
2024年10月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。
今回はNSAIDsの重大な副作用に「心筋梗塞、脳血管障害」が追記されたことが主な内容となっています。
①多くのNSAIDs【重大な副作用・妊婦】
重大な副作用に「心筋梗塞、脳血管障害」が追記されました。
NSAIDs の心筋梗塞及び脳血管障害リスクに関する調査の結果から、全身作用が期待される NSAIDs(アスピリンを除く)の心筋梗塞及び脳血管障害リスクが示唆されたことから改訂になりました。
なお、現時点ではセレコキシブのように「重要な基本的注意」に記載がされたわけではないため、服薬指導の際に患者に説明するかどうかは判断が分かれるところかと思います。
なお、OTC薬のNSAIDsでも多くのものが同様の改訂になっているので患者さんに販売する際に古い添付文書のもので渡さないように注意する必要があります。
<重大な副作用>心筋梗塞、脳血管障害
心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象があらわれることがある
また、もともとNSAIDsは一部の薬剤を除き胎児動脈管収縮のリスクで妊娠後期が禁忌(インドメタシンやジクロフェナクは妊娠全期間で禁忌)となっていますが、妊娠中期の曝露においても胎児動脈管収縮が報告されたことから「妊婦」の項目に妊娠中期の妊婦に使用し胎児の動脈管収縮が起きたとの報告がある旨、及び本剤を投与する際には胎児の動脈管収縮が疑われる所見を適宜確認する旨の注意喚起が追記されました。
②ナジフロキサシンローション 「トーワ」【取扱い上の注意】
引火点を測定した結果、消防法上の危険物(第四類アルコール類)に該当することが判明したことから取扱い上の注意に「火気を避けて保存すること」が追記されました。
これにより、今後は服薬指導の際にこの旨の説明をする必要があります。
③ニンラーロカプセル(イキサゾミブ)【減量基準追加・規格追加】
「多発性骨髄腫における維持療法」の効能において、本剤 2.3 mg からの減量ステップが1 段階追加され、より低用量の減量基準が新設されました。
これにより0.5 mg カプセルの規格が追加となりました。
なお、0.5 mg カプセルと他の含量のカプセルの生物学的同等性は示されていないため、3 mg 又は 4 mg を投与する際には 0.5 mg カプセルを使用できない旨も追記されています。
④ベムリディ錠(テノホビル アラフェナミド)【用法及び用量に関連する注意】
従来の「クレアチニン・クリアランスが15mL/分未満に低下した場合は投与の中止を考慮すること」という記載が「クレアチニン・クリアランスが15mL/分未満に低下した場合は、維持血液透析を行っている患者を除き、投与の中止を考慮すること」という記載に変更されました。
なお、透析日に本剤を投与する際は、透析後に1日用量を投与する旨も追記されました。
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