新薬承認情報【2021年春】+効能追加情報

2021年春の新薬承認品目と効能追加品目のなかから薬局薬剤師に関係がある薬剤の概要をまとめました。

新薬のジクトルテープやコレクチム軟膏の小児効能追加に伴う規格追加などはすべての薬剤師が把握しておいたほうがよいかと思います。

新薬承認情報【2021年春】+効能追加情報
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①ジクトルテープ75mg(ジクロフェナクナトリウム)

「各種がんにおける鎮痛」を効能とする 1日1回、2枚(最大3枚)の全身性の経皮吸収型製剤です。

経口剤の投与が困難な患者にも投与が可能であり、悪心、嚥下困難、消化管閉塞などがみられるがん疼痛患者や、抗がん剤の有害事象である悪心・嘔吐により嚥下又は消化できないがん疼痛患者において有用な製剤であると考えられています。

名称の由来は得にありません。

ロコアテープと同じように、テープ剤でありながら禁忌項目や相互作用などが内服NSAIDsと同様であるため禁忌の見落としなどに注意が必要です。

また、mgは異なりますが「ジクロフェナクナトリウムテープ75mg」の一般名処方で来た場合に、誤ってボルタレンテープ15mg/30mgで調剤してしてしまうという過誤も想定されるので、ジクトルテープの存在はすべての薬剤師が認識しておいたほうが良いかと思います。

<用法及び用量>
1日1回、2枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg)を胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替える。
なお、症状や状態により1日3枚(ジクロフェナクナトリウムとして225mg)に増量できる。

<用法及び用量に関連する注意>
本剤3枚貼付時の全身曝露量がジクロフェナクナトリウム経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1日貼付枚数は3枚を超えないこと。

本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること。

②インスリン アスパルトBS注ソロスター NR「サノ フィ」/BS注カート NR「サノフィ」

ノボラピッド注のバイオシミラーです。

バイオシミラーはジェネリックとは異なるのでうっかり代替調剤しないように注意が必要です。

また、2020年 2月に発売されたインスリン アスパルト(遺伝子組換え)の新薬の「フィアスプ」のバイオシミラーではないことも留意しておいたほうが良いかと思います。

③オスタバロ皮下注カートリッジ (アバロパラチド)

「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」を効能とする1日1回皮下投与の副甲状腺ホルモン(PTH)製剤です。投与期間の上限は「18ヵ月間まで」とされており従来の類薬の「24ヵ月間」と異なっています。

なお、本剤は、新医薬品の処方日数制限に対応する製剤を開発中であるため、現時点において上市時期は未定です。

<類薬>
・フォルテオ皮下注キット(1日1回、24ヵ月間まで)
・テリボン皮下注用56.5μg(1週間に1回、24ヵ月間まで)
・テリボン皮下注28.2μgオートインジェクター(週に2回、24ヵ月間まで)

④リオナ錠250mg( クエン酸第二鉄水和物 )【効能追加】

従来の効能の「慢性腎臓病患者における高リン血症の改善 」に加えて新たに「鉄欠乏性貧血」の効能が追加となりました。 消化器症状の軽減が期待されています。

従来の効能の「慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」の場合は1回500mgを開始用量 とし1日3回食直後(最高用量は1日6,000mg)ですが、 鉄欠乏性貧血の場合は1回500mg 1日1回食直後(最高用量は1回500mgを1日2回)です。

なお、添付文書には記載がありませんが、「他剤の使用が困難な場合など、その必要性を考慮すること」という留意事項が発出されているため、第一選択薬ではないことは認識しておく必要があります。

<医薬品医療機器等法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項の一部改正等について>
本製剤を「鉄欠乏性貧血」に用いる場合は、安全性等の理由により他剤の使用が困難な場合など、その必要性を考慮すること。

⑤コレクチム軟膏(デルゴシチニブ) 【小児効能追加】

「アトピー性皮膚炎」の効能のコレクチム軟膏に小児の効能が追加されました。

これに伴い従来の0.5%規格に加えて新たに0.25%規格が追加となりした。成人は0.5%ですが、小児は0.25%だけでなく、 症状に応じて0.5%製剤も使用することができます。

いずれにせよ、規格間違いの過誤が想定されるので注意が必要です。コレクチム軟膏は使用病院が多くなってきている印象があるので、現時点で処方がない薬局でも把握しておいたほうが良いかと思います。

また、添付文書には「1 回あたりの塗布量は体表面積の 30%までを目安とす ること」や「小児に 0.5%製剤を使用し,症状が改善した場合は, 0.25%製剤への変更を検討すること」なども追記されています。

<用法>
通常,成人には,0.5%製剤を1 日2 回,適量を患部に塗布する。なお,1 回あたりの塗布量は5g までとする。

通常,小児には,0.25%製剤を1 日2 回,適量を患部に塗 布する。症状に応じて,0.5%製剤を1 日2回塗布すること ができる。なお,1回あたりの塗布量は5gまでとするが, 体格を考慮すること。  

⑥ロナセン(ブロナンセリン)【小児効能追加】

小児の効能が追加されました。

原則として12歳以上の患者に使用することとされています。開始用量は成人用量の半分である1回2mg、1日2回食後とされています。

⑦ヴォリブリス錠(アンブリセンタン)【小児効能追加】

「肺動脈性肺高血圧症」の効能のヴォリブリスに小児の効能が追加されました。

新薬DSU等の解説
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