ラミシール錠の服薬指導

ラミシール
今回はラミシール錠(テルビナフィン)の服薬指導をまとめました。ラミシールは説明する副作用の内容が多い薬剤です。肝障害だけ説明すればよいかと思われがちですが、血液障害、皮膚障害に関しても説明する必要があります。

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ラミシール(テルビナフィン)錠の概要

服薬指導難度

効能

皮膚糸状菌(トリコフィトン属、ミクロスポルム属、エピデルモフィトン属)、カンジダ属、スポロトリックス属、ホンセカエア属による下記感染症。但し、外用抗真菌剤では治療困難な患者に限る。

(1)深在性皮膚真菌症
白癬性肉芽腫、スポロトリコーシス、クロモミコーシス

(2)表在性皮膚真菌症
白癬:爪白癬、手・足白癬、生毛部白癬、頭部白癬、ケルスス禿瘡、白癬性毛瘡、生毛部急性深在性白癬、硬毛部急性深在性白癬

手・足白癬は角質増殖型の患者及び趾間型で角化・浸軟の強い患者、生毛部白癬は感染の部位及び範囲より外用抗真菌剤を適用できない患者に限る。

カンジダ症:爪カンジダ症

用法・用量

125mgを1日1回食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

名前の由来

特になし

指導せん

「ラミシール錠服薬ガイド」という小さめの指導用冊子があります。

肝障害、血液障害、横紋筋融解症に関しては十分に記載されています。皮膚障害に関しての記載もありますが、「水ぶくれ」や「ひどい口内炎」などの記載がないことや亜急性皮膚エリテマトーデスとして関節の痛みの記載がないので、併せて伝えるようにしたほうがよいかもしれません。

また、ジェネリックの薬剤でも指導せんを用意してある場合がありますが、会社により指導せんの内容が不十分で副作用の記載かほとんどないものもあるので注意が必要です。

ラミシール錠の服薬指導で確認すること

①肝障害の有無【禁忌】

重篤な肝障害のある患者が禁忌となります。そのため肝臓が悪いと言われていないかを確認します。

②血液障害の有無【禁忌】

汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少等の血液障害のある患者は禁忌となります。そのため血液や血球、血小板など血液の病気がないかを確認します。

③肝機能検査及び血液検査の有無【警告】

投与前に肝機能検査及び血液検査が必要なため、検査をしていない場合は疑義照会対象となります。

重篤な肝障害(肝不全、肝炎、胆汁うっ滞、黄疸等)及び汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。

本剤を使用する場合には、投与前に肝機能検査及び血液検査を行い、本剤の投与中は随伴症状に注意し、定期的に肝機能検査及び血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。
本剤の投与開始にあたっては、添付文書を熟読すること。

④投与日数の確認【重要な基本的注意】

投与開始後2ヵ月間は月1回の肝機能検査を行うこと、と記載されているので、月1回行えないだろう処方日数の場合は患者に次回受診日を確認した上で疑義照会を行います。

なお、製薬会社に確認したところ「月1回」というのは「毎月1回」ではなくて、およそ30日に1回という意味合いとのことでした。

そのため、例えば月初1日(ついたち)に受診し検査している場合は、翌月末に受診し検査すれば毎月1回検査の条件は満たしますが「30日に1回」の条件は満たさないため、このような場合は疑義照会対象となります。

重篤な肝障害(肝不全、肝炎、胆汁うっ滞、黄疸等)があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。
重篤な肝障害は主に投与開始後2ヵ月以内にあらわれるので、投与開始後2ヵ月間は月1回の肝機能検査を行うこと。また、その後も定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。

ラミシール錠の服薬指導で伝えること

①肝障害の説明【重要な基本的注意】

重篤な肝障害があらわれることがあるため症状を説明します。

添付文書の重大な副作用の項目を参考に、皮膚そう痒感、発熱、悪心・嘔吐、食欲不振、けん怠感等があらわれる場合はすぐに医師に連絡して受診するように説明します。

重篤な肝障害(肝不全、肝炎、胆汁うっ滞、黄疸等)があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。

重篤な肝障害は主に投与開始後2ヵ月以内にあらわれるので、投与開始後2ヵ月間は月1回の肝機能検査を行うこと。また、その後も定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。

②血液障害の説明【重要な基本的注意】

血液障害があらわれることがあるため症状を説明します。

添付文書の重大な副作用の項目を参考に咽頭炎、発熱、リンパ節腫脹、紫斑、皮下出血等があらわれる場合はすぐに医師に連絡して受診するように説明します。

汎血球減少、無顆粒球症及び血小板減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行うなど観察を十分に行うこと。

③皮膚障害の説明【重要な基本的注意】

皮膚障害があらわれることがあるため症状を説明します。

添付文書の重大な副作用の項目には具体的な症状の記載がないため患者向医薬品ガイドを参考とします。

蕁麻疹、ただれや水ぶくれ、ひどい口内炎、発熱などがあらわれる場合はすぐに医師に連絡して受診するように説明します。

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性全身性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)があらわれることがあるので、本剤の投与中は観察を十分に行うこと

④運転などの注意【重要な基本的注意】

意外と忘れがちですが、運転などの注意が必要なため説明します。

眠気、めまい・ふらつき等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

⑤他の副作用の説明【重要な基本的注意】

下記のように「本剤の副作用について患者に十分説明する」と医療従事者に丸投げの記載があるため、少なくとも上述したもの以外の重大な副作用である横紋筋融解症や亜急性皮膚エリテマトーデスに関しても説明したほうがよいかもしれません。

他の副作用と重複がない症状を説明します。横紋筋融解症の筋肉痛、脱力感、赤褐色尿及び亜急性皮膚エリテマトーデスとして関節の痛みを説明します。

本剤の投与にあたっては、添付文書を熟読し、本剤の副作用について患者に十分説明するとともに、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡するよう指示するなど注意を喚起すること。

ラミシールの服薬指導薬歴

S)水虫
O)肝臓悪いといわれたことなし、血液障害なし。検査あり

A)万一、皮膚そう痒感、発熱、悪心・嘔吐、食欲不振、けん怠感、咽頭炎、発熱、リンパ節腫脹、あざ、蕁麻疹、ただれや水ぶくれ、ひどい口内炎、筋肉痛、脱力感、赤褐色尿、関節痛など出る場合はすぐ受診指示。

眠気などでることあるので運転など避けるよう指示。
P)副作用確認

薬剤別服薬指導
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