今回は下痢型過敏性腸症候群の治療薬であるイリボー(ラモセトロン)の服薬指導をまとめました。性別で用量が異なるという珍しい薬剤です。
確認することや伝えることは少ない為、服薬指導自体は簡単な薬剤かと思います。
イリボー(ラモセトロン)の概要
イリボーは製造販売承認申請時は、男性のみに承認されていました。
これは女性において、イリボーはプラセボに比べて IBS 症状の全般改善効果に差が認められず、男性に比べ女性で有害事象(便秘、硬便、腹部膨満)の発現割合が高い傾向が認められたことや、単回投与時における女性の Cmax 及び AUC が男性のそれぞれ約 1.5 倍及び約 1.7 倍と、男性に比べ女性で高い値を示したことが理由となっています。
その後、女性の下痢型 IBS に対する効能・効果の追加を目的に、臨床試験が行われて2015 年 5 月に女性でも効能が承認されました。
服薬指導難度
効能
下痢型過敏性腸症候群
用法・用量
<男性における下痢型過敏性腸症候群>
通常、成人男性にはラモセトロン塩酸塩として5μgを1日1回経口投与する。
なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は10μgまでとする。<女性における下痢型過敏性腸症候群>
通常、成人女性にはラモセトロン塩酸塩として2.5μgを1日1回経口投与する。
なお、効果不十分の場合には増量することができるが、1日最高投与量は5μgまでとする。
名前の由来
過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome)に対して作用が認められることから、英語の文字を取って 「Irribow」と命名されています。
イリボーの服薬指導で確認すること
①性別の確認
男女で用量が異なるため、監査の用量確認の際に性別を確認します。
イリボーの服薬指導で伝えること
① 腹痛、便秘、血便などの説明【重要な基本的注意】
腹痛、血便、便秘、硬便が認められた場合には、医師等に連絡するよう患者に説明します。なお、もともと腹痛の症状がある場合は「腹痛の悪化」という表現で説明するのがよいかと思います。
虚血性大腸炎や重篤な便秘が発現するおそれがあるので、腹痛、血便、便秘、硬便が認められた場合には、医師等に連絡するよう患者に指導すること。特に、女性では男性に比べ便秘及び硬便の発現率が高いため注意すること
イリボーの服薬指導薬歴例
S)下痢
O)併用なし
A)腹痛、血便、便秘、硬便が認められた場合には、医師等に連絡するよう説明。
P)状態確認
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