
今回は薬剤師の教育用に薬剤知識確認テスト【禁忌編】を作成しました。
自身の知識確認や新卒薬剤師の教育などに参考になればと思います。
*ジェネリックが発売されているものは一般名、販売されていないものは商品名として記載しています(一部例外あり)。
*一つの設問中で複数の禁忌項目を問いている場合は「それぞれどれか」と記載しているので、それぞれについて回答してください。
- 禁忌についての考え方
- 問1 「消化性潰瘍」が禁忌の薬剤はどれか
- 問2 「気管支喘息」、「気管支喘息発作中」が禁忌の薬剤はそれぞれどれか
- 問3 「前立腺肥大」、「排尿障害のある前立腺肥大」が禁忌の薬剤はそれぞれどれか
- 問4 「糖尿病、糖尿病の既往歴」、「微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者」が禁忌の薬剤はそれぞれどれか
- 問5 「てんかん」、「てんかん又はその既往歴」が禁忌の薬剤はそれぞれどれか
- 問6「腎結石」が禁忌の薬剤はどれか
- 問7 「胆石」、「 胆石又はその既往歴のある患者」が禁忌の薬剤はどれかそれぞれどれか
- 答え
- 問8 「甲状腺機能亢進症」、「甲状腺機能低下症」が禁忌の薬剤はどれかそれぞれどれか
- 問9 「前兆を伴う片頭痛」、「脳梗塞既往」、「心筋梗塞既往」、「出血性血液疾患(血小板減少等)、「痔疾」が禁忌の薬剤はそれぞれどれか
- 問10 「妊娠」、「妊娠後期」が禁忌の薬剤はどれか
- 答え
- 問11 「アスピリン喘息が禁忌等の使用不可となっていない薬剤」、「アスピリン喘息の誘発性が低い薬剤」はそれぞれどれか
禁忌についての考え方
以前に別記事でも取り上げていますが、禁忌については薬歴の記載の有無にかかわらず、服薬指導時に患者から有無を聴取し禁忌に該当しないことを確認し、薬歴に「消化性潰瘍無し」などと記載をすることを強く推奨します。
また、一部の薬剤では既往も含み禁忌となっているものがありますが、この場合は「過去も含めて、いままでてんかんといわれたことはないですか」などと既往も確認できるように聴取する必要があるので注意が必要です。
問1 「消化性潰瘍」が禁忌の薬剤はどれか
①カロナール錠 ②ロキソニン錠 ③ベサコリン散 ④PL配合顆粒 ⑤イグラチモド錠 ⑥ジクトルテープ ⑦モーラステープ ⑧ロコアテープ ⑨ジクロフェナクNa坐剤
②、③、④、⑤、⑥、⑧、⑨
・NSAIDs以外の薬剤(ベサコリンやイグラチモド)は見落としがちなため注意が必要です。また、NSAIDsでも外用剤は禁忌を見落としがちであるため注意する必要があります。
問2 「気管支喘息」、「気管支喘息発作中」が禁忌の薬剤はそれぞれどれか
①アテノロール錠 ②カルベジロール錠 ③ビソプロロール錠 ④アロチノロール錠 ⑤チモロール点眼液 ⑥ベタキソロール点眼液 ⑦エボザックカプセル ⑧フスコデ配合錠 ⑨カフコデN配合錠 ⑩ベサコリン散
気管支喘息:②、④、⑤、⑦、⑩
気管支喘息発作中:⑨
・β遮断薬以外のものは見落としがちなため注意が必要です。コリン作動薬(ベサコリン、エボザック、サラジェンなど)も気管支喘息が禁忌となっています。
・チモロール点眼液は既往も禁忌であることが明記されているため、投薬時には既往も含めて聴取する必要があります。
また、 β遮断薬 は「気管支喘息のおそれのある患者」といった記載であり、アーチスト(カルベジロール)の製薬会社のように「おそれのある」の部分に喘息の既往も入るという見解の製薬会社もあり、そうでない製薬会社もあり、製剤によって見解が異なるので、喘息既往がある場合は禁忌に該当するかどうかをまず製薬会社に確認する必要があります。
・フスコデ以外のコデイン系成分含有製剤は気管支喘息発作中が禁忌となります。投薬時に喘息の有無を聴取し、喘息である場合は発作が出ていないことを確認する必要があります。
問3 「前立腺肥大」、「排尿障害のある前立腺肥大」が禁忌の薬剤はそれぞれどれか
①カフコデ配合錠 ②セレスタミン配合錠 ③ベポタスチン錠 ④ゼスラン錠 ⑤ブチルスコポラミン錠 ⑥トラベルミン配合錠 ⑦アポハイドローション ⑧エクロックゲル ⑨レルベアエリプタ ⑩テリルジーエリプタ ⑪スピリーバ
前立腺肥大:①、②、④、⑥
排尿障害のある前立腺肥大:⑤、⑦、⑧、⑩、⑪
・誤解されがちですがブスコパンや抗コリン含有外用剤は「排尿障害のある」前立腺肥大が禁忌であり、排尿障害のない場合は禁忌ではなく慎重投与(現在は特定の背景を有する患者に関する注意)となります。
・多くの薬剤は禁忌の記載のとおり前立腺肥大に限らず他の下部尿路閉塞疾患も禁忌に該当します。
問4 「糖尿病、糖尿病の既往歴」、「微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者」が禁忌の薬剤はそれぞれどれか
①オランザピン錠 ②アリピプラゾール錠 ③クエチアピン錠 ④リスペリドン錠⑤ミネブロ錠 ⑥エプレレノン錠(高血圧の効能) ⑦ケレンディア錠
糖尿病、糖尿病の既往歴:①、③
微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者:⑥
・オランザピン、クエチアピンは既往も禁忌に含むため、投薬時には既往も含めて聴取する必要があります。
・エプレレノンは慢性心不全の効能で使う場合は禁忌ではなく慎重投与(現在は特定の背景を有する患者に関する注意)となります。
問5 「てんかん」、「てんかん又はその既往歴」が禁忌の薬剤はそれぞれどれか
①サラジェン錠 ②エボザックカプセル ③サリベートエアゾール ④トリプタノール錠 ⑤マプロチリン錠 ⑥ベサコリン散 ⑧炭酸ランタン錠 ⑨炭酸リチウム錠 ⑩ケトチフェンDS ⑪セチリジンDS
てんかん:①、②、⑥、⑨
てんかん又はその既往歴:⑤、⑩
・てんかんは小児でも該当する場合があるのでケトチフェン小児製剤などの処方の際に見落とさないように注意が必要です。
・マプリチリン、ケトチフェンは既往も禁忌に含むため、投薬時には既往も含めて聴取する必要があります。
問6「腎結石」が禁忌の薬剤はどれか
①メペンゾラート臭化物錠 ②コロネル錠 ③ユリス錠 ④ベンズブロマロン錠 ⑤クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合錠 ⑥乳酸カルシウム原末 ⑦Lーアスパラギン酸Ca錠
②、④,⑥、⑦
問7 「胆石」、「 胆石又はその既往歴のある患者」が禁忌の薬剤はどれかそれぞれどれか
①クロフィブラートカプセル ②ベザフィブラート錠 ③フェノフィブラート錠 ④パルモディア錠
胆石:③、④
胆石又はその既往歴のある患者:①
・フェノフィブラートは禁忌が「胆のう疾患」という記載でこれには胆石や胆のう炎などの胆のう疾患全般で禁忌となってしまうことに注意が必要です。
問8 「甲状腺機能亢進症」、「甲状腺機能低下症」が禁忌の薬剤はどれかそれぞれどれか
①アメジニウム錠 ②ミドドリン錠 ③リトドリン塩酸塩錠 ④つくしA・M配合散 ⑤Lーアスパラギン酸Ca錠 ⑥ベサコリン散 ⑦コンサータ錠 ⑧アトモキサチン錠 ⑨ビバンセカプセル
甲状腺機能亢進症:①、②、③、⑥、⑦、⑨
甲状腺機能低下症:④
問9 「前兆を伴う片頭痛」、「脳梗塞既往」、「心筋梗塞既往」、「出血性血液疾患(血小板減少等)、「痔疾」が禁忌の薬剤はそれぞれどれか
①リザトリプタン錠 ②ルナベル配合錠 ③ジクロフェナクNa坐剤 ④インドメタシン坐剤 ⑤ヒルドイドソフト ⑥ザーネ軟膏
前兆を伴う片頭痛:②
脳梗塞既往:①、②
心筋梗塞既往:①、②
出血性血液疾患(血小板減少等):⑤
痔疾:③、④
・時々遭遇するケースとしてトリプタン系薬剤が処方された際に併用薬でピルを飲んでる場合があります。このような場合には片頭痛に前兆があるかを聴取し、該当する場合はピルの使用を控える必要があるかもしれないので処方医に確認するように伝える(自薬局でピルを調剤している場合は薬局からピル処方医に連絡)といった対応が必要となります。
問10 「妊娠」、「妊娠後期」が禁忌の薬剤はどれか
①オルメサルタン錠 ②アムロジピン錠 ③カロナール錠 ④ロキソニン錠 ⑤ケトプロフェンテープ ⑥ロコアテープ ⑦ジクトルテープ ⑧ミグシス錠 ⑨バルプロ酸(片頭痛の効能)⑩アダパレンゲル ⑪ベピオゲル
妊娠:①、⑦、⑧、⑨、⑩
妊娠後期:④、⑤、⑥
・妊娠禁忌の薬剤は妊娠可能な年齢の女性に処方された際は服薬指導時に妊娠をしていないことを聴取するとともに、妊娠した場合は使用できないので妊娠予定ができた場合は事前に医師に相談するよう説明する必要があります。
・バルプロ酸は片頭痛の効能以外の用途では禁忌には該当しません。
・外用薬は見落としがちであり注意が必要です。
問11 「アスピリン喘息が禁忌等の使用不可となっていない薬剤」、「アスピリン喘息の誘発性が低い薬剤」はそれぞれどれか
①セレコックス錠 ②ボルタレン錠 ③カロナール錠300mg/回 ④カロナール錠500mg/回 ⑤ロキソニン錠 ⑥ブルフェン錠
アスピリン喘息が禁忌等の使用不可となっていない薬剤:③
アスピリン喘息の誘発性が低い薬剤:①、③
・カロナールは1回300mgを超える場合は投与不可。添付文書には「1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして300mg以下とすること」と記載されています。


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