小児用量の覚え方

小児用量
今回は4月という新卒の薬剤師が入社する薬局も多いかと思い個人的な考えではありますが、小児製剤である粉薬やシロップ製剤の用量の覚え方をまとめました。新卒や小児未経験の薬剤師に指導する際の参考になればと思います。

小児用量の覚え方は「成分量で覚える」、「製剤量で覚える」、「1kgあたりの用量で覚える」などいくつか考えられますが、私は「10kgでの製剤量(1日量)」での用量を基準とすることをお勧めしています。(カロナールは1回量で覚えます)

これは実際に計量したり、監査するのは成分量ではなく製剤量であるためです。また「10kgでの製剤量」とするのは実際に処方される量に近いため、桁数間違いに気づきやすいためです。 1kgあたりの用量だと小数が多く覚えにくいのと桁間違いに気付きにくいことが理由となります。

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わかりやすい小児用量の覚え方

それでは具体的にどのように覚えていくかをご紹介します。わかりやすいようにジスロマックを例にご説明します。

ジスロマック細粒は10kgでの製剤量1.0gとなる製剤です。他の体重の場合はこの「10kgでの製剤量」をもとに単純な比例計算をします。5kgであれば0.5g、20 kgであれば2.0gとなります。

ジスロマック細粒、ムコダインDS、ムコダインシロップの3つの10kgでの製剤量を表にしました。これをもとに以下の例題を解き進めると小児用量の覚え方が実感できるかと思います。

薬剤名10kg製剤量
ジスロマック細粒1.0g
ムコダインDS0.6g
ムコダインシロップ6mL

 

ステップ1 【体重から製剤量の算出】

まずは最も基本的な体重をもとに製剤量を計算します。計算といっても上述した 10kgでの製剤量をもとにした単純な比例計算となります。

例題1

体重15kgの場合
ジスロマック細粒、ムコダインDS、ムコダインシロップの製剤量それぞれいくつか?

なお、指導の際に文章での記載が煩わしい際は()のように省略して問題を出すと良いでしょう(15kg→ジスロマック□g・ムコダインDS□g・ムコダインシロップ□mL)

答え:ジスロマック1.5g・ムコダインDS0.9g・ムコダインシロップ9mL

ステップ2【製剤量から体重の推察】

今度はステップ1とは逆に製剤量から体重を求めるパターンです。どちらも行うことでより理解が深まります。

例題2

ジスロマック細粒の製剤量が1.7gの場合、ムコダインDSが1.8gの場合、ムコダインシロップが12mLの場合はそれぞれ患者の体重はいくつか?
(ジスロマック細粒1.7g→□kg、ムコダインDS1.8→□kg、ムコダインシロップ12mL→□kg)
答え:17kg・30kg・20kg

ステップ3【他の粉薬と比較】

次は他の粉薬との大小関係を意識できるようにします。これにより数種類の粉薬が出ている際に1種類だけ量がおかしいなどの場合の処方ミスにも気づきやすくなります。

例題3

体重が15kgでのムコダインDSの量はいくつか?また、この量は同じ体重でのジスロマック細粒の量より多いか少ないか?(もしくは何gか)
(15kg→ムコダインDS□g→ジスロマック細粒□g)
答え:0.9g・ジスロマックのほうが多い(1.5g)

ステップ4【同成分のシロップとの換算】

次は粉薬を同成分のシロップに換算できるようにします。

例題4【粉からシロップへの変更】

体重が5kgでのムコダインDSの製剤量はいくつか?また、これをムコダインシロップに換算すると何mLか?
(5kg→ムコダインDS□g→ムコダインシロップ□mL)
答え:0.3g・3mL

例題5【シロップから粉への変更】

ムコダインシロップが18mLの場合にムコダインDSに変更する場合は何gか?
(ムコダインシロップが18mL→ムコダインDS□g)
答え:1.8g

ステップ5【錠剤の量と比較】

今度は粉薬と錠剤との量の大小関係を意識できるようにします。これにより錠剤から粉薬、またはその逆に変更する場合に必要となります。なお、この作業には製剤量から成分量への換算が必要となります(今回の記事ではこの部分の換算は割愛します)。

例題6

体重が15kgでのムコダインDSの製剤量はいくつか?また、この量はムコダイン錠(250mg)1粒と比べて多いか少ないか
(15kg→ムコダインDS□g □ムコダイン錠250mg)2つ目の□は不等号を入れてもらいます。
答え:0.9g・ムコダイン錠250mg1粒のほうが少ない

応用問題

ムコダインシロップが15mLの場合にジスロマック細粒を処方追加する場合のgは?
答え:2.5g

ムコダイン250mg3錠をムコダインDSに換算すると何gか?また体重は何kgか?
答え:1.5g・25kg

まとめ

ここまでできたなら上記の例題のような内容を実際の処方で試してみます。処方箋のグラムをみせて何kgか聞いたり、複数の粉がでていた場合に1種類のグラムだけみせて別の粉のグラムを隠してどのくらいの量となるか答えてもらうなど即答できるようになれば小児製剤の用量は概ね習得できたと言ってよいと思います。

また、上記ではジスロマック細粒、ムコダインDS、ムコダインシロップの3つだけの表でしたが、実際は下記のような10kgでの製剤量の一覧を作成するとわかりやすいです。

なお下記の表はワイドシリンやアレジオンDSのように添付文書上で用量に幅がある製剤も自身の薬局で受け付けることが多い用量で記載しているためご注意ください。

参考:10kgでの製剤量の一覧(用量に幅がある製剤もよく処方される用量で記載しています)

薬剤名10kg製剤量
ワイドシリン細粒20%1.5g
バルトレックス顆粒50%
タミフルDS3%1.3g
クラリスDS10%1.0g
フロモックス細粒10%
メイアクト細粒10%
ジスロマック細粒10%
オゼックス細粒15%0.8g
オノンDS10%0.7g
ムコダインDS50%0.6g
ムコソルバン小児用DS1.5%
ザジテンDS0.1%
ムコダインシロップ5%6mL
アスベリンシロップ0.5%
カロナール細粒20%(1回量)0.5g
メプチンDS0.005%
アレジオンDS1%
ベラチン・ホクナリンDS0.1%0.4g
アスベリン散10%0.3g
ムコソルバンシロップ0.3%3mL
メプチン顆粒0.01%0.25g
ペリアクチン散1%
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