効能・効果追加情報【2017年6~7月分】

効能・効果追加情報【2017年6~7月分】
今回は2017年6~7月の効能追加情報のなかから、薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。

今回はルボックス/デプロメールの8歳以上の小児の「強迫性障害」やプラリアの「関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制」の効能追加が主な内容となります。

また、正式な効能追加ではなく公知申請の段階となりますが、ジプレキサの「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」の効能に関する内容も併せてご紹介します。

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①ルボックス/デプロメール(フルボキサミン)

8歳以上の小児で「強迫性障害」に対する効能が追加となりました。これにより、日本において小児の強迫性障害に対して使用可能な初めてのSSRIとなりました。

強迫性障害は、症状が習慣化する前に治療を開始した方が治療効果が高くなると知られており、10歳前後で発症するケースもあるため、小児への治療に用いることができる治療薬の開発が望まれていたようです。

現時点では後発品では効能追加となっていないため、小児での使用では薬局側でのジェネリック変更はしないよう注意する必要があります。

成人に使う場合と異なり、初回は「1日1回25mgの就寝前」となり、増量により朝と就寝前の1日2回投与となります。初回は就寝前であるため、朝食後など異なる用法で処方された場合は疑義照会対象となります。

通常,8歳以上の小児には,フルボキサミンマレイン酸塩として,1日1回25mgの就寝前経口投与から開始する.

その後1週間以上の間隔をあけて1日50mgを1日2回朝及び就寝前に経口投与する.年齢・症状に応じて1日150mgを超えない範囲で適宜増減するが,増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として25mgずつ行うこと.

②プラリア皮下注(デノスマブ)

「関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制」の効能が追加となりました。なお、メトトレキサート等の抗炎症作用を有する抗リウマチ薬と併用することとされています。

従来では「プラリアの併用がある」=「骨粗鬆症の治療をしている」と判断できましたが、今後は関節リウマチでの使用の可能性を考える必要があります。

また、通常の用法は骨粗鬆症同様に半年に1回ですが、この用法でも骨びらんの進行が認められる場合には、3ヵ月に1回で使うことができます。

現在のところ、3ヵ月に1回での投与は骨粗鬆症では存在しないため、、3ヵ月に1回で使用している場合は関節リウマチで使用していると判断できるかと思います。

. 関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制
通常、成人にはデノスマブ(遺伝子組換え)として60 mgを6ヵ月に1回、 皮下投与する。なお、6ヵ月に1回の投与においても、骨びらんの進行が認められる場合には、3ヵ月に1回、皮下投与することができる。

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉
本剤は、メトトレキサート等の抗炎症作用を有する抗リウマチ薬による適切な治療を行っても、画像検査で骨びらんの進行が認められる場合に使用すること。

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉
メトトレキサート等の抗炎症作用を有する抗リウマチ薬と併用すること。

③アクテムラ皮下注シリンジ/ アクテムラ皮下注オートインジェクター

従来の用法である「2週間隔投与」で効果不十分な関節リウマチ患者さんに対して、1週間まで投与間隔の短縮を可能とする用法・用量が追加となりました。

今までは、2週間隔投与で効果不十分の患者さんにおいては、点滴静注用製剤などに切り替える必要があり、患者さんの通院や点滴にかかる時間的負担や医療機関で不便が生じる場合がありました。

今回の用法・用量追加により、1週間まで間隔を短縮できることで患者さんは利便性を低下させることなく治療を継続できるとされています。

通常、成人には、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回162mgを2週間隔で皮下注射する。なお、効果不十分な場合には、1週間まで投与間隔を短縮できる。

④ジプレキサ(オランザピン)【公知申請】

「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」の効能が公知申請対象となりました。

他の制吐剤との併用において、通常、成人にはオランザピンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増量するが、1日量は10mgを超えないこと。

・本剤は、原則としてコルチコステロイド、5-HT3受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬等と併用して使用する。なお、併用するコルチコステロイド、5-HT3受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬等の用法・用量については、各々の薬剤の添付文書等、最新の情報を参考にし、投与すること。

・原則として抗悪性腫瘍剤の投与前に本剤を投与し、癌化学療法の各クールにおける本剤の投与期間は6日間までを目安とすること。

DSU等の解説
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