2018年4月分 DSUのまとめ・解説

2018年4月分 DSUのまとめ・解説
今回は2018年4月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。

今回はプラビックスの併用禁忌追記とスイニー・テネリア・トラゼンタの急性膵炎に関する内容が主なものとなります。

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①プラビックス(クロピドグレル含有製剤)【併用禁忌】

併用禁忌に肺動脈性肺高血圧症の薬剤であるウプトラビ(セレキシパグ)が追加となりました。

これは海外で実施された臨床試験において、セレキシパグと強いCYP2C8阻害剤であるゲムフィブロジル(国内未承認)の併用によりセレキシパグの活性代謝物のAUCが11倍に増加したことから、セレキシパグの CCDS が改訂され、「強い CYP2C8 阻害剤との併用」が「禁忌」として追記されました。

国内の薬物相互作用ガイドライン案においては、クロピドグレルはゲムフィブロジル同様に強いCYP2C8阻害剤として指定されています。

そのため、ウプトラビ錠とクロピドグレル含有製剤を併用した場合にも、クロピドグレルの CYP2C8 阻害作用により、ゲムフィブロジル併用時と同様にウプトラビの血中濃度が上昇するおそれがあることから、予防的安全対策として海外に準じた安全対策を実施するため、「併用禁忌」に設定されました。

②スイニー・テネリア・トラゼンタ(アナグリプチン・テネリグリプチン・リナグリプチン)【重要な基本的注意】

重要な基本的注意及び重大な副作用に急性膵炎が追記となりました。

<重要な基本的注意>
「急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。」

<重大な副作用>
「急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

なお、スイニーに関しては重大な副作用に「類天疱瘡」も追記となっています。

「類天疱瘡があらわれることがあるので、水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」

薬剤師の対応

DPP-4 阻害剤の急性膵炎に関する内容はDPP-4 阻害剤が発売された頃から注意喚起されていた内容であり、ジャヌビア、エクア、ネシーナなどでは以前から重要な基本的注意に記載されています。

これまでも添付文書の記載の有無にかかわらず、DPP-4 阻害剤の共通事項と捉えて、すべてのDPP-4 阻害剤で急性膵炎を説明してきた薬剤師も多いかと思います。

オングリザとザファテックに関しては現時点でも重要な基本的注意に急性膵炎の記載がありませんが、今回のように今後追記となる可能性もあるため、すべてのDPP-4 阻害剤で説明したほうがよいかと思います。

DSU等の解説
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