ジェネリック発売による過誤注意情報2021年7月

ジェネリック発売による過誤注意情報2021年7月

今回は最近発売のジェネリックについて想定される過誤をまとめました。

ジェネリックが新発売される場合は、今まで「先発品の商品名処方」だった病院が一般名加算などの関係で「一般名処方」に切り替えることが多くなるため、薬局にとっては「見慣れない一般名処方が多くなる時期」となります。

このため、「見慣れない一般名による過誤」が想定されるので注意が必要です。

なお、ジェネリックが発売されるということは、厚生労働省の一般名マスタに一般名が収載されることになります(自費薬剤はジェネリックが発売されても収載されないかもしれません)。

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①サインバルタカプセルのジェネリック発売による注意

サインバルタカプセルのジェネリックが発売されました。サインバルタカプセルのジェネリックでは先発にない剤形として「錠」、「口腔内崩壊錠」も発売されます。

今回のサインバルタのジェネリックのように新しく発売されるジェネリックでは、内服に限らず先発にない剤形が発売されることがよくあります(内服の場合は特に先発品がカプセルの場合)が、先発品にない剤形の処方が来たときに、先発品の剤形と勘違いして調剤してしまう「剤形での過誤」が想定されます。

一般名は成分名+剤形+含量ですが、新たに収載された見慣れない一般名処方の場合は成分名に気を取られて、剤形をスルーしてしまう傾向があるのだと思います。

デュロキセチンの一般名の種類

デュロキセチンの剤形ごとの一般名は下記となります。

●【般】デュロキセチンカプセル⇒サインバルタカプセル、デュロキセチンカプセル「アメル」など
●【般】デュロキセチン口腔内崩壊錠⇒デュロキセチンOD錠「明治」など
●【般】デュロキセチン錠⇒デュロキセチン錠「トーワ」など

起こりやすいケースとしては「【般】デュロキセチン」の処方で、従来にはない剤形ということに気づかずに従来あるカプセルの剤形で調剤してしまう過誤が想定されます。

もちろん「剤形が異なることを認識した上で患者に剤形変更の同意を得てジェネリック代替調剤をする場合」は過誤ではありません。

最もNGなのが「【般】デュロキセチン錠」の処方で先発品のサインバルタカプセルを調剤してしまう例です。剤形が異なる一般名処方の場合は、先発品に代替調剤はできません。

②アレジオン点眼液のジェネリック発売による注意

アレジオン点眼液0.05%のジェネリックが発売されたため、今後は一般名処方が増えることが予想されます。そのため、「アレジオンLX点眼液0.1%」との過誤に従来よりも注意が必要となります。

従来では「商品名」で識別していた

従来では商品名処方が主だったため、LX製剤との見分けは「濃度」と「LXの文字の有無」の2箇所で、どちらかというと「LXの文字の有無」で識別していた薬剤師が多かったかと思います。

今後は「一般名」でも識別する必要がある

アレジオン点眼液0.05%の厚労省の一般名マスタは「【般】エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%」のため、多くの病院・薬局ではこの一般名がレセコン上登録されるかと思います。

一方、「アレジオンLX点眼液0.1%」はジェネリックが発売されていないため厚労省の一般名マスタには一般名が存在しません。

そのため、「アレジオンLX点眼液0.1%」の一般名はレセコン会社によって一般名の記載が異なってくる可能性が高くなることは認識しておく必要があります。

「【般】エピナスチン塩酸塩点眼液0.1%」のように「濃度」の部分でしか識別できない一般名で処方がくる場合も想定されるため、「濃度」で識別すると認識しておく必要があります。

なお、レセコンによっては【般】エピナスチン塩酸塩点眼液0.1%(持続性)といったように識別しやすい名称となっている医療機関もあるかと思います。

③アドシルカのジェネリック発売による注意

肺高血圧症の薬剤であるアドシルカのジェネリックが発売となりました。

以前に「類似薬名称ミスまとめ」でも記載していますが、タダラフィル製剤は効能が異なる3つの製剤があるため、過誤に注意が必要となります。

一応、シアリス以外のザルティア、アドシルカ製剤は一般名が一般名マスタに収載されていますが、単に「【般】タダラフィル錠 ○mg」という処方をザルティアやアドシルカの意図で処方してくる場合も可能性としては想定されるので規格や用途、自費処方かなどを踏まえて、特定に迷う場合は疑義照会が必要となります。

シアリスはジェネリックはありますが、おそらく自費薬剤という理由からか厚労省の一般名マスタには収載されていないため、レセコン会社によって一般名が異なってくる可能性が高いかと思います。

なお、私の勤務している薬局のレセコンではシアリスの一般名は「【般】タダラフィル錠」と分かりにくい名称となっています。個人的には「【般】タダラフィル錠:CI」とすべきと思います。

●【般】タダラフィル錠:ZA⇨ザルティア錠、タダラフィル錠ZA「サワイ」:2.5mg/5mg
●【般】タダラフィル錠:AD⇨アドシルカ錠、タダラフィル錠AD「サワイ」など:20mg
●【般】タダラフィル錠  ⇨シアリス錠、タダラフィル錠CI「サワイ」:5mg/10mg/20mg(5mgはシアリスのみ)

*上記で記載しているシアリスの一般名「【般】タダラフィル錠」は厚労省の一般名マスタには収載されていないため、レセコン会社によって一般名が異なってくる

過誤対策
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