2024年8月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。
今回はメジャーな薬剤での大きな改訂はありませんでした。
①エリキュース【併用注意】
併用注意にアルツハイマー病の新規治療薬であるレケンビ点滴静注(レカネマブ)が追記されました。相手薬側の添付文書には従来より記載されています(エリキュースに限らず血液凝固阻止剤や血小板凝集抑制剤全般)。
レケンビ承認時の新薬情報の項目でも記載しましたが、併用注意ながらも患者さんによっては「レケンビ治療カード」を持参している場合があり、これには「レケンビ使用中のため抗血栓薬と併用することで脳出血を助長する可能性があり、抗血栓薬などによる治療が必要な場合には記載の医療機関に連絡してほしい」といった旨が記載されています。
そのため、「レケンビを使用中に他院で抗血栓薬などが追加となるような際」には患者がレケンビ治療カードをもらっているか、もらっている場合は抗血栓の処方医にもちゃんと見せたかなどを確認する必要があります。
また、特にレケンビ処方病院から治療カードなどの注意喚起をされていない場合でも、患者がレケンビの併用を抗血栓薬の処方医に伝えていない場合は情報伝達の意味合いで連絡をしたほうがよいかもしれません。薬局側からレケンビ処方医に情報提供することも検討されます。
<併用注意>
相手薬投与中に脳出血を発現した場合、本剤が出血を助長するおそれがある。併用時には脳出血の副作用に注意すること。
相手薬の副作用として脳出血の報告がある。併用により血液凝固阻止剤である本剤が出血を助長する可能性がある。
②タグリッソ錠
チロシンキナーゼ阻害剤であるタグリッソ錠の「生殖能を有する者」の項目に妊娠する可能性のある女性及び男性の具体的な避妊期間及び避妊方法が追記されました。
<生殖能を有する者>
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6 週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
男性には、本剤投与中及び最終投与後4カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
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