ブスコパンの服薬指導

ブスコパンの服薬指導
今回はブスコパン(ブチルスコポラミン)に関する服薬指導をまとめました。

ブスコパンは「前立腺肥大」がある患者はすべて禁忌に該当すると思われがちですが、実際は「前立腺肥大による排尿障害のある患者」が禁忌であり、「前立腺肥大のある患者」は慎重投与となっています。

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ブスコパン(ブチルスコポラミン)の概要

服薬指導難度

効能

下記疾患における痙攣並びに運動機能亢進
胃・十二指腸潰瘍、食道痙攣、幽門痙攣、胃炎、腸炎、腸疝痛、痙攣性便秘、機能性下痢、胆のう・胆管炎、胆石症、胆道ジスキネジー、胆のう切除後の後遺症、尿路結石症、膀胱炎、月経困難症

用法・用量

通常成人には1回1~2錠(ブチルスコポラミン臭化物として10~20mg)を1日3~5回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

名前の由来

化学名の N-butylscopolamine から命名されています。

ブスコパンの服薬指導で確認すること

①緑内障の有無【禁忌】

緑内障が禁忌であるため、緑内障の有無を確認します。

緑内障に該当する場合の対応に関しては下記の記事をご参照ください。

緑内障禁忌の薬剤の患者対応
今回は緑内障が禁忌である薬剤の服薬指導の際に、患者に緑内障の有無を確認し緑内障(閉塞かどうかは不明)であることを聴取した場合の対応をまとめました。 あくまで個人的な考えとなりますが参考になればと思います。

②前立腺肥大の有無【禁忌】

「前立腺肥大による排尿障害のある患者」が禁忌となります。そのため、前立腺肥大の有無を確認し、該当する場合は「排尿障害」があるかを確認します。

誤解されがちですが、排尿障害のない、単に「前立腺肥大のある患者」は慎重投与となっています。

③重篤な心疾患のある患者【禁忌】

「重篤な心疾患のある患者」が禁忌となるため、心疾患の有無を確認します。

「重篤な心疾患」が具体的に何を指すかが明記されていないため、医療従事者にとって対応しづらい記載となっています。

心疾患の「程度」が重篤なのか、心「疾患」自体が重篤なのかもよくわからない記載かと思います。

「重篤な心疾患」に該当しそうな場合は、製薬会社に確認をとり、必要であれば疑義照会する対応となるかと思います。

なお、禁忌の理由としては、「心拍数を増加させ,症状を悪化させるおそれがある」ことが、理由となっています。

④細菌性下痢の有無【原則禁忌・禁忌】

細菌性下痢は原則禁忌ですが、出血性大腸炎(腸管出血性大腸菌 (O157 等) や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢)の場合は禁忌となります。

これは腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがあるため、設定されています。

患者に対しては、原因や検便の有無、血便の有無などを確認し、細菌の可能性が高い場合は疑義照会します。血便がある場合は原則禁忌ではなく、禁忌の可能性があるのでそのことを踏まえたうえで疑義照会します。

ブスコパンの服薬指導で伝えること

①運転など避けること【重要な基本的注意】

眼の調節障害等を起こすことがあるので、運転など危険を伴う作業は避けるように説明します。

なお、「眼の調節障害」と言っても患者にはわからないため、患者には「目がぼやけたり見えにくくなることがあるので」などと説明するのがよいかと思います。

眼の調節障害等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

ブスコパンの服薬指導薬歴例

S)腹痛。下痢はしていない
O)緑内障、前立腺肥大、心疾患なし
A)眼が見えにくくなることがあるので運転など避けること説明。
P)状態確認

薬剤別服薬指導
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