効能・効果追加情報【2016年12月分】

2016冬効能追加
今回は2016年12月分の効能追加情報のなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。

今回はセララの慢性心不全の効能追加が注目すべき内容かと思います。用法・用量や禁忌項目が従来の高血圧症と異なるため注意が必要となります。

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①サインバルタカプセル(デュロキセチン)

「変形性関節症に伴う疼痛」の効能が追加となりました。

なお、「変形性関節症に伴う疼痛に用いる場合,3ヵ月以上疼痛を有する患者にのみ本剤の投与を考慮すること」とされています。

②セララ(エプレレノン)

セララの25mg及び50mgの規格に「慢性心不全(アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、利尿薬等の基礎治療を受けている患者)」の効能が追加となりました。(100mgは従来通り高血圧のみ)

開始用量や最大用量ともに従来の効能である高血圧の用量より少ない用量となるため注意が必要です。

また、「定期的に血清カリウム測定を行い、カリウムの値により添付文書の記載に従って用法・用量を調節すること」とされています。

〈慢性心不全〉
通常、成人には1日1回25 mgから投与を開始し、血清カリウム値、患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に1日1回50 mgへ増量する。

ただし、中等度の腎機能障害のある患者では、1日1回隔日25 mgから投与を開始し、最大用量は1日1回25 mgとする。なお、血清カリウム値、患者の状態に応じて適宜減量又は中断する。

禁忌も効能により異なる

また、禁忌と併用禁忌も従来の高血圧症の場合と一部異なり、慢性心不全のほうが禁忌項目が緩和されています。

高血圧症の場合は下記の3点も禁忌となりますが、慢性心不全の場合はこれらは該当しません(重度の腎機能障害は禁忌)。

・微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者
・中等度以上の腎機能障害(クレアチニンクリアランス50mL/分未満)のある患者
・カリウム製剤を投与中の患者

なお、「慢性心不全に使うが高血圧も合併している場合には高血圧症側のみの禁忌項目も禁忌となるのか?」という疑問がでてくると思いますが、製薬会社に確認したところ、あくまで禁忌は対象とする用途(効能)に対して設定されているため、慢性心不全の用途の効能で使う場合には「高血圧を合併していても高血圧症側のみの禁忌項目は無視してよい」とのことでした。

私の個人的な考えとしては、高血圧を合併していれば高血圧側の禁忌項目も禁忌となると思っていたため、正直この回答は意外でした。

また、あくまでもこれは電話でのやり取りなので、該当する事例(高血圧側のみの禁忌項目に該当するが用途が心不全である場合)があれば一度ご自身で製薬会社に確認し、かつ回答内容と回答者の氏名を薬歴に記録しておくことをお勧めします。

薬剤師の対応

薬剤師の対応としては今後セララが処方された場合はまず、処方内容から(用量や併用薬にACEIまたはARB、β遮断薬、利尿薬等があるかなど)高血圧症か慢性心不全かどちらに使うかを推測してから患者に確認する必要があります。

心不全に使うが用量が高血圧の用量である場合などは疑義照会対象となります。

なお、「1日25mgの用量=心不全」と考えがちですが、カリウム値が高くなった場合(投与開始時に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えている場合は禁忌)やCYP3A4阻害薬と併用する場合などの減量基準に該当する場合は高血圧であっても25mgで使用することがある点は十分認識しておく必要があるかと思います。

③リキスミア皮下注(リキシセナチド)

従来は「食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤、持効型溶解インスリン又は中間型インスリン製剤を使用しても十分な効果が得られない場合に限り適用を考慮すること」、とされていましたが今回の改訂でこの制限がなくなりました。

④ヒューマログ注カート/ミリオペン(インスリン リスプロ)

従来は持続型インスリン製剤との併用が必要でしたが、持続型インスリン製剤の併用を必要としない単独投与が可能となりました。

DSU等の解説
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