2021年2月分 DSUのまとめ

2021年2月分 DSUのまとめ

2021年2月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。

「アミオダロン」と「シルデナフィル」の併用についての内容やゼローダ錠の「出血傾向の注意」、ファムビル錠のPIT処方の際のアルミ袋保管の内容などは把握しておいたほうが良いかと思います。

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①アンカロン錠(アミオダロン)

従来では「アミオダロン」と「シルデナフィル」の併用は、シルデナフィルの用途にかかわらず「併用禁忌」(QT延長を起こすおそれがあるため)とされていましたが、「肺動脈性肺高血圧症」 を効能とする薬剤(レバチオ)は「併用禁忌」から「併用注意」に変更となりました。なお、 勃起不全を効能とするシルデナフィル製剤(バイアグラ)は引き続き併用禁忌のままとなります。

肺動脈性肺高血圧症では不整脈を合併することがあり、臨床上アミオダロンの併用が必要になる場合があるため、日本小児循環器学会より要望書が提出され改訂に至りました。

レバチオ側の添付文書でも改訂されています。

②フォルテオ皮下注キット(テリパラチド)

従来、「その他の注意」に記載のあった「男性患者に対する使用経験は少ない」という記載が削除となりました。

再審査期間中に実施した特定使用成績調査で300 例程度の男性患者における安全性・有効性が確認できたこと並びに性差が認められなかったことが理由となります。

③トルリシティ皮下注アテオス(デュラグルチド)

国内製造販売後臨床試験として実施されていたインスリン製剤との併用療法試験が終了し、これに伴い従来、「重要な基本的注意」に記載されていた「本剤とインスリン製剤との併用における有効性及び安全性は検討されていない 」 という記載が削除となりました。

上記の記載は削除となりましたが、 インスリン製剤との併用は従来通り併用注意であり低血糖のリスクが増加するおそれがあるため併用する場合、低血糖のリスクを軽減するため、インスリン製剤の減量を検討することされています。

なお、添付文書の「製造販売後調査等」の項目にも上記のインスリン製剤との併用療法試験結果で低血糖がインスリン製剤との併用で42.5%、インスリン単独で30.8%認められていることなども追記されています。

④ゼローダ錠(カペシタビン)

重要な基本的注意に「感染症・出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること」が追記となりました。

<重要な基本的注意>  
感染症・出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること

「感染症」については指導冊子にも「発熱」という症状で記載があるので従来から説明をしていたかと思いますが、「出血傾向」については現時点では指導冊子の種類によっては明確な記載がされていません。 重要な基本的注意に記載されたため今後はもれなく説明する必要があるかと思います。

具体的な症状については、患者向医薬品ガイドが改訂されていたので、これを参考にし、 「鼻血、歯ぐきの出血、あおあざなどの症状」で説明する対応でよいかと思います。

また、「特定の背景を有する患者に関する注意」の「生殖能を有する者」の項目に避妊に関する注意が追記されました。

避妊に関しては従来から指導冊子に記載があるかと思います。ただし、投与終了後一定期間も適切な避妊が必要であることは現時点では、指導冊子の種類によっては記載されていません。

説明する場合は上記の出血傾向などとともに患者向け医薬品ガイドの該当部分を印刷して渡すのが伝えやすいかもしれません。

 <特定の背景を有する患者に関する注意  生殖能を有する者 >  
妊娠可能な女性患者には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。

パートナーが妊娠する可能性のある男性患者には、本剤投与 中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。

⑤ファムビル錠(ファムシクロビル)

アルミピロー開封後にPTP包装で長期間保存した場合、湿度の影響を受けて溶出が遅延する場合があることが確認されたため、「取扱い上の注意」と「適用上の注意」に下記が追記となりました。

今後は再発性単純疱疹のPIT処⽅⽤の場合は「ファムビル専⽤アルミ袋」を製薬会社から取り寄せ患者に渡す必要があります。錠剤をファムビル専用ブリスターカードにセットした状態でアルミ袋に保管するため「ブリスターカード」も一緒に製薬会社から取り寄せる必要があります。

<参考>
マルホのホームページより
ファムビル専⽤アルミ袋配布のお知らせ <再発性単純疱疹のPIT処⽅⽤>
再発性の単純疱疹に対するファムビル錠短期投与ブリスターカード

<取扱い上の注意>
アルミピロー開封後、湿気を避けて保存すること。  

<適用上の注意>
〈単純疱疹に対して 1 回 1000mg を 2 回投与する場合〉
次回の再発分として処方する場合は、湿気を避けるためにアルミ袋に入れて保存するよう指導すること。    

PIT処方については以前作成した下記の記事にまとめているのでご参照ください。

DSU等の解説
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