アザルフィジンの服薬指導

アザルフィジンの服薬指導
今回はアザルフィジンEN(サラゾスルファピリジン)錠の服薬指導をまとめました。

アザルフィジンは投与開始後最初の3ヵ月間は2週間に1回、次の3ヵ月間は4週間に1回検査が必要であり長期処方が制限される薬剤であるため注意が必要です。

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アザルフィジンの概要

現在リウマチの第一選択薬はMTXでありアザルフィジンの使用頻度は少なくなってきましたが、以下の場合などに使用されることがあります。

・早期軽症例あるいはMTX禁忌・慎重投与例に対する第一選択として
・MTXの併用薬として
・寛解・低活動性例の維持療法薬として
服薬指導難度

効能

関節リウマチ

用法・用量

本剤は、消炎鎮痛剤などで十分な効果が得られない場合に使用すること。通常、サラゾスルファピリジンとして成人1日投与量1gを朝食及び夕食後の2回に分割経口投与する。

名前の由来

サラゾスルファピリジンが 5-アミノサリチル酸とスルファピリジンをアゾ結合させた化合物であることから命名されています(5-aminosalicylate-azo-Sulfapyridine)。ENは腸溶剤であることから、enteric(腸の)の最初の 2 文字をあらわしています。

指導せん

副作用の記載がされている指導せんがあるため、用意しておくと役に立つかと思います。血液障害・腎障害・肝障害・肺障害・皮膚障害などの副作用が記載されています。

なお、製薬会社のHPでも印刷できるため急ぎの場合は利用すると良いかと思います。

アザルフィジンの服薬指導で確認すること

①副作用歴の確認【禁忌】

アザルフィジンは体内で5-アミノサリチル酸(5-ASA)とスルファピリジン(SP)に分解されるため、サルファ剤又はサリチル酸製剤に過敏症の既往歴のある場合は禁忌となります。

そのため副作用歴を確認し、これらに該当しないことを確認します。

②血液・肝機能・腎機能検査の有無【重要な基本的注意】

投与開始前に血液学的検査、肝機能検査及び腎機能検査が必要なため検査の有無を確認し未実施の場合は疑義照会対象となります。

また、投与開始後も下記のように検査が必要となるため、これを超える処方日数の場合は患者に次回受診日を確認した上で疑義照会を行います。

つまり14日処方を6回(3ヵ月)、その後28日処方を3回(3ヵ月)行い合計6ヵ月経過すれば、ようやく90日ほどの長期処方が可能となるということになります。

本剤投与開始前には、必ず血液学的検査(白血球分画を含む血液像)、肝機能検査及び腎機能検査を実施すること。

投与中は臨床症状を十分観察するとともに、定期的に(投与開始後最初の3ヵ月間は2週間に1回、次の3ヵ月間は4週間に1回、その後は3ヵ月ごとに1回)、血液学的検査及び肝機能検査を行うこと。また、腎機能検査についても定期的に行うこと。

③年齢の確認【高齢者への投与】

高齢者では、少量(0.5g、1日1回、夕食後)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること、とされているため年齢を確認します。これは臨床試験において高齢者に消化器系、肝臓系及び腎臓系の副作用の発現率が高い傾向が認められるため設定されています。

なお、ここでいう高齢者とは65歳以上であるため、この年齢で初回1日1gの用量で処方が来た場合は疑義照会対象となります。

〈インタビューフォーム〉
承認時までの全臨床試験の安全性評価対象症例642例について、その副作用を65歳以上(高齢者)と65歳未満(非高齢者)に分けて検討した結果、高齢者に消化器系、腎臓系及び肝臓系の副作用の発現率が高い傾向が認められたことから記載した。

少量から投与を開始することとしたのは、消化器系の副作用は用量依存性があると考えられ、また海外では消化器系の副作用軽減のために漸増法をとっているためであり、夕食後投与としたのは関節リウマチの主症状の一つである「朝のこわばり」を考慮したものである。

アザルフィジンの服薬指導で伝えること

①かまないこと【適用上の注意】

アザルフィジンは腸溶性製剤であるためかんだりしないよう説明します。

②皮膚、爪、尿・汗の着色【その他の注意】

アザルフィジンの成分により皮膚、爪、尿・汗が黄色~黄赤色に着色することがあるため説明します。ただし、皮膚と尿に関してはこれらの着色が薬の成分の色に由来するのか、副作用である黄疸や血尿によるものなのか判断が難しいかと思います。

患者に対してはどちらによってもおこりうるが、検査をしないと判断できない場合もあるため、認められた場合は医師に連絡するよう説明しておくのがよいかと思います。

なお、ソフトコンタクトレンズが着色することもあります。

〈製薬会社HP〉
サラゾスルファピリジン(SASP)は黄色~黄褐色を呈しており、皮膚、爪及び尿・汗等の着色は本剤の副作用に伴うものではなく、SASP(未変化体) の組織移行や体液への分泌に起因すると考えています。

着色は投与中止により消褪しますので、下着等に着色して不快に感じられる場合には、患者さんの病態や治療経過等に応じて投与中止を判断してください。

③血液障害、肝機能障害、腎機能障害などの副作用説明

血液・肝機能・腎機能検査が必要な薬剤であるため、これらの副作用症状を説明します。指導せんがあるのでそれをみせながら説明します。

発熱、喉の痛み、咳、息苦しい、発疹、あざ、黄疸、だるさ、むくみ、尿量低下など出る場合はすぐに病院に連絡するように説明します。

アザルフィジンの服薬指導薬歴例

S)リウマチ
O)副作用歴なし、検査あり

A)かまないこと、尿、汗などの着色説明。
万一、発熱、喉の痛み、咳、息苦しい、発疹、あざ、黄疸、だるさ、むくみ、尿量低下、血尿など出る場合はすぐに病院に連絡するように説明。
P)副作用確認

薬剤別服薬指導
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