アノーロエリプタの服薬指導

アノーロの服薬指導
今回は2014年9月に発売された新薬のアノーロエリプタ(ウメクリジニウムとビランテロール)の服薬指導についてまとめました。新規の長時間作用性吸入抗コリン剤(LAMA)であるウメクリジニウムとレルベアで使用されている長時間作用性吸入β2刺激剤(LABA)の合剤となっています。

7吸入用(1週間分)のものと30吸入用(30日分)の2種類販売されています。添付文書には記載がありませんが開封後は6週間が期限な点と吸入後はうがいが必要な点には留意する必要があります。(吸入器の説明書より)

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アノーロエリプタの外用

服薬指導難度

効能

慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)

用法・用量

1日1回 1回1噴霧

特徴

・7吸入用の場合は1個で1週間分となり14日分処方する場合は2キット必要
・カバーを開けるだけで吸入できるデバイス「エリプタ」を採用している(レルベアと同様)。

名前の由来

「アノーロ」に関しては特に由来はないようです。「エリプタ」に関してはデバイスの形である楕円形を意味しています。

アノーロエリプタの服薬指導で確認すること

①緑内障の有無(閉塞隅角緑内障禁忌)

抗コリン作用により眼圧が上昇し、急性緑内障発作を誘発する可能性があるため設定されています。特に添付文書上記載はありませんが私は潜在的な緑内障に対する注意として、異常な眼の痛みなど出る場合は直ちに受診するように説明しています。

②前立腺肥大症の有無(前立腺肥大等による排尿障害がある患者禁忌)

抗コリン作用による膀胱括約筋の収縮と排尿筋の弛緩により尿閉を誘発する可能性があるため設定されています。特に添付文書上記載はありませんが私は男性に対しては潜在的な前立腺肥大に対する注意として尿が出なくなる場合は直ちに受診するように説明しています。

アノーロエリプタの服薬指導で伝えること

①用法・用量を超えて投与しないことの注意

過度に使用を続けた場合、不整脈や場合により心停止を起こすおそれがあるので用法・用量を超えて投与しないよう注意すること【重要な基本的注意】

本剤の過量投与においてQT 延長が認められているため設定されています。これは過量投与でのビランテロールの β1 受容体刺激による可能性が考えられています。このように過量投与により心血管系への影響が危惧されるため、1日1回を超えて吸入しないよう患者に対して指導を行います。

②奇異性気管支痙攣の注意

吸入後に奇異性気管支痙攣があらわれることがある。 その場合患者の生命が脅かされる可能性があるので、 気管支痙攣が認められた場合は直ちに本剤の投与を中止し適切な処置を行うこと【添付文書の重要な基本的注意】

吸入薬の一般的な注意として記載されています。本剤吸入の際に気管支が刺激され、気管支痙攣が生じるおそれがあり気管支痙攣が認められた場合は短時間作用性気管支拡張剤による治療を行う等適切な処置を行うこととされています。(インタビューフォームより)

③開封後は6週間が期限(吸入器の説明書より)

添付文書上記載はありませんが付属の説明書に開封後は6週間が期限の記載があります。

④吸入後のうがいの指導(吸入器の説明書より)

添付文書上記載はありませんが付属の説明書に吸入後にガラガラ、ブクブクのうがいを行うことの記載があります。

アノーロエリプタの服薬指導の薬歴例

S)新しいCOPDの合剤が出来たのでスピリーバとオンブレスから変更となりました。
O)緑内障・前立腺肥大症なし
A)万一、異常な眼の痛み・尿が出なくなる際は救急受診指示(潜在的緑内障・前立腺肥大症に対する注意)。
ごく稀に吸入後に急に呼吸が苦しくなる場合があるためその際は救急受診指示(気管支痙攣)。
1日に何回も使うと脈の乱れなどがでてしまう可能性あるので 1日1回、なるべく同じ時間帯に吸入するよう説明。 吸入後はうがい(ガラガラ、ブクブク)を行うよう指導。
P)薬剤変更後状態確認

新薬薬剤別服薬指導
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