
2024年12月分のDSUのなかから薬局薬剤師に関係がありそうな薬剤を抜粋してまとめました。
今回はメジャーな薬剤での大きな改訂はありませんでした。
①炭酸リチウム【重大な副作用】
重大な副作用に「薬剤性過敏症症候群」が追加となりました。
<重大な副作用>
薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。
なお、ヒトヘルペスウイルス 6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
②イコサペント酸エチル、オメガ-3脂肪酸エチル【重大な副作用】
もともと「その他の注意」に記載されていた心房細動についての内容が「重大な副作用」の項目に記載されました。
国内外の臨床試験などて心房細動、心房粗動のリスク増加が示唆される報告があることから改訂となりました。
<重大な副作用>
心房細動(頻度不明)、心房粗動(頻度不明)
イコサペント酸エチル(4g/日)の海外臨床試験において、入院を要する心房細動又は心房粗動のリスク増加が認められたとの報告がある。
また、イコサペント酸エチルを含むオメガ-3脂肪酸の国内外臨床試験において、心房細動のリスク増加が認められたとの報告がある。
③プラケニル錠(ヒドロキシクロロキン)【重要な基本的注意】
「重要な基本的注意」にリン脂質の蓄積に関連する副作用についての注意が追記されました。
この記載だけでは具体的な症状がわかりにくいですが、リン脂質の蓄積に関連する症状として「蛋白尿、血尿」がその他の副作用の項目に追記されています。また、製薬会社に確認したところ症例報告では顔や足のむくみ等の症状があったとのことでした。
<重要な基本的注意>
リン脂質の蓄積に関連する症状が心臓、腎臓、筋肉、神経系等の臓器・組織にあらわれることがある。観察を十分に行い、リン脂質の蓄積に関連する副作用が疑われる場合は、本剤の投与中止を考慮すること。
④ボリコナゾール【重大な副作用・重要な基本的注意】
従来、「その他の副作用」の項に記載されていた「高カリウム血症」が「重大な副作用」に記載されました。
また、「重要な基本的注意」にも従来から記載されている血液障害、腎障害に追記される形で改訂となりました。
<重大な副作用>
高カリウム血症(1.0%)
<重要な基本的注意>
重篤な血液障害、重篤な腎障害、高カリウム血症があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては定期的に血液検査、腎機能検査、血中電解質検査を行うなど観察を十分に行うこと。
⑤イオウ・カンフルローション「東豊」【取扱い上の注意】
「取扱い上の注意」に下記が追記されました。
添付文書の記載だけでは下記の変化が見られた際に使用してよいのかが不明瞭ですが、製薬会社に確認したところ使用は問題ないとのことでした。
<取扱い上の注意>
イオウの一部が硫化カルシウムとしてアルカリ性の上澄み液に溶解し、上澄み液が淡黄色~黄色に着色することがある。また、硫化物に由来するにおいを発することがある 。
空気中の二酸化炭素を吸収して炭酸カルシウムの浮遊物や白濁がみられることがある。
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