2015年6月分 DSUのまとめ・解説

DSUまとめ
今回は2015年6月分のDSUから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。なお、効能・効果追加情報に関しては前回の記事である「効能・効果追加情報【平成27年4〜5月分】」をご覧ください。
https://yakuzaisi.pipi01.com/archives/205

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①アリピプラゾール(経口剤)(エビリファイ)【併用注意追加】

クラリスロマイシンとの併用で本剤の作用が増強するおそれがあるので、本剤を減量するなど考慮すること、という内容が追記となりました。なお、エビリファイ持続性水懸筋注用では以前よりクラリスロマイシンは併用注意となっています。

②セフポドキシムプロキセチル(バナン)【併用注意追加】

「アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸剤」が併用注意となりました。本剤の効果を減弱させることがあるので、同時に服用させないなど慎重に投与すること。という内容が記載されました。機序に関しては不明のようですが、本剤の吸収が阻害される報告があるようです。

具体的に何時間ずらすなどの記載はありませんが、バナンのTmaxが2〜3時間のため、個人的にはバナンを先に服用しその後2〜3時間おいて該当金属含有製剤を服用するのが実際の対応ではないかと考えています。

③アムロジピン【併用注意追加】

「タクロリムスとの併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること」と追記されました。

機序に関してはアムロジピンとタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられています。

他のカルシウム拮抗剤やタクロリムス側の添付文書の記載

他のカルシウム拮抗剤側の添付文書ではアダラート、ニバジール、ペルジピン、ヘルベッサーにはタクロリムスと併用注意の記載がありますが、コニール、カルブロック、アテレック、ワソランなどでは記載がありません。

一方、タクロリムス側の添付文書にはカルシウム拮抗剤ニフェジピン(アダラート)、ニルバジピン(ニバジール)、ニカルジピン(ペルジピン)、ジルチアゼム(ヘルベッサー)等と記載があります。「等」がつくためその他のカルシウム拮抗剤も含まれるとも解釈できます。

実際の対応をどうするか

薬剤師の対応としては、タクロリムス使用中に新規でアムロジピンが追加される場合は、少なくとも再度タクロリムスの副作用を説明するなど注意を促したほうがよさそうです。

なお、説明しなければならないタクロリムスの副作用は多岐にわたる(腎機能障害、高カリウム血症、高血糖、心不全、心筋梗塞、不整脈、高血圧、感染症など)ことと、ジェネリックを含む多くのメーカーで有用な指導せんが存在しないため、患者向医薬品ガイドを利用することをお勧めします。(患者向医薬品ガイドはPMDAの医療用医薬品の添付文書情報ページでの添付文書画面からダウンロードすることができます。)

タクロリムスとカルシウム拮抗剤以外の降圧薬の相互作用

タクロリムスは高血圧に適応がある薬剤のうち、スピロノラクトンなどカリウム保持性利尿薬は併用禁忌、エプレレノン(セララ)は併用注意となっています。これは高カリウム血症が発現することがあるためです。

DSU等の解説
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