重複投薬・相互作用等防止加算の対応②(用量)

重複防止加算
前回は処方された薬剤が禁忌に該当しないかを服薬指導時に聴取し、該当する場合は疑義照会し変更となった場合は算定する、といった「禁忌」から重複投薬・相互作用等防止加算を算定する対応をまとめました。

重複投薬・相互作用等防止加算の対応① (禁忌と代替薬)
今回は重複投薬・相互作用等防止加算の対応 (禁忌と代替薬)をまとめました。4月の調剤報酬改定により、禁忌等で疑義照会し処方が変更になった際にもこれらの加算が算定できることとなりました。 これを期に調剤薬局において調剤する機会が多いのなかで特...

今回は主に用量に関する疑義照会で重複投薬・相互作用等防止加算を算定していく対応をまとめました。

スポンサーリンク

重複投薬・相互作用等防止加算の対応(用量)

調剤薬局において用量に関する疑義照会で頻度が多いものとしては年齢により用量が変わる抗アレルギー薬かと思います。そのため、この部分で重複投薬・相互作用等防止加算を算定していくのがよいかと思います。

また、抗ウイルス薬であるアシクロビル、バラシクロビルの小児の単純疱疹に対する投与量も疑義照会で用量を是正する機会が多いので併せて注意が必要です。

抗アレルギー薬の投与量に対する年齢区分

年齢により用量が変わる抗アレルギー薬を表にまとめました。なお、スペースの関係で分1の場合は「○mg分1」等と省略した記載をしています。

下記の薬剤の主な注意点(増量のタイミング)は5点です。

①7歳を区切りとして用量が増量(アレグラDSを除く)され多くの場合は成人量となる。
②ザイザルシロップは1歳を区切りとして用量が上がる。
③ザイザル及びジルテックは15歳(成人)を区切りとして用法が分1に変化する。
④アレグラDSは2歳と12歳を区切りとして用量が上がる。
⑤キプレス・シングレアは6歳・15歳が増量(剤形変更)のタイミングとなる。

つまり、年齢で用量が区分される抗アレルギー薬では7歳で用量が増量されているかを確認し(アレグラDS・キプレスを除く)、これに加えてザイザルでは1歳と15歳、ジルテックでは15歳、アレグラDSでは2歳と12歳、キプレスでは6歳と15歳で用量・用法が変更されているかを確認することが必要です。

6ヶ月~123~67~12~15(成人)
ザイザルSy2.5mL 分11回2.5mL 1日2回1回5mL 1日2回10mL 分1
錠(5)なし1回2.5mg 1日2回5mg 分1
ジルテックDSなし1回0.2g 1日2回1回0.4g 1日2回0.8g 分1
錠(5・10)なし1回5mg 1日2回10mg 分1
アレグラ DS1回0.3g 1日2回1回0.6g 1日2回1回1.2g 1日2回

(30・60)
なし1回30mg
1日2回
1回60mg
1日2回
アレロック顆粒なし1回0.5g 1日2回1回1.0g 1日2回
錠(2.5・5)なし1回5mg 1日2回
クラリチンDSなし0.5g 分11g 分1
錠(10)なし10mg 分1
タリオン錠(5・10)なし1回10mg 1日2回
キプレス・シングレアなし細粒チュアブル

アシクロビル・バラシクロビルの小児の単純疱疹に対する投与量

アシクロビルやバラシクロビルなどの小児用製剤を小児の単純疱疹に使用する際はその投与量が比較的小さい体重から成人量に達してしまうため最高用量に引っかかりやすい製剤となります。

アシクロビル製剤の小児の単純疱疹の用法用量

「体重1kg当たり1回20mgを1日4回経口投与する。ただし、1回最高用量は200mgとする。」

つまり10Kgで最高用量に達するため注意が必要です。

バラシクロビル製剤の小児の単純疱疹の用法用量

「体重10kg未4満の小児には体重1kg当たり1回25mgを1日3回、体重10kg以上の小児には体重1kg当たり1回25mgを1日2回経口投与する。ただし、1回最高用量は500mgとする。」

つまり20Kgでこの用量に達するため注意が必要です。なお、10Kgから用法が分2になるため体重10Kg〜14Kgの間では一時的に用量が下がります。

アストリックDSとバルトレックス顆粒の小児の単純疱疹に対する投与量

上記を踏まえて製剤量(1日量)の表を作成しました。アシクロビル製剤としてはゾビラックス顆粒40%よりも%が異なり製剤量が計算しやすくなっているアストリックDS80%のほうが使用頻度が高いのでアストリックで表を作成しています。

10Kg未満10Kg以上20Kg以上
アストリックDS80%0.1g/Kg1.0g(最高用量)
バルトレックス顆粒50%0.15g/Kg0.1g/Kg2.0g(最高用量)
服薬指導の考え方・教育
スポンサーリンク
Suzukiをフォローする
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
関連記事
薬局薬剤師ブログ 服薬指導の覚書

コメント

タイトルとURLをコピーしました