2018年6月分 DSUのまとめ・解説

2018年6月分 DSUのまとめ・解説
今回は2018年6月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。

今回はそれほど注目するような内容はありませんが、「血管炎に関する疾病の呼称の取扱い」やメトロニダゾール製剤の肝機能障害などは把握しておいたほうがよいかと思います。

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①アンカロン(アミオダロン)【重大な副作用】

重大な副作用に「無顆粒球症、白血球減少」が追記となりました。

無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等の適切な処置を行うこと。

②アフィニトール(エベロリムス)【重大な副作用】

重大な副作用に「 創傷治癒不良」が追記となりました。

創傷治癒不良(0.2%)や創傷治癒不良による創傷感染(0.1%)、瘢痕ヘルニア(頻度不明)、創離開(頻度不明)等の合併症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと

③フラジール、ボノピオンなど(メトロニダゾール)

「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」に肝機能障害に関する内容が追記されました。

コケイン症候群に関する内容は、海外においてメトロニダゾール含有医薬品を使用したコケイン症候群の患者で,投与後の急激な症状の発現を伴う致死的な転帰を含む,重度の肝毒性又は急性肝不全の症例が報告されていることから記載されています。

<重要な基本的注意 >
肝機能障害があらわれることがあるので,定期的に肝機能検査を実施するなど,患者の状態を十分に観察すること

<重大な副作用>
肝機能障害(頻度不明):肝機能障害があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
コケイン症候群の患者で重度の肝毒性又は急性肝不全が発現し死亡に至ったとの報告がある。

コケイン症候群とは

イギリスの小児科医であるコケイン博士により報告された50万人に1人という非常に稀な遺伝病です。

患者の多くは子どもで、老化が進みやすく、日焼けしやすい体質をもちます。体は非常に小さく、徐々に目が見えにくく、耳が聞こえにくくなり、脳や神経にも異常が出てきます。

現在日本での患者数は50名程とされています。

④ヴォトリエント(パゾパニブ)【妊婦、産婦、授乳婦等への投与】

本剤の消失半減期が比較的長いことから、本剤投与中だけでなく投与終了後も一定期間避妊を行うよう改訂されました。

従来では「妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中は避妊を行うよう指導すること」と記載されていたのが「本剤投与中及び投与終了後一定期間は避妊を行うよう指導すること」と改訂されました。

⑤医薬品の効能又は効果等における血管炎に関する疾病の呼称の取扱いについて

血管炎に関する疾病の呼称について下記のように改正されます。

大動脈炎症候群  → 高安動脈炎

ヴェゲナ肉芽腫症  → 多発血管炎性肉芽腫症

Churg-Strauss症候群
チャーグ・ストラウス症候群  → 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
アレルギー性肉芽腫性血管炎

シェーンライン・ヘノッホ紫斑病
ヘノッホ・シェーンライン紫斑病      → IgA 血管炎
アナフィラクトイド紫斑(単純型、シェーンライン型、ヘノッホ型)
アレルギー性紫斑病

結節性動脈周囲炎、多発性動脈炎 → 結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎

引用:医薬品の効能又は効果等における血管炎に関する疾病の呼称の取扱いについて

DSU等の解説
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