今回は2016年12月分の効能追加情報のなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。
また、正式な効能追加ではなく公知申請の段階となりますが、タミフルドライシロップの乳児、新生児の効能に関する内容も併せてご紹介します。
①ディナゲスト錠(ジエノゲスト)
「子宮腺筋症に伴う疼痛の改善」の効能・効果が追加となりました。
また、禁忌に「高度の子宮腫大又は重度の貧血のある患者(出血症状が増悪し、大量出血を起こすおそれがある)」が追加となりました。
これは国内市販後において集積された重篤な不正出血・貧血を発現した症例において、「高度の子宮腫大」あるいは「重度の貧血」を有する症例が認められたことなどから改訂となったようです。
なお、これに伴い【重要な基本的注意】に「貧血のある患者では、必要に応じて本剤投与前に貧血の治療を行うこと」が追加となりました。
②レルベア100エリプタ(ビランテロールトリフェニル酢酸塩/フルチカゾンフランカルボン酸エステル)
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)の効能が追加となりました。
なお、レルベアの200エリプタにはこの効能が追加となっていないため注意が必要です。
③タミフルドライシロップ【公知申請】
新生児と乳児への用法用量が公知申請対象となりました。これにより薬事承認上は適応外ですが保険適用の対象となります。
個人的な予想に過ぎませんが今後、半年や一年後などには正式に添付文書が改訂される可能性があるかなと考えています。
新生児、乳児の場合:1回3mg/kg(ドライシロップ剤として100mg/kg)を1日2回5日間、用時懸濁して経口投与する。
薬剤の対応
従来の用量では1回2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg)であるため、1歳未満のほうがKgあたりの用量が大きくなるため注意が必要です。
例えば体重が10Kgの場合、1歳以上であれば1日製剤量が1.3gとなりますが、1歳未満であれば2.0gとなります。
今後タミフルが1歳未満で処方された場合はこの用量で出される可能性があるため認識しておく必要があるかと思います。
用量の設定根拠
この1歳未満の用量は、欧米で承認されている1歳未満の用法用量がこの3mg/kgであることや、薬物動態で民族差が認められていないことなどから設定されています。
なお、欧米の添付文書では「2週齢未満の新生児または在胎36週未満の早産児」に対するタミフルの有効性と安全性は確立されていないとされているため、個人的には同様の扱いとして対応をしたほうが無難かと思います。
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