今回はラミクタールの「用法及び用量に関連する注意」に記載されている知っていないとほぼ確実に見落としてしまう内容についてまとめました。
ラミクタールはそもそも添付文書の用法・用量が非常にわかりにくく、実際に副作用救済制度でも用法などの不適正使用により救済給付が認められなかった件数が毎年1位になっている薬剤ですが、用法以外にも下記の「用法及び用量に関連する注意」の記載にも注意が必要です。
用法及び用量に関連する注意〈効能共通〉
併用する薬剤については以下のとおり分類されるので留意すること。
なお、本剤のグルクロン酸抱合に対する影響が明らかでない薬剤による併用療法では、バルプロ酸ナトリウムを併用する場合の用法及び用量に従うこと。
・本剤のグルクロン酸抱合を誘導する薬剤
フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、プリミドン、リファンピシン、ロピナビル・リトナビル配合剤
・本剤のグルクロン酸抱合に対し影響を及ぼさない薬剤
アリピプラゾール、オランザピン、ゾニサミド、ガバペンチン、シメチジン、トピラマート、プレガバリン、リチウム、レベチラセタム、ペランパネル、ラコサミド
製薬会社によると、この記載の「グルクロン酸抱合に対する影響が明らかでない薬剤」とは「上記に記載のない薬剤すべて」のことであり、これらを併用療法(同じ治療目的)で使う場合はバルプロ酸ナトリウムを併用する場合の用法及び用量に従うとされています。
そのため、例えば抗うつ薬が処方された場合もラミクタールと同じ治療目的の場合は該当してしまいます。
また、添付文書に明記さておらず、まるで医療従事者を罠にはめるような印象ですが、「睡眠薬」の場合も双極性障害に伴う不眠のように治療の一環として使われる場合は該当するとのことでした。
このように添付文書上で明記されていない内容も含むので、ご自身でも一度製薬会社に確認しておくことをお勧めします。
製薬会社の資材について
なお、「記載の薬剤以外の薬剤がバルプロ酸ナトリウムを併用する場合の用法及び用量に従う」という部分の内容は下記のラミクタール錠使用の手引きという資材の13ページに少しだけわかりやすく(本当に少しだけわかりやすくという程度です)記載されています。
<参考>
グラクソ・スミスクライン 資料ダウンロード・配送サービス ラミクタール錠 使用の手引き
実際にラミクタールの処方が来た際に、併用薬がこの内容(併用療法)に該当するかどうかの判断に迷う場合は都度、製薬会社に確認するのが良いかと思います。
また、近隣のラミクタールを処方する医療機関がこの内容を把握していない印象であれば製薬会社に連絡してMRに訪問するように依頼してもよいかもしれません。
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