アミティーザの服薬指導

アミティーザ
今回は慢性便秘症に対する治療薬であるアミティーザの服薬指導をまとめました。

アミティーザは肝機能や腎機能障害の程度によっては分1に減量する場合があることや、食後のほうが吐き気の副作用が少ないという特徴があります。

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アミティーザの概要

服薬指導難度

効能

慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)

用法・用量

1回24μgを1日2回,朝食後及び夕食後に経口投与する。なお,症状により適宜減量する。

名前の由来

特にありません

指導せん

指導せんが存在しています。有用な点として食後のほうが吐き気の副作用が出にくいことが記載されていますが、なくてもそれほど支障はないかと思います。

アミティーザの服薬指導で確認すること

①腸閉塞の有無【禁忌】

腫瘍,ヘルニア等による腸閉塞が確認されている又は疑われる患者が禁忌となっています。

これは腸閉塞がある場合に排便を促す薬剤を投与すると腸閉塞を悪化させるおそれがあることから便秘薬の一般的な注意事項として設定されています。

②妊娠の有無【禁忌】

妊娠している場合は禁忌に該当するため、妊娠の有無を聴取します。

これは動物実験で胎児喪失が報告されていることなどから設定されています。

③肝機能障害の有無【用法及び用量に関連する使用上の注意】

中等度又は重度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスB又はC)では減量する場合があるため、肝臓が悪いと言われていないかを聴取します。

中等度又は重度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスB又はC)のある患者では,1回24μgを1日1回から開始するなど慎重に投与すること。

これは中等度又は重度(Child-Pugh分類クラスB又はC)の肝機能障害患者で活性代謝物のCmax,AUCが中等度肝機能障害患者ではそれぞれ66%及び119%,重度肝機能障害患者では,それぞれ183%及び521%高かったことから設定されています。

④腎機能障害の有無【用法及び用量に関連する使用上の注意】

重度の腎機能障害では減量する場合があるため、腎臓が悪いと言われていないかを聴取します。

重度の腎機能障害のある患者では,患者の状態や症状により1回24μgを1日1回から開始するなど慎重に投与すること

これは血液透析を必要とする重度の腎機能障害のある患者で対して活性代謝物のCmaxが25%及びAUCが12%高かったことから設定されているようですが、数字だけ見ると大して変動していないので、減量基準が記載されていることに不思議な印象を受けます。

腎機能により減量が必要な薬剤の患者対応
今回は腎機能により減量が必要な薬剤の患者対応の個人的な考え方と対応をまとめました。 調剤薬局で触れる機会の多い薬剤のなかにも腎機能に応じて減量が必要な薬剤は多く存在しています。これらが処方された場合の対応をまとめました。なお、腎機能低下が禁忌の薬剤の対応もこれに準じます。

アミティーザの服薬指導で伝えること

①避妊の説明【重要な基本的注意】

胎児に影響がでるとする報告があるため、避妊が必要なことを説明します。また、万一妊娠が疑われた場合はすぐに医師に連絡するように指導します。

動物実験で胎児喪失が報告されているので,妊娠する可能性のある婦人に投与する場合には妊娠検査を行うなど妊娠中でないことを確認すること。

また,本剤の妊娠に及ぼす危険性について患者に十分に説明し,服薬中は避妊させること。なお,本剤投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には直ちに医師に連絡するよう指導すること

②食後を守ることの説明

添付文書には記載がありませんが、食後のほうが吐き気の副作用が少ないため、食後を守ることを説明します。(指導せんには記載があります)

これは海外で実施した臨床試験で主な副作用として認められた悪心が、食前投与に比べて食後投与で発現頻度が低下したことが根拠となっています。そのため、国内で実施した臨床試験は全て食後投与で実施されています。

③下痢・吐き気の副作用説明

重大な副作用というわけではありませんが、承認時における安全性評価対象例での主な副作用として下痢(30%),悪心(23%)であったため、程度により減量などが考えられるため、続いたりひどいようであれば医師に連絡または受診をするよう説明します。

アミティーザの服薬指導薬歴例

S)便秘
O)肝臓、腎臓悪いと言われたことなし、腸閉塞なし妊娠なし

A)食後守ること説明。吐き気や下痢続いたりひどいようであれば連絡または受診指示。
避妊すること説明、万一妊娠が疑われる際はすぐに医師に連絡するように指導。
P)便秘状態確認

消化器薬剤別服薬指導
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