今回は2016年9月に承認され、現在発売準備中である第二世代抗ヒスタミン薬の新薬であるビラノア(ビラスチン)の服薬指導をまとめました。
抗ヒスタミン薬の中では珍しく用法が空腹時となっています(食後でAUCが減弱するため)。
ビラノアの概要
服薬指導難度
効能
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
用法・用量
通常、成人にはビラスチンとして1回20mgを1日1回空腹時に経口投与する。
名前の由来
Bilastine Non Allergyの各頭文字であるBila+No+Aに由来しています。
指導せん
「ビラノア錠を服用される方へ」という指導せんがあります。
内容は「空腹時」という用法に関するもので、「食後すぐに服用するとお薬の効果がうすれる可能性があります」という文言が記載されています。
注意が必要なのは「1日のうち、症状の強い時間帯やご自身のご都合にあわせて、食事の1時間前から食後2時間を避けてお飲みください」と患者自身で服用タイミングを決めてよいような記載がいくつかあることです。
医師のビラノアの処方の用法が単に「1日1回」だけなら問題ありませんが、「寝る前」などと指定されている場合はこの指導せんは不適切となるため注意が必要です。
ビラノアの服薬指導で確認すること
①用法の確認
用法が「空腹時」であるため、食後で処方がきたら疑義照会対象となります。
「空腹時」の具体的な服用時間は臨床試験では食事の1時間以上前または2時間以上後に服用しているのでこれを参考にするとよいかと思います。(指導せんにも同様の記載があります)
なお、空腹時投与に比べ食後(高脂肪食)投与ではAUCは約40%、Cmaxは約60%低下し、tmaxは1.03時間から3.03時間に延長したとされています。
ビラノアの服薬指導で伝えること
クラリチンやアレグラなどと同様に運転に関する記載がないため、伝えることは少ない薬剤となります。
①アレルギー検査の予定の有無
他の抗アレルギー薬同様にアレルギー検査の反応を抑制するため、検査を実施する数日前に休薬する場合があります。
そのため、アレルギー検査の予定がある場合は、事前に休薬するかどうかを医師に確認するよう説明します。
ビラノアの服薬指導薬歴例
S)鼻炎
O)
A)アレルギー検査等の際は休薬する場合があるので医師にに確認するよう指示。
P)症状確認
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