今回は2018年10月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。
今回は抗インフルエンザ薬やベタニスの重要な基本的注意の改訂、クレナフィンの開封後期限の変更が主な内容となるかと思います。
①抗インフルエンザ薬【重要な基本的注意】
タミフルの警告が削除となり、インフルエンザ薬の異常行動に関する添付文書の記載が一斉に改訂され、全ての抗インフルエンザ薬の記載が統一されました。
具体的な対応については以前にまとめているので下記の記事をご参照ください。
<重要な基本的注意>
抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている。異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、
①異常行動の発現のおそれがあること、
②自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること、について患者・家族に対し説明を行うこと。なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている。
②スーテント(スニチニブ)【重大な副作用】
重大な副作用に「急性胆嚢炎」が追加となりました。
無石胆嚢炎を含む急性胆嚢炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬するなど適切な処置を行うこと。
③トラマドール製剤【併用禁忌】
併用禁忌にパーキンソン病治療剤であるアジレクト(ラサギリン)が追記となりました。
なお、アジレクト側の添付文書にはすでに記載されています。
④レクサプロ(エスシタロプラム)【併用禁忌】
併用禁忌にパーキンソン病治療剤であるアジレクト(ラサギリン)が追記となりました。
なお、アジレクト側の添付文書にはすでに記載されています。
⑤リフレックス・レメロン(ミルタザピン)【併用禁忌】
併用禁忌にパーキンソン病治療剤であるアジレクト(ラサギリン)が追記となりました。
なお、アジレクト側の添付文書にはすでに記載されています。
⑥ベタニス(ミラべクロン)【重要な基本的注意】
過活動膀胱の適応を有する抗コリン剤と併用について、従来では「避けることが望ましい」との記載だったのが、「併用する際は尿閉などの副作用の発現に十分注意すること」に変更となりました。
<改訂前>
現時点では、過活動膀胱の適応を有する抗コリン剤と併用した際の安全性及び臨床効果が確認されていないため併用は避けることが望ましい。<改訂後>
過活動膀胱の適応を有する抗コリン剤と併用する際は尿閉などの副作用の発現に十分注意すること。
⑦クレナフィン爪外用液(エフィナコナゾール)【取扱い上の注意】
開封後の使用期限が、従来の「4週間」から「12週間」に延長となりました。そのため、製品に添付されている指導せんも開封後の期限の部分の記載が改訂となります。
これは使用実態を考慮した開封後12週間の安定性試験の結果、品質に影響しないことが確認されたことが理由となっています。
<取扱い上の注意>
開封後12週間経過した場合は、残液を使用しないこと。
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