新薬承認情報【2022年冬】

新薬承認情報【2022年冬】

2022年冬の新薬承認品目のなかから薬局薬剤師に関係がある薬剤の概要をまとめました。

ドネペジルのパッチ製剤であるアリドネパッチは認識しておいたほうがよいかと思います。

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①アリドネパッチ(ドネペジル)

「アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」を効能とするドネペジルを有効成分として含有し、ドネペジル経口製剤 1 日 1 回投与と同等のドネペジルの AUCを得られる 1 日 1 回貼付の経皮吸収型製剤です。

「27.5mg」と「55mg」の2種類の規格があり、27.5mgの1日1回貼付がドネペジル塩酸塩5mg経口製剤1日1回投与と同等の曝露量を示し、55mg は10mg に相当する用量とされています。

アリドネ のアリ(Ally)は味方・仲間・協力者・支持者を、“ドネ”は有効成分ドネペジルに由来し命名されています。

<用法及び用量>
通常、軽度~中等度のアルツハイマー型認知症患者にはドネペジルとして、1日1回27.5mgを貼付する。

高度のアルツハイマー型認知症患者にはドネペジルとして、27.5mgで4週間以上経過後、55mgに増量する。なお、症状により1日1回27.5mgに減量できる。

本剤は背部、上腕部、胸部のいずれかの正常で健康な皮膚に貼付し、24時間毎に貼り替える。

注意点

光線過敏症や貼付部位を外部熱(過度の直射日光、あんか、サウナ等のその他の熱源)に曝露させないことなど意外な注意点があります。

<重要な基本的注意>
光線過敏症が発現するおそれがあるので、衣服で覆う等、貼付部位への直射日光を避けること。また、本剤を剥がした後も、貼付していた部位への直射日光を避けること

<薬剤貼付部位に関する注意>
・皮膚刺激を避けるため、貼付部位を毎回変更し、同一部位への貼付は、7日以上の間隔をあけること。
・本剤を剥がした後は、貼付部位への直射日光を3週間は避けるよう指導すること

<薬剤貼付時の注意>
貼付部位を外部熱(過度の直射日光、あんか、サウナ等のその他の熱源)に曝露させないこと。貼付部位の温度が上昇すると本剤からのドネペジルの吸収量が増加し、血中濃度が上昇するおそれがある。

②トレプロスト吸入液(トレプロスチニル)

「肺動脈性肺高血圧症」を効能とする、すでに発売されているプロスタグランジンI2誘導体製剤であるトレプロスト注射液と同成分の吸入液です。

注射剤とは異なり非侵襲的な投薬が可能であり、軽量で持ち運び可能なネブライザを使って患者さん自身で使用できる治療剤となっています。

③ヴィアレブ配合持続皮下注(ホスレボドパ/ホスカルビドパ水和物)

「レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善」を効能とするレボドパ・カルビドパの分子構造を基に開発されたプロドラッグ製剤です。

外科手術を行うことなく、小型の携帯型注入ポンプを介して,1 日24 時間にわたって持続的に皮下投与することができるものでありCDS(持続的ドパミン刺激療法)を実現する治療法として開発されました。

持続皮下注製剤なので薬局で調剤することはないかと思いますが、こういった製剤が存在することは知識として知っておいたほうがよいかと思います。

④ラジカット内用懸濁液(エダラボン)

「筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制」を効能とするすでに発売されているラジカット静注製剤の経口製剤です。

ALS 患者は嚥下困難を伴うことが多いため、経口固形製剤ではなく、より服用しやすい内用懸濁液として開発されており、懸濁液には、ALS 患者の誤嚥リスクを考慮して最低限のとろみを持たせているようです。

用法・用量がとても複雑

用法・用量が下記のようにかなり複雑であり、かつ、食事の影響の注意もあるので、基本的には起床時投与になるかと思います。

<用法及び用量>
通常、成人に1回5mL(エダラボンとして105mg)を空腹時に1日1回経口投与する。

通常、本剤投与期と休薬期を組み合わせた28日間を1クールとし、これを繰り返す。
第1クールは14日間連日投与する投与期の後14日間休薬し、第2クール以降は14日間のうち10日間投与する投与期の後14日間休薬する。

<用法及び用量に関連する注意>
本剤は食事の影響により血漿中濃度が低下するため、起床時等の8時間絶食後に本剤を服用することとし、服用後少なくとも1時間は水以外の飲食は避けること。

8時間絶食ができない場合、低脂肪食では摂取後4時間以上、軽食では摂取後2時間以上あけて、本剤を服用することが可能である。ただし、高脂肪食では摂取後8時間以上あけて本剤を服
用すること。

実際に飲む際もかなり複雑

実際に飲む場合もかなり複雑です。包装単位はボトル:35mL、50mLの2種類であり、ボトルで払い出します。

第1クールの7日分が35mLボトルに該当し(14日分で35mLボトル2本)、第2クール以降の10日分が50mLボトルに該当します。

製剤に経口シリンジとボトル口にはめ込むアダプターが付いてくるので、患者はアダプターをボトルの口にはめ込んで、そこに経口シリンジをさして、ボトルをさかさまにして量り取ります。

<適用上の注意>
●服用時
・付属の経口投与用シリンジを用いて量り取ること。
使用前にボトルを振とうし、ボトルの底に固着物の付着がないことを確認してから薬剤を抜き取ること。ボトルの底に固着物の付着が認められた場合、薬液が完全に混ざるまで振とうを繰り返すこと。
・経口投与時は付属の経口投与用シリンジから直接投与し、他の容器に移し替えて投与しないこと。

●保存時
ボトル開封前は冷蔵(2~8℃)で保存し、開封後は密栓して室温で保存すること。
ボトル開封後15日以内に使用すること。

ラジカット内用懸濁液2.1%服用方法|田辺三菱製薬 医療関係者サイト Medical View Point

⑤クレセンバカプセル(イサブコナゾニウム)

下記の真菌症の治療を効能とするイサブコナゾールの水溶性プロドラッグであり深在性真菌症に対してのアゾール系抗真菌薬です。


〇アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性進行性肺アスペルギルス症、単純性肺アスペルギローマ)
〇ムーコル症
〇クリプトコックス症(肺クリプトコックス症、播種性クリプトコックス症(クリプトコックス脳髄膜炎を含む))

用法が複雑

用法が下記のように、わかりづらい記載となっています。用法だけ一見すると7回目投与で終了のようにも見えますが、実際は以降も投与可能となっています。

処方の書き方ははっきり決まっているわけではありませんが、下記のような記載が想定されます。

①クレセンバカプセル100mg 6CP
1日3回 8時間ごと 2日分

②クレセンバカプセル100mg 2CP
分1 1日1回 
①服用後24時間後に服用開始

<用法・用量>
通常、成人にはイサブコナゾールとして1回200mgを約8時間おきに6回経口投与する。
6回目投与の12~24時間経過後、イサブコナゾールとして1回200mgを1日1回経口投与する。

併用禁忌が従来のアゾール系薬剤と異なる

アゾール系薬剤は併用禁忌がとても多く、「CYP3A4阻害」に関してはアゾール系薬剤がCYP3A4を強く阻害することで相手薬側の血中濃度上昇により併用禁忌となる場合が多いかと思いますが、クレセンバのCYP3Aの阻害は「中程度」であり、この機序での併用禁忌が少なくなっています。

そのため、この併用禁忌の違いにより従来のアゾール系薬剤が併用禁忌で使用できない場合の代替薬になる可能性もありますが、用途が深在性真菌症であるため実際に代替できるケースは限られてくるかと思います。(一応フルコナゾールもCYP3A4の阻害作用は中等度ですが、併用禁忌はかなり多くなっています)

一方で、クレセンバは「CYP3Aを強く阻害する薬剤」によりクレセンバの血中濃度が上昇する懸念があるという理由からの併用禁忌が多くなっています。特にクラリスロマイシンが併用禁忌に入ることには注意が必要です。

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