今回は平成27年4〜5月分の効能・効果が追加となった薬剤のうち薬局薬剤師に関係がある薬剤をまとめました。
【平成27年4〜5月分】効能・効果追加品目
①タリオン錠
小児適応が追加となりました。7歳以上の小児には1回10mgを1日2回経口投与となります。
②サインバルタカプセル
「線維筋痛症に伴う疼痛」の効能が追加となりました。用法・用量は、1日1回朝食後60mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し,1週間以上の 間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する、とされています。
開始量・増量の方法はうつ病や糖尿病性神経障害に伴う疼痛の用法と同じですが、うつ病では基本は40mgまで増量であり効果不十分な場合に1日60mgまで増量することができるとされておりますが、線維筋痛症に伴う疼痛では基本的に60mgまで増量となります。
③イリボー錠
女性における下痢型過敏性腸症候群が効能追加となりました。従来は男性における下痢型過敏性腸症候群のみの適応でしたが、これで性別にかかわらず使用することができるようになりました。ただし、男性と女性で用量が異なる点に注意が必要です。女性の用量は男性の半分となります。
成人女性には2.5μgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分の場合には増量することができるが、1日最高投与量は5μgまで、とされています。イリボーの薬物動態は性差があることがしられており単回投与時における女性のAUCは男性の約1.7倍と、男性に比べ女性で高い値を示します。
④クラバモックス小児用配合ドライシロップ
副鼻腔炎の効能が追加となりました。中耳炎と副鼻腔炎は起炎菌が似ているため今まで副鼻腔炎の効能がないのが不思議なくらいでしたが、これで副鼻腔炎にも使うことができるようになりました。
⑤ジフルカンカプセル
カンジダ属に起因する腟炎及び外陰腟炎の効能が追加となりました。なお、ジフルカンの剤形のなかでカプセル剤での効能追加でありジフルカンドライシロップ、静注液では追加となっておりません。
⑥シムジア皮下注200mgシリンジ
従来はファーストチョイスとしては用いることができず「過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬(生物製剤を除く)等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること」とされていました。
この度この記載が変更となり「本剤の適用は、原則として既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者に限定すること。ただし、関節の構造的損傷の進展リスクが高いと推測される患者に対しては、抗リウマチ薬による治療歴がない場合でも使用できるが、最新のガイドライン等を参照した上で、患者の状態を評価し、本剤の使用の必要性を慎重に判断すること」とされました。
これにより関節の構造的損傷の進展リスクが高いと推測される患者に対しては抗リウマチ薬による治療歴がない場合でも使用できるように変更となりました。なお、用法・用量に関する使用上の注意には抗リウマチ薬による治療歴がない患者に対してはメトトレキサートを併用することが望ましいと記載されています。
⑦レミッチカプセル
従来は血液透析患者に対するそう痒症の改善のみでしたが、この度、慢性肝疾患患者に対するそう痒症の改善の効能が追加となりました。
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