今回は2018年3月分のDSUのなかから、薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。
今回はサンシシ含有製剤の「腸間膜静脈硬化症」に関する内容が主なものとなります。
①サンシシ含有製剤【重要な基本的注意】
「重要な基本的注意」に長期投与(多くは5年以上)により腸間膜静脈硬化症があらわれるおそれがあるため、長期投与する場合は、定期的にCT、大腸内視鏡等の検査を行うことが望ましい旨が記載されました。
「サンシシ含有製剤の長期投与(多くは5年以上)により、大腸の色調異常、浮腫、びらん、潰瘍、狭窄を伴う腸間膜静脈硬化症があらわれるおそれがある。
長期投与する場合にあっては、定期的にCT、大腸内視鏡等の検査を行うことが望ましい」
また、サンシシ含有製剤のうち、今まで重大な副作用に腸間膜静脈硬化症の記載がない製剤に関しては重大な副作用にも「腸間膜静脈硬化症」が追記となりました。
「長期投与により、腸間膜静脈硬化症があらわれることがある。
腹痛、下痢、便秘、腹部膨満等が繰り返しあらわれた場合、又は便潜血陽性になった場合には投与を中止し、CT、大腸内視鏡等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。なお、腸管切除術に至った症例も報告されている。」
サンシシを含む漢方製剤
・茵蔯蒿湯
・黄連解毒湯
・加味逍遙散
・辛夷清肺湯
・温清飲
・加味帰脾湯
・荊芥連翹湯
・五淋散
・柴胡清肝湯
・梔子柏皮湯
・清上防風湯
・清肺湯
・防風通聖散
・竜胆瀉肝湯
②コムクロシャンプー(クロベタゾールプロピオン酸エステル)【適用上の注意】
開封後 6 ヵ月までの安定性を保証する試験結果が得られたため、開封後の使用期限が従来の 4 週間から6 ヵ月に延長されました。
「開封後、6ヵ月以上経過したものは使用しないこと」
③メトグルコ(メトホルミン)【併用注意】
併用注意にテビケイ錠、トリーメク配合錠(ドルテグラビル)、カプレルサ(バンデタニブ)が追加となりました。
相互作用の機序として有機アニオンでなく、有機カチオン輸送系が明記されるのは珍しい印象があります。おそらくこのあたりの分野は近年解明が進んできた内容かと思うので、今後増えてくる可能性があるかと思います。
なお、テビケイ錠、トリーメク配合錠の効能は「HIV感染症」、カプレルサ錠の効能は「根治切除不能な甲状腺髄様癌」です。
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。
観察を十分に行い、必要に応じて本剤を減量するなど慎重に投与すること。これらの薬剤の腎臓での有機カチオン輸送系(OCT2)阻害作用により、本剤の排泄が阻害されると考えられている。
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