リリカの服薬指導

リリカ
今回は疼痛治療剤(神経障害性疼痛・線維筋痛症)であるリリカ(プレガバリン)の服薬指導をまとめました。

リリカは調剤薬局で比較的処方頻度が高い薬剤ですが、意外に忘れがちな点として服薬指導の際に体重増加や視覚異常に関する注意を伝える必要がある薬剤となっています。

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リリカの概要

服薬指導難度

効能

神経障害性疼痛、線維筋痛症に伴う疼痛

用法・用量

神経障害性疼痛の場合

成人には初期用量として1 日150 mgを 1 日 2回に分けて経口投与し、その後 1 週間以上かけて 1 日用量として300 mgまで漸増する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1 日最高用量は600 mgを超えないこととし、いずれも 1 日 2 回に分けて経口投与する。

線維筋痛症に伴う疼痛の場合

成人には初期用量として1 日150 mgを 1 日2 回に分けて経口投与し、その後 1 週間以上かけて 1 日用量として300 mgまで漸増した後、300~450 mgで維持する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、 1 日最高用量は450 mgを超えないこととし、いずれも 1 日 2 回に分けて経口投与する。

名前の由来

QOL 改善のイメージであり、読み、聞き、書いた場合に印象が良い言葉である「Lyric:叙情詩(Music)」やLyrical:叙情的な」を由来としています。

指導せん

リリカには指導せんが存在しています。服薬指導で必要な内容は大部分記載されているため用意しておくと有用かと思います。ただし、視覚異常(下記参照)に関しては記載がないため伝え忘れないように注意が必要です。

なお、インターネット上で印刷するには製薬会社の会員登録が必要のため、急ぎで印刷するのは困難となっています。

リリカの服薬指導で確認すること

①腎機能障害の有無

リリカは腎機能(クレアチニンクリアランス)により減量が必要なため腎臓が悪いと言われていないかを確認します。

なお、腎機能により減量が必要な薬剤の患者対応に関しては以下をご参照ください。

腎機能により減量が必要な薬剤の患者対応
今回は腎機能により減量が必要な薬剤の患者対応の個人的な考え方と対応をまとめました。 調剤薬局で触れる機会の多い薬剤のなかにも腎機能に応じて減量が必要な薬剤は多く存在しています。これらが処方された場合の対応をまとめました。なお、腎機能低下が禁忌の薬剤の対応もこれに準じます。

リリカの服薬指導で伝えること

①運転や転倒の注意【重要な基本的注意】

めまいや眠気などが起こることがあるため服用中は自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事しないよう説明します。
また、転倒により骨折等を起こした例があるため、注意を促します。

めまい、傾眠、意識消失等があらわれ、自動車事故に至った例もあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
特に高齢者ではこれらの症状により転倒し骨折等を起こした例があるため、十分に注意すること。

②自己判断での中止をしないこと【重要な基本的注意】

急激な投与中止により、不眠、悪心、頭痛、下痢、不安及び多汗症等の症状があらわれることがあるので、自己判断での中止をしないように説明します。

③体重増加の注意【重要な基本的注意】

体重増加が起こることがあるため、体重増加が認められる場合は医師に申し出るよう説明します。

体重増加を来すことがあるので、肥満に注意し、肥満の徴候があらわれた場合は、食事療法、運動療法等の適切な処置を行うこと。
特に、投与量の増加、あるいは長期投与に伴い体重増加が認められることがあるため、定期的に体重計測を実施すること。

④視覚異常の説明【重要な基本的注意】

弱視、視覚異常、霧視、複視等の眼障害が生じる可能性があるため、見え方の異常が認められる場合は受診するように説明します。

この内容は指導せんには記載がされておらず、伝え忘れやすいため注意が必要です。

⑤飲酒をさけること【併用注意】

アルコール(飲酒)は併用注意のため控えるよう説明します。

これは認知機能障害及び粗大運動機能障害に対してリリカが相加的に作用するおそれがあるため設定されています。

リリカの服薬指導薬歴例

S)痛み
O)腎臓悪いと言われたことなし
A)
ねむけ、めまいでることあるので運転など避けるよう指示。転倒注意。自己判断での中止をしないよう説明。
体重増加や視覚異常出る際は受診指示。飲酒避けること説明。
P)副作用確認

薬剤別服薬指導
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