新薬承認情報【平成27年7月分】

新薬承認
今回は平成27年7月分の新薬承認品目のなか、薬局薬剤師に関係がある薬剤の概要をまとめました。今回は糖尿病薬としてランタスXR注ソロスター、トルリシティ皮下注0.75mgが含まれており、薬局薬剤師として今後調剤する機会もありそうな薬剤が承認されています。

なお、平成27年6-7月分の効能追加情報に関しては前回の記事をご参照ください。

効能・効果追加情報【平成27年6〜7月分】
今回は平成27年6〜7月分の効能・効果が追加となった薬剤のうち、薬局薬剤師に関係がある薬剤をまとめました。一部の薬剤は調剤することはほとんどないと思われますが、知識として知っておくとよいと思ったものも記載しています。 効能・効果追加品目【平...
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【平成27年7月分】新薬承認品目

①ハーボニー配合錠(レジパスビル アセトン付加物/ソホスブビル)

インターフェロンの併用を必要としないジェノタイプ1のC型肝炎治療薬です。C型肝炎ウイルスの複製に関わるNS5A阻害剤(レジパスビル)とNS5Bポリメラーゼ阻害剤(ソホスブビル)の配合剤であり、1日1回12週間の経口投与で、投与終了後の持続的ウイルス学的著効率は100%という特徴があります。

インターフェロンの併用を必要としない類薬としてはスンベプラ(アスナプレビル)とダクルインザ(ダクラタスビル)が存在します。スンベプラとダクルインザは併用で用いますが、ハーボニー配合錠は配合剤のため1剤で済むためアドヒアランスの点でも優れています。

なお、ジェノタイプ1のC型慢性肝炎に適用を持ち、IFNを併用する内用薬としてはソブリアード(シメプレビル)、テラビック(テラプレビル)、バニヘップ(バニプレビル)が販売されています。

②プラケニル錠200 mg(ヒドロキシクロロキン硫酸塩)

皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデスを効能とします。海外の診療ガイドライン等において、これらの疾患の標準的治療薬として位置付けられています。注意点として、網膜症等の重篤な眼障害が発現することが挙げられています。

ちなみに、皮膚エリテマトーデスとは、エリテマトーデスでの特異的皮膚症状を中心とした皮膚障害を指し、特に顔面、耳、首回りに高頻度に赤い斑点が現れるとされています。本剤は効能・効果において「皮膚エリテマトーデス」が認められた日本で初めての薬剤となります。

なお、このプラケニルは現在、世界70ヵ国以上において、マラリア、全身性エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、光線過敏症、関節リウマチなどの適応症で承認されています。

③ランタスXR注ソロスター(インスリン グラルギン)

従来のランタスよりもさらに持続性を高めた薬剤です。持続的な溶解を意味するeXtended ReleaseのXRが末尾に付加しています。従来のランタスと同じ有効成分でありながら、より緩徐な溶解プロセスにより、従来のランタスよりも平坦かつ持続的な血中濃度および血糖降下作用の推移を示します。

日本人を対象とした試験ではランタスXRはランタスと比較して、6ヵ月の試験期間で同等の血糖コントロールを達成し、夜間低血糖および24時間低血糖(1日を通じた)の患者当たりの年間発現件数が一貫して低く、体重増加が小さかったとされています。

つまり、ランタスXRは従来のランタスと効果は同等で低血糖リスク、体重増加が少ないといった点が期待できる薬剤となります。

④トルリシティ皮下注0.75mgアテオス(デュラグルチド(遺伝子組換え)

週1回投与のGLP-1受容体作動薬(2型糖尿病治療薬)です。GLP-1受容体作動薬のなかで週1回製剤はビデュリオン(エキセナチド)がすでに発売されており、トルリシティは2剤目となります。

今回のトルリシティの特徴としては週1回投与で、ビクトーザ1日1回投与に比べて、52週投与後のHbA1cを有意に低下させた点や注射針は29ゲージと細い点が特徴となっています。また、ビデュリオン同様に1回分の薬液が充填された1回使い切り製剤です。

なお、その他のGLP-1受容体作動薬の発売状況は1日1回製剤としてビクトーザ(リラグルチド(遺伝子組換え))、リキスミア(リキシセナチド)が、1日2回製剤のしてバイエッタ(エキセナチド)が発売されています。

新薬DSU等の解説
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