2016年3月分 DSUのまとめ・解説

DSU3月
今回は2016年3月分のDSUから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。

今回のDSUはそれほど特筆すべき内容はない印象でしたが、アルケランの添付文書に避妊の指導をすることが明記された点は知っておいてよいかと思います。

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【2016年3月】DSU掲載品目

①コンサータ・リタリン(メチルフェニデート)【重大な副作用】

重大な副作用に肝不全、肝機能障害が追加となりました。「肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと」と記載されました。

添付文書中には具体的な症状の記載がありませんが、リタリンの患者向け医薬品ガイドには症状の記載がありました(コンサータの患者向け医薬品ガイドはまだ更新されていませんでした)。

適当にいくつか抜粋すると「吐き気、食欲不振、からだがだるい、白目・皮膚が黄色くなる、かゆみ」などとなります。

②ネキシウム(エソメプラゾール)【重大な副作用】

重大な副作用に横紋筋融解症が追加となりました。「筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと」と記載されました。

添付文書では横紋筋融解症の自覚症状として、尿の色に関しては記載がありませんが、患者に対して副作用の説明をする場合は尿の色は重要な症状の一つであるため、「 赤褐色尿」も筋肉痛や脱力感とともに併せて説明するのがよいでしょう。

③バラクルード(エンテカビル)【重大な副作用】

重大な副作用に肝機能障害が追加となりました。下記の内容が記載されました。

「治療中にAST、ALTが上昇することがある。AST、ALTの上昇が認められた場合、より頻回に肝機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと。検査値等の経過から、肝機能障害が回復する兆候が認められない場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと」

注目する点はこのAST等の上昇は薬局側では把握できない点と発現時の対応も単純に薬剤を中止するわけではなく、より頻回に検査するなど医師の裁量が大きく薬剤師としての関与が難しい点です。

そのため、実際はこの改訂内容は薬局薬剤師にはあまり関係ないかもしれません。

④アルケラン(メルファラン)【妊婦等への投与】

従来では「妊婦(特に妊娠3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」とされていましたが下記の内容が追記されました。

「妊娠する可能性のある婦人及びパートナーが妊娠する可能性のある男性には、適切な避妊をするよう指導すること。妊娠中に本剤を使用する場合、又は本剤を使用中に妊娠した場合は、胎児に異常が生じる可能性があることを患者に説明すること」

この改訂により、服薬指導の際に避妊の指導を行う必要が明記されました。この内容は添付文書の記載箇所として「重要な基本的注意」ではなく、「 妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項目に記載されているため見落としやすいことに注意が必要です。

DSU等の解説
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