タケキャブ錠の特徴

タケキャブの服薬指導
今回は2015年2月に発売された新薬であるタケキャブ(成分名ボノプラザン)の特徴をまとめました。なお、タケキャブの名前の由来はタケダのP-CAB(Potassium-Competitive Acid Blocker)から名付けられています。

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タケキャブの作用機序

タケキャブはカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker:P-CAB)と呼ばれる新らしい作用機序をもつPPIです。今までのPPIは酸の存在下で活性体に変換されてプロトンポンプのSH基に非可逆的に結合し、酵素活性を阻害するのに対し、タケキャブは胃の壁細胞に集積しカリウムイオンと競合する形で可逆的に酵素活性を阻害し、強力かつ持続的な酸分泌抑制作用を示すとされています。

タケキャブの効能・効果と用法・用量

①胃潰瘍、十二指腸潰瘍の場合
1回20mg1日1回。なお、通常、胃潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。

②逆流性食道炎の場合
1回20mg1日1回。通常4週間までの投与とし、効果不十分の場合は8週間まで投与することができる。さらに、再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1回10mg1日1回だが、効果不十分の場合は1回20mg1日回投与できる。

③低用量アスピリン投与時、又はNSAID服用時における潰瘍の再発抑制の場合
1回10mg1日1回

④ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助の場合
1回20mg1日2回

タケキャブとタケプロンの効果比較

臨床試験ではタケキャブとタケプロンの効果が比較されています。その結果をご紹介します。

タケキャブとタケプロンの改善率

タケキャブとタケプロンのそれぞれの効能に対する改善率は以下の通りです。各効能毎のタケキャブのタケプロンに対する非劣性を検討した試験です。

①胃潰瘍治癒率(非劣性が認められた)
タケキャブ20mg:93.5%、タケプロン30mg:93.8%

②十二指腸潰瘍治癒率(これのみ非劣性が認められなかった)
タケキャブ20mg:95.5%、タケプロン30mg:98.3%

③ピロリ一次除菌除菌率(非劣性が認められた)
タケキャブ20mg:92.6%、タケプロン30mg:75.9%

④逆流性食道炎の治癒率(非劣性が認められた)
タケキャブ20mg:99.0%、タケプロン30mg:95.5%

⑤逆流性食道炎(維持療法)の再発率(非劣性が認められた)
タケキャブ10mg:5.1%、20mg:2.0%、タケプロン15mg:16.8%

⑥低用量アスピリン投与時における潰瘍の再発率(非劣性が認められた)
タケキャブ10mg:0.5%、タケプロン15mg:2.8%

⑦NSAID投与時における潰瘍の再発率(非劣性が認められた)
タケキャブ10mg:3.3%、タケプロン15mg:5.5%

タケキャブの十二指腸潰瘍の効能のみ非劣性が示されなかった

「逆流性食道炎治癒率」、「胃潰瘍治癒率」、「ピロリの一次除菌の除菌率」、「胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往がある場合の低用量アスピリン又はNSAID服用における再発抑制」ではタケキャブのタケプロンに対する非劣性(劣らないこと)が示されました。

一方、「十二指腸潰瘍治癒率」のみタケプロンに比べて治癒率が悪く、非劣性が認められませんでした。これはタケキャブの治療群で投与中止例がタケプロン治療群に比べて多く、これらの薬剤投与期間が短かったため未治癒であったことが原因である可能性が考えられています。

非劣性は認められなかったものの、治癒率は95%であり臨床的に有効と考えられることと、投与中止例を除外した解析では非劣性が示されたことから効能としては承認されています。

タケキャブとタケプロンの効果比較まとめ

除菌率などの数値を見るとタケキャブのほうが値が優れているため、このあたりの効能は「タケキャブのほうが効く」と言いたいところですが、これらの試験はすべてタケプロンに対する「非劣性試験」での結果であり「優越性の試験」ではないため、現時点では統計的にタケプロンに劣らないことが示されたにすぎない点に注意が必要です。

とはいえ、特に除菌率や逆流性食道炎(維持療法)の再発率はタケプロンと比べて数値的に優れている可能性があるので、このあたりを期待して処方する医師は多いのではないかと思います。現時点では14日縛りがあるのでピロリ除菌で使う場合が多いかもしれません。

タケキャブと尿素呼気試験の偽陰性

ランソプラゾール等の既存のPPIは、ウレアーゼ活性を阻害することが報告されており、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療において、PPI服用中や投与終了後では、尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があることが知られています。

タケキャブに関しては薬理試験でウレアーゼ活性阻害作用を示さないことが確認されています。そのため、添付文書上に従来のPPIのような「ヘリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意」の記載はありません。

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