2021年初春の新薬承認品目のなかから薬局薬剤師に関係がある薬剤の概要をまとめました。
今回はそれほど調剤頻度が高そうなものはない印象でした。
①サルプレップ配合内用液(無水硫酸ナトリウム、 硫酸カリウム、硫酸マ グネシウム水和物)
「大腸内視鏡検査時の前処置における腸管内容物の排除」を効能とする製剤です。検査用薬は基本は院内処方とされているので、薬局で触れる機会はほとんどないかと思います。
水に溶かすなどの服用時の調製が不要であり、医療関係者及び患者の負担軽減が期待できるとされています。1本480mLであり、薬液の服用量は 480mL~960mLとなっています。
検査当日に投与する場合は通常480mLを30分かけて服用後、水又はお茶約1Lを1時間かけて飲用し、以降、排泄液が透明になるまで本剤240mLあたり15分かけて投与し、投与後に水又はお茶約500mLを飲用しますが、本剤の投与量は合計960mLまでとされています。
なお、検査前日と当日に分けて2回投与する服用方法別途設定されています。
②マスーレッド錠(モリデュスタット)
「腎性貧血」を効能とする低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害剤です。
この系統の薬剤は近年相次いで発売されて、エベレンゾ、バフセオ、ダーブロック、エナロイに次いで5剤目となります。名称の由来は特にありません。
③ソグルーヤ皮下注(ソマプシタン)
「成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)」を効能とする週1回を特徴とするの長時間作用型ヒト成長ホルモンアナログ製剤です。 名称の由来は特にありません。
④エムガルティ皮下注オートインジェク ター・皮下注シリンジ(ガルカネズマブ)
「片頭痛発作の発症抑制」を効能とする片頭痛発作時に発現が認められるCGRP(カ ルシトニン遺伝子関連ペプチド)を抑制する国内初のヒト化抗CGRPモノクローナル抗体です。
通常、成人には初回に 240 mg を投与し、以降は 1 ヵ月間隔で 120 mg を皮下投与します。名称の由来は特にありません。
病院での使用が想定された薬剤で、発売時点では患者が自己注射するものではないようなので薬局で調剤することはなさそうです。
ただし、発売から期間が経った後に自己注射が可能となる改訂が行われる可能性はあります。
⑤コムクロシャンプー【効能追加】
「頭部の湿疹・皮膚炎」の効能が追加となりました。
使用方法は従来の効能である尋常性乾癬の使い方と同様で、塗布後に15分待ってから水又は湯で泡立て洗い流します。
手間がかかるので、従来使われている同成分のデルモベートスカルプローションのほうが使いやすい気がします。
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