
今回は薬剤名称類似ミスの追記品目をまとめました。
最近発売されたリバルエンLAパッチ のほかにも、間違えやすい製剤を追記しています。
・厚生労働省の一般名処方マスタに収録されている一般名は名称を赤色にしています。
・後発医薬品が存在しない薬剤など、一般名処方マスタにない薬剤は名称を青色にしています。この場合は製薬会社やレセコン会社が提供している一般名を記載しているため、一般名処方マスタに収録されているものと比べてレセコンにより一般名が異なってくる可能性が高くなります。
なお、今回の内容は、下記の「薬剤名称ミスのまとめ」に後日追記予定となります。
①【般】「プラミペキソール塩酸塩錠」と「プラミペキソール塩酸塩徐放錠」
●【般】プラミペキソール塩酸塩錠:ビ・シフロール錠、プラミペキソール塩酸塩錠「サワイ」:0.125mg/0.5mg
●【般】プラミペキソール塩酸塩徐放錠:ミラペックスLA錠、プラミペキソール塩酸塩LA錠MI「サワイ」:0.375mg/1.5mg
ミラペックスはビ・シフロール錠よりも新しい製剤で1日1回投与が可能となった徐放製剤です。
ミラペックスはパーキンソン病のみが効能ですが、ビ・シフロール錠はパーキンソン病に加えてレストレスレッグス症候群の効能もあります。
なお、LA とは徐放性製剤(Long Acting)のことであり、ジェネリックの商品名の後ろについているMI はミラペックス LA 錠の頭文字のミ(MI)となります。
共通規格はないので規格に注意することでも過誤を防ぐことができます。
②【般】「ロピニロール錠」と「ロピニロール徐放錠」
●【般】ロピニロール錠/口腔内崩壊錠:レキップ錠、ロピニロール錠2mg「JG」:0.25mg/1mg/2mg
●「【般】ロピニロール徐放錠:レキップCR錠、ロピニロール徐放錠「トーワ」:2mg/8mg
レキップ錠の徐放製剤であるレキップCR錠のほうが新しい製剤で徐放製剤であるため1日1回であり、また用量(mg)も異なっています。
2mg規格が共通しているので規格に注意するだけでは過誤を防ぐことができません。
③【般】「アナグリプチン ・メトホルミン塩酸塩配合錠 」と「アログリプチン安息香酸塩・メトホルミン塩酸塩配合錠 」
●【般】アナグリプチン ・メトホルミン塩酸塩配合錠: メトアナ配合錠LD/HD●【般】アログリプチン安息香酸塩・メトホルミン塩酸塩配合錠:イニシンク配合錠
まだジェネリックが発売されていないので一般名処方自体は少ないですが、成分名が1文字違い(病院のレセコンによっては安息香酸塩の記載の有無で差が付く可能性もある)なうえに一般名が長いため、極めて間違えやすくなっています。
なお、メトアナは1日2回、イニシンクは1日1回であり用法は異なります。
④【般】「ラタノプロスト・チモロール配合点眼液」と「トラボプロスト・チモロール配合点眼液」と「タフルプロスト・チモロール配合点眼液」
●【般】ラタノプロスト・チモロール配合点眼液:ザラカム配合点眼液:ラタチモ配合点「ニットー」
●【般】トラボプロスト・チモロール配合点眼液:デュオトラバ配合点眼液、トラチモ配合点眼液「ニットー」
●タフルプロスト・チモロールマレイン酸塩:タプコム配合点眼液、タフチモ配合点眼液「NIT」
一般名が「〇〇プロスト+チモロール配合点眼剤」で〇〇の部分だけ異なり、ジェネリックの商品名は「〇〇チモ配合点眼液」で〇〇部分だけ異なるため注意が必要です。
各製剤の存在を認識していないと自店にない成分の処方時に自店にある他成分のもので調剤してしまう過誤が想定されます。
特に先発品の商品名のザラカムは名前から成分が連想できないので、ザラカムをジェネリック変更する際にトラチモ配合点眼液やタフチモ配合点眼液で調剤してしまうという過誤も想定されるので注意が必要です。
⑤【般】「リバスチグミンテープ(1日用)」と「リバスチグミンテープ(週2回用)」
● 【般】リバスチグミンテープ(1日用):イクセロンパッチ、リバスタッチパッチ、リバスチグミンテープ「トーワ」:4.5mg/9mg/13.5mg/18mg
●【般】リバスチグミンテープ(週2回用):リバルエンLAパッチ:25.92mg/51.84mg
リバルエンLAパッチは2025年に発売された1 週間に 2 回貼付するパッチ剤ですが、リバスタッチと同成分であるためジェネリック扱いとなっています。



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