べピオゲルの服薬指導

ベピオゲルの服薬指導
今回は新薬のベピオゲル(過酸化ベンゾイル)の服薬指導に関してまとめました。全身性の過敏反応や重度の皮膚刺激症状が認められた場合は中止することを伝える必要があります。

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べピオゲルの概要

服薬指導難度

効能

尋常性ざ瘡

用法・用量

1日1回洗顔後、患部に適量を塗布する。

名前の由来

有効成分の過酸化ベンゾイル(Benzoyl Peroxide)は一般的に「BPO」と省略されていることが由来となり「BEPIO(ベピオ)」とされています。

指導せん

指導せんが存在します。後述している使用上の注意や副作用に関して一通り記載があるため用意しておくと有用です。

特徴

・抗菌作用・角層剥離作用により炎症性・非炎症性皮疹を改善する。
・欧米では標準治療として位置づけられている薬剤
・1本15g

べピオゲルの服薬指導で伝えること

①全身性の過敏反応や重度の皮膚刺激症状が認められた場合は中止すること【重要な基本的注意】

国内臨床試験ではこれらの症状は認められていませんが、米国 FDA より原因物質の特定はされていないが過酸化ベンゾイル又はサリチル酸含有の一部のOTC ざ瘡治療外用剤で、咽喉絞扼感、呼吸困難、めまい及び眼、顔等の腫脹といった全身性の過敏反応を含む有害事象が報告され注意喚起されたことより設定されています(全身性の副作用とは何なのか添付文書には記載がないためインタビューフォームより引用)

一方ベピオゲルの指導せんでは全身性の過敏反応の注意書きとして「発疹や発熱など」が生じた時は受診するようにと記載されており上記の咽喉絞扼感、呼吸困難、めまい及び眼、顔等の腫脹の症状の記載が競れていません。実際に指導する際には発疹や発熱のほかにも呼吸困難なども付け加えたほうが良いと思います。

②皮膚剥脱(鱗屑・落屑)、紅斑、刺激感等の注意

使用中に皮膚剥脱(鱗屑・落屑)、紅斑、刺激感等があらわれることがあるので、必要に応じて休薬等の適切な処置を行うこと【重要な基本的注意】

国内臨床試験では皮膚剥脱(鱗屑)(18.6%)、刺激感(14.0%)、紅斑(13.8%)等が比較的高頻度に認められています。これらの重症度は、軽度又は中等度であり、ほとんどの症例で本剤を中止することなく継続が可能であったとされてますが、程度に応じて休薬等の適切な処置を行うことが必要とされています。

③使用中には日光への曝露を最小限にとどめ、日焼けランプの使用、紫外線療法は避けること【重要な基本的注意】

海外で過酸化ベンゾイルの反復塗布によりUV照射に対する皮膚の忍容性が減少すること、また日光曝露によって過酸化ベンゾイルの皮膚刺激性が増悪する可能性があることが報告されており日光曝露に関する注意喚起が行われているため設定されています。

④25℃以下に保存すること【貯法】

25℃以下で保存することを説明し、越える可能性があれば冷蔵庫で保存することを説明します。

⑤ 漂白作用があるので、髪、衣料等に付着しないように注意すること

⑥ 眼、口唇、その他の粘膜及び傷口に使用しないこと

外用剤の一般的注意事項として設定されています。粘膜や損傷皮膚は正常皮膚に比べ皮膚刺激を生じやすいため、万一、眼、口唇、その他の粘膜及び傷口に付着した場合は、直ちに水で洗い流すこととされています。。

⑦他の塗り薬と一緒に塗ると皮膚症状がひどくなる場合があること

国内臨床試験において、併用薬剤の有無別にみた副作用の発現割合は、併用薬剤ありで 51%なしでは 30.6%であり併用薬剤なしと比較してありで高値が示された事から設定されています。なお、国内長期投与試験ではアダパレン外用剤を併用した場合に適用部位刺激感、適用部位紅斑、皮膚剥脱、接触性皮膚炎等がより高い割合で認められています。

⑧ニキビのできやすいところ全体に、まんべんなく薄く塗り広げる(指導せんより)

べピオゲルの服薬指導の薬歴例

S)ニキビ
O)併用なし
A)万一、発熱、発疹、呼吸困難などでる場合は受診指示。刺激感などでうること説明、ひどい場合や続くようであれば受診指示。紫外線避けること説明。貯法説明。漂白作用あるので髪や服につかないよう注意。目や粘膜などには使わないよう説明。他の塗り薬と併用しないよう説明。
P)にきび状態確認

新薬皮膚薬剤別服薬指導
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