2016年12月分 DSUのまとめ・解説

dsu12月
今回は2016年12月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。

今回はベルソムラの併用注意の改訂と、これに伴うベルソムラ10mg錠の規格の新発売が主な内容かと思います。

スポンサーリンク

①プロマック(ポラプレジンク)【重大な副作用】

重大な副作用に銅欠乏症が追加となりました。

「本剤は亜鉛を含有するため、亜鉛により銅の吸収が阻害され銅欠乏症を起こすことがある。栄養状態不良の患者で銅欠乏に伴う汎血球減少や貧血が報告されているため、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと」

②ザイロリック(アロプリノール)【重大な副作用】

従来は「薬剤性過敏症症候群」は重大な副作用の中毒性表皮壊死融解症(TEN)、 皮膚粘膜眼症候群(SJS)などと同じ項目に併記されていましたが、今回の改訂で個別の重大な副作用としての記載となりました。

「初期症状として発疹、発熱がみられ、更にリンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現、肝機能障害等の臓器障害を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。

また、1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)を発症し、ケトアシドーシスに至った例も報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化したり、脳炎等の中枢神経症状があらわれたりすることがあるので注意すること」

③ネシーナ、テネリア、トラゼンタ(アログリプチン、テネリグリプチン、リナグリプチン)【重大な副作用】

重大な副作用に類天疱瘡が追加となりました。

「類天疱瘡があらわれることがあるので、水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと」

④イーケプラドライシロップ(レベチラセタム(ドライシロップ剤))【慎重投与】

慎重投与にフェニルケトン尿症の患者〔本剤は1g中30mgのアスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)を含有する。〕が追加となりました。

⑤ベルソムラ(スボレキサント)【用法・用量に関連する使用上の注意及び併用注意】

用法・用量に関連する使用上の注意に下記が追記となりこれに伴い10mg錠の規格が新発売となりました。

CYP3Aを阻害する薬剤(ジルチアゼム、ベラパミル、フルコナゾール等)との併用により、スボレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠、疲労、入眠時麻痺、睡眠時随伴症、夢遊病等の副作用が増強されるおそれがあるため、これらの薬剤を併用する場合は1日1回10mgへの減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること」

添付文書にはヘルベッサー(ジルチアゼム)の併用によりベルソムラのAUCがおよそ2倍に増加すると記載されています。

また、CYP3Aを阻害する薬剤として具体的に明記されている3剤以外にも、「等」と記載があるため、少なくともエリスロシンやフロリードゲル経口用などは該当すると考えたほうがよいかと思います。

ベルソムラの服薬指導
今回は2014年11月に発売された新薬である不眠症治療薬の新薬ベルソムラ(スボレキサント)の服薬指導をまとめました。併用禁忌の薬が多く特にクラリスロマイシンが併用禁忌であることや食直後の服用はTmaxが延長することは把握しておく必要がありま...

⑥プラザキサ(ダビガトランエテキシラート)【重要な基本的注意】

重要な基本的注意に下記が追記となりました。これはプラザキサの中和剤であるプリズバインド静注液が発売されたことから改訂となっています。

「本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時、もしくは重大な出血が予想される緊急を要する手術又は処置の施行時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるイダルシズマブ(遺伝子組換え)の添付文書を必ず参照し、禁忌、慎重投与、重要な基本的注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること」

DSU等の解説
スポンサーリンク
Suzukiをフォローする
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
関連記事
薬局薬剤師ブログ 服薬指導の覚書

コメント

タイトルとURLをコピーしました