は多く存在しています。これらが処方された場合の対応をまとめました。なお、腎機能低下が禁忌の薬剤の対応もこれに準じます。

②妊娠の有無【禁忌】

妊娠禁忌のため妊娠の有無を聴取します。

③小児でないか年齢確認【禁忌】

動物実験で幼若犬や幼若ラットで関節異常が認められているため設定されています。

④健康食品を含む併用に金属含有製剤の有無【併用注意】

金属含有製剤の併用が認められた場合はクラビット服用後から1~2時間後に金属含有製剤を投与すると効果減弱を避けることができる。

なお、カルシウムは併用しても吸収にほとんど影響ないため併用注意とはなっていません。

⑤フェニル酢酸系又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛薬の併用の有無【併用注意】

痙攣を起こすおそれがあるため設定されています。特にてんかんなどの痙攣性疾患を有する場合は疑義紹介などをして避けた方が良いかもしれません。

フェニル酢酸系として良く用いられるものはボルタレン(ジクロフェナク)、プロピオン酸系としてはブルフェン(イブプロフェン)、ロキソニン(ロキソプロフェン)などがあります。

該当のNSAIDSからの代替としては解熱鎮痛目的であればカロナールなどがよいと思いますが、抗炎症作用がないため、整形領域で使われている際はオキシカム系のモービックやロルカム、コキシブ系のセレコックスなどが良いかもしれません。

クラビットの服薬指導で伝えること

①運転など注意【重要な基本的注意】

意外と忘れがちですが、服薬指導時に注意を促す必要があります。

意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること

②大動脈瘤、大動脈解離の説明【重要な基本的注意】(2019年1月改訂に伴う追記)

2019年1月の添付文書改訂で「重要な基本的注意」に大動脈瘤、大動脈解離に関する内容が追記となり、服薬指導の際に説明が必要となりました。

「腹部、胸部又は背部に痛み等」の症状があらわれた場合にはすぐ受診するよう説明します。

 

大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。

大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子を有する患者では、必要に応じて画像検査の実施も考慮すること。

服薬指導例

実際の説明としては、初回服薬指導の薬剤や抗生剤でルーチンで行うアナフィラキシー症状の説明に追加するように話すのが伝えやすいかと思います。

「万一、合わない場合、蕁麻疹がでるとか苦しくなるとかお腹、背中、胸が痛くなる場合はすぐ連絡し受診頂いてますが、一般的によく使われる薬ですので」

ほとんどの内服薬や吸入薬で共通して行う服薬指導
今回は私がほとんど全ての薬(内服や吸入など)の初回指導の際に共通して行っている服薬指導の内容をご紹介します。あくまで個人的な考えではありますが参考になればと思います。

クラビットの薬歴例

S)膀胱炎
O)妊娠なし・金属含有製剤の併用なし
A)抗生剤は飲みきりだが万一、呼吸困難、蕁麻疹、腹、背。胸痛みでる場合は直ぐ受診指示。軟便注意。まれに意識がもうろうとする場合あるので運転など注意指示。
P)効果確認

抗菌薬薬剤別服薬指導
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